ツーリングで使うことも多い高速道路ですが、とくに、遠方までの移動だと高額になりがちです。そこで使いたいのが割引サービスですが、一体どのようなものがバイクで使えるのでしょうか。

休日割引

まず、大前提として、ここで紹介する高速道路の割引サービスはETCカードの利用が必要。ETCカードを所有し、愛車にETC車載器を設置していないと利用できません。

高速道路の割引サービスはETCカードを所有し、愛車にETC車載器を設置していないと利用できないことがほとんど

そして、まず、代表的な高速道路料金の割引サービスといえるのが、NEXCO3社(NEXCO東日本/中日本/西日本)などが実施している「休日割引」です。

この割引は二輪車のほか、普通自動車や軽自動車が対象で、土曜日・日曜日・祝日にETCを利用することで、対象区間の料金を30%割引するというものです。

休日割引は二輪車のほか、普通自動車や軽自動車が対象

料金が高くなる離れた場所へ出かける場合などには、割引率が高いため重宝しますね。ただし、対象とならない区間があるほか、ゴールデンウイークやシルバーウイークといった大型連休やお盆、年末年始、3連休など、適用されない場合もあるので注意が必要です。

なお、割引対象路線に関しては、NEXCO3社(NEXCO東日本/中日本/西日本)のホームページなどを参照ください。

深夜割引

深夜に高速道路を利用することで割引を受けられるのが「深夜割引」です。

たとえば、NEXCO3社と宮城県道路公社が行っている深夜割引のサービスでは、全ての車種を対象とし、毎日0時から4時のETC利用で一部区間の料金が30%割引になります。

0時から4時の対象時間内に高速道路の対象区間を出入りするのはもちろん、対象時間外に入って対象時間内に出るパターン、対象時間内に入って対象時間外に出るパターンなどでも割引になるのが特徴です。ただし、深夜といっても、たとえば、22:30に入り23:30に出るなど、対象時間外の出入りでは割引とならないので注意しましょう。

深夜割引の対象走行と対象外走行の例(出典:NEXCO東日本)

なお、この深夜割引については、現行の割引制度では、適用待ち車両がインターチェンジやサービスエリアなどで滞留するといった問題も出ています。そのため、NEXCO3社では、割引適用時間帯に走行した分の料金のみを30%割引の対象とすることや(22時台に流出した場合は20%割引)、割引適用時間帯の拡大(22時から翌5時に拡大)などの見直しを予定しているといいます(2025年7月ごろの実施予定)。

また、この見直しと同時に、今後は「ETCマイレージサービス」などへの後日還元型による割引制度に変更するといいます。

従来の制度では、高速道路を利用したその時に深夜割引の料金が適用されますが、変更後は、利用時には通常料金を適用。後日、通常料金と深夜割引料金の差額分が利用者に付与され、次に高速道路を使う場合に使うことができるというものです。ただし、このサービスを使うには、ETCマイレージサービスに登録する必要がありますので、注意が必要です。

深夜割引は割引適用時間帯などの見直しが行われる予定(出典:NEXCO東日本)

深夜割引は「ETCマイレージサービス」などへの後日還元型による割引制度に変更(出典:NEXCO東日本)

なお、割引対象路線に関しては、NEXCO3社(NEXCO東日本/中日本/西日本)のホームページなどを参照ください。

平日朝夕割引

「平日朝夕割引」も、NEXCO3社と宮城県道路公社が行っている後日還元型の割引サービスです。

割引の対象日時は、平日の朝6時〜9時、夕方17時〜20時で、割引対象路線の走行について、1か月の利用回数に応じて通行料金の約30%から約50%分を還元するというものです。

最低5回以上利用し、ETCマイレージサービスに登録したETCカードを利用するなど条件がありますが、最大100km相当分を還元するといいますから、ツーリングというより、通勤などで対象区間を頻繁に利用する人にとってはお得なサービスですね。

【1か月の割引対象となる利用回数と還元率】
・5回〜9回まで:通行料金のうち最大100km相当分を約30%分還元
・10回以上:通行料金のうち最大100km相当分を約50%分還元

通勤・通学など頻繁に高速道路を使う利用者に便利なのが平日朝夕割引

なお、割引対象路線に関しては、NEXCO3社(NEXCO東日本/中日本/西日本)のホームページなどを参照ください。

ツーリングプラン

高速道路の割引制度には、ほかにも、ETC搭載のバイクに特化した期間限定サービスもあります。まず、NEXCO3社と宮城県道路公社、京都府道路公社、兵庫県道路公社で実施している「ツーリングプラン」。

ツーリングプランもETC搭載のバイクに特化した期間限定の割引サービス

これは、ここ数年、毎年設定されているサービスで、ツーリング需要を喚起することにより、各地に広がる観光地やツーリングスポットの活性化、高速道路の利用促進を図ることを目的としています。

その2025年版では、全22コースを設定。各コース内の高速道路が2日間または3日間、定額料金で乗り降り自由になるというもので、利用する日時や区間によっては通常料金の半額程度になる場合も。上手く利用すれば、かなりお得になるプランです。

主な概要は以下の通りです。

1,対象期間
2025年4月1日(火)〜2025年11月30日(日)
※北海道の各コースは、2025年4月1日(火)〜2025年s10月31日(金)

2,対象車両
ETC無線通信により高速道路を走行可能な二輪車

3,コース・プラン料金
対象エリア内は乗り降り自由。対象エリアコース名や料金などの詳細はこちら

ツーリングプランのコース・プラン料金(出典:NEXCO西日本)


4,申し込み先

NEXCO東日本 公式WEBサイト「ドラ割」
https://www.driveplaza.com/etc/drawari/
NEXCO中日本 公式WEBサイト「速旅」
https://hayatabi.c-nexco.co.jp/page/?id=264
NEXCO西日本 公式WEBサイト「みち旅」
https://www.michitabi.com/roundtour/

利用方法は、各コースの申し込み先となるNEXCO各社の公式WEBサイトで会員登録。その後、利用日、ETCカード情報、ETC車載器管理番号などを入力のうえ、利用前までに申し込みます。

当日は、申し込み時に登録したETCカードとETC車載器が付いた二輪車で、申し込んだ利用期間に対象エリアを走行。対象エリアの区間外を走行した場合など、申込みのプランの対象とならない利用をした場合は、別途料金を請求されるので注意しましょう。

二輪車定率割引

一方、「二輪車定率割引」も、ETCを搭載した二輪車を対象に、高速道路料金を定率で割り引く期間限定サービスです。

ETCを搭載した二輪車を対象に、高速道路料金を定率で割り引く期間限定サービスが二輪車定率割引

実施しているのは、こちらもNEXCO3社と宮城県道路公社。2022年より毎年設定されているもので、観光利用の多い土・日・祝日におけるツーリング需要を喚起し、二輪車の利用促進や地域の活性化などを目的としています。

2025年版では、4月5日(土)〜11月30日(日)の土曜日、日曜日、祝日を対象に、対象道路内での1回の走行距離が80kmを超える場合、その走行に対して料金を37.5%割り引きます。

なお、1回の走行とは、原則として入口から出口まで高速道路を流出せずに走行することを指します。特定のインターチェンジや料金所、新直轄区間などを経由して対象道路を乗り継ぐ場合も、1回の走行とみなされ、各対象道路の走行距離を合算して判定されます。

二輪車定率割引の適用例(出典:NEXCO西日本)

サービスの主な概要は以下の通りです。

1,割引対象日
2025年4月5日(土)〜2025年11月30日(日)の土曜日、日曜日、祝日のうち、利用前までに申し込みした日
※北海道内は2025年4月5日(土)〜10月26日(日)の期間で実施

2.対象車両
ETC無線通信により対象道路を走行する二輪車

3,対象道路
NEXCO三社及び宮城県道路公社が管理する高速道路(一部を除く)。割引対象道路の詳細はこちら

ちなみに、以下の道路は割引対象外となります。

•第三京浜道路
•横浜新道
•横浜横須賀道路
•第二阪奈道路
•第二神明道路
•関門トンネル
•八木山バイパス
•沖縄道
•東京湾アクアライン(ただし、走行距離の判定には含まれる)

4,申込方法
申し込み先のNEXCO中日本「速旅(はやたび)」で会員登録。その後、利用日、ETCカード情報、ETC車載器管理番号などを入力のうえ、利用前までに申し込みます。

【申し込み先 NEXCO中日本「速旅(はやたび)」】
https://hayatabi.c-nexco.co.jp/drive/detail.html?id=173

二輪車定率割引の利用の流れ(出典:NEXCO西日本)

なお、二輪車定率割引だけでなく、休日割引、深夜割引の適用要件も満たす利用の場合、割引後料金が最も安価となる割引が適用となります。また、一走行が80kmを超える走行のみ、その走行全てが割引対象となりますが、利用日の走行距離の合計で判定するものではないので注意が必要です。

さらに、当日は、申し込みの際に登録したETCカードとETC車載器が付いた二輪車で対象道路を利用しなければなりません。事前登録と異なるETCカードとETC車載器が付いた二輪車で走行した場合、通常料金(ETC時間帯割引が適用される場合は、割引後の料金)を請求されますので、この点も注意したいですね。

ちなみに、先に紹介したツーリングプランと二輪車定率割引を同じ利用日で申し込んだ場合は、以下のようになります。

・ツーリングプランの対象エリア内の走行については、乗り降り自由となるツーリングプランを優先適用
・ツーリングプランの対象エリア外の走行については、二輪車定率割引の割引要件に合致する場合、二輪車定率割引を適用

このように、ETCカードとETC車載器さえあれば、二輪車でも使える高速道路料金の割引サービスは意外とあります。これらを上手く利用し、浮いたお金で現地でおいしいものを食べるなど、充実したツーリングを楽しみたいですね。

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