
こんにちは! バイク×アウトドアが大好きな自然派エッセイストの“コバユリ”こと小林夕里子です。
待ち焦がれた春、キャンプシーズンがやってきました! キャンプをしてみたい人や、始めたばかりでもっとスキルアップしたいライダーさんのお役に立てるよう、今シーズンも20年弱のバイクキャンプ経験をお裾分けしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは早速、バイクキャンプに必要な道具についてお伝えしたいのですが、まずはじめに一番手っ取り早い実例として、私コバユリがキャンプデビューをするまでにどんな手順を踏んだのかをざっくりお話してから本題に入りたいと思います。最後までお付き合いください。
目次
①キャンパーへの道、コバユリの場合
私がキャンプをしてみたいと思ったのは、バイク旅にハマって数年経った頃。何しろ「ソロ活女子」なんて言葉もなかった時代で、一般的に「女ひとり旅→傷心→自殺ほか面倒なことがあっては困る」という暗黙の認識により、女ひとりで宿の予約を取ろうとするとたいてい断られてしまいました。いや、バイクでひとり旅するくらいの心臓に毛が生えた女は、そう簡単にやられないから(笑)。
そんな愚痴を先輩ライダーたちにこぼしていたら、「キャンプ場なら飛び込みでも泊まれるところがほとんどだから(※当時はね)テント泊にしたら?」とアドバイスをもらいました。虫が大の苦手だけど、バイク旅がもっと自由になるならやってみようか!
その先輩から、「必要最低限のものとして、テントは俺のを貸してやるから、寝袋とマットとヘッデン(ヘッドランプ)を用意せよ。小さな椅子もあればなおよし」とアドバイスを受けました。お仲間のキャンプに参加させてもらったところ、自然に包まれて眠りにつく気持ちよさに開眼! 今度は自分でも火を使って料理してみたい。それをテーブルに並べて味わいたい。もちろん自分のテント欲しい~! そうやって少しずつ道具を増やしていきました。
②まず揃えてほしいのはこの8つ
そんなわけで私は頼れる先輩方に支えられてのデビューでしたが、初めからソロの場合や、ある程度の快適性を求めたい場合は、もう少し道具が必要になります。ひとつずつ紹介していきます!
1. テント
テントには自立するものと自立しないものの2タイプあります。こちらはバイクキャンプでの使用を想定した「ツーリングテント」と呼ばれる自立型ドームタイプ。1人用でも広さに余裕があり、ヘルメットやツーリングバッグなど、ライダーならではの荷物を中に置くことができます。
2. ペグ&ハンマー
テントを買うと、設営に必要なペグが付属しているのですが、プラスチック製やアルミ製のものが多く、硬い地質のテントサイトの場合、折れたり曲がったりと破損の心配があります。どんな地質でも使える耐久性のあるものを別途用意することをお勧めします。
またペグハンマーに関しては、「なければそこら辺に転がっている石や、ブーツのかかとで叩けばいい」との声もありますが、そう都合よく適当な石が転がっているわけではないし、ブーツはブーツで大事にしたほうがいいと思うので、ペグと一緒に用意しておけばどんなキャンプ場でも安心です。
ペグハンマーは重くて長いものほどしっかりと打ち込めますがバイクでは荷物になり、軽くて短いほど運搬に便利ですが打ち込みに力が必要。私は重くて短いペグを愛用しています。
3. 寝袋(シュラフ)
寝袋(シュラフ)を買うときに今一度思い出してほしいのが、「本来キャンプはサバイバル術」だということ。就寝時の寒さに対応できず体調を崩してしまえば、帰路の安全にもかかわってくるのがバイクキャンプです。また、キャンプにハマれなかった人の話を聞くと、夜寒すぎて眠れなかったという話がほとんど。そんな理由から私は「寝袋は思い切って初期投資して損なし!」とお伝えしています。
寝袋には「快眠温度域」「快適使用温度」「下限温度」など、その寝袋を使うのに適した気温が設定されているので、要確認。年間を通じて最も出番が多いのは「3シーズン用」と呼ばれるモデルで、最初のうちは例えばそれで寒ければ防寒着を着足したり、インナーシュラフを重ねたりなどで調整するのがよいでしょう。
暖かさと収納時のコンパクト性を併せ持つのがダウンシュラフ。私は季節や状況に応じて3シーズン用(写真奥)とインナーシュラフとしても使える夏用(写真手前)の2つを使い分けたり組み合わせたりしています。
4. 寝袋用マット(シュラフマット)
寝袋の下に敷いて寝心地をよくするマットです。クッション性の問題だけではなく、これがないと地面からの冷気や湿気が体に伝わりやすくなり、快眠の妨げになります。
シュラフマットには下記の3タイプがあります。
・クッション性に優れ収納サイズがコンパクトな「エアーマット」タイプ
・クッション性と遮熱性の両方に優れた「インフレーティング」タイプ
・収納はかさばるけれどふくらます手間と破損の心配が少ない「クローズドセルタイプ」
厚みが1cm違うと寝心地もかなり変わってきますが、あまり寝心地を重視すると収納サイズがかさばります。バイクへの積載も考慮して選びましょう。
5. ヘッドランプ
キャンプを始めた頃、人間は灯りがないと歩くことすらできないのだと気づかされました。今ではスマホに懐中電灯機能がありますが、いつでも充電できるわけじゃないキャンプ場ではずっと使ってはいられませんよね。ヘッドランプはかなり重要なキャンプ道具です。
また私の経験談になりますが、デビュー時、とりあえず使えればいいかと思い、ホームセンターで安価なものを買いました。しかし重くて不便を感じてすぐに買い替え、次に買ったものもすぐに雨に濡らしてダメにして、3つ目で名の知れたブランドのものを購入。結局はそこに行き着くので、最初からいいものを買えばよかったと今では思います。
乾電池式と充電式、両方の機能を備えるハイブリッド式があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。明るさ、防水性、コンパクト性、点灯時間などにも注目して選びましょう。
充電式のヘッドランプはランニングコストがかからないのがメリット。一方で、乾電池式に比べて価格設定が高い、充電が完了するまで使えないなどのデメリットがあります。
6. テーブル(&椅子)
テントサイトを快適にするために、テーブルと椅子は重要。「お座敷スタイル」と言って、椅子を使わず前室に敷いたマットなどの上に座る方法もあるので、椅子は不要という人もいるかもしれませんが、それでもテーブルは料理や飲み物を並べたりランタンを置いたりするのに必要です。
バイクキャンプには、天板や脚を折りたたんでコンパクトに持ち運べるミニテーブルが便利。仕舞寸法を小さくするために、脚が短いローテーブルが主流です。椅子もロータイプで、組み立て式のフレームに布製の座面を覆いかぶせて使うものが主流です。
選ぶコツは、テーブルと椅子の高さを快適な組み合わせにすること。例えば座面の高い椅子に脚が短めのテーブルではかがまないとならないので使いにくいですよね。収納サイズばかり気にせず、使用時のスペックもしっかりチェックしましょう。
私は座面約34cmの椅子に合わせて、かがまず使える高さのテーブルをメインに、ひと回り小さいローテーブルをサブテーブルとして2枚使いしています。
7. 湯を沸かす道具(燃焼器具&小鍋)
煮炊きに必要な燃焼器具は、ガス、アルコール、ガソリンなど燃料の種類によってさまざまなタイプがありますが、バイクでの持ち運びに便利なのは缶にガスが入ったタイプ。アルコールやガソリンは移動時のバイクの振動により液漏れの心配があるからです。
私がよく使っているのは、コンビニやホームセンターでも購入しやすいカセットガスを燃料にしたバーナー。荷物を少しでも小さくしたいときには、登山向けに作られたOD缶仕様のバーナーを使っています。
8. カップ類
マグカップなど、飲み物を飲むために使うカップ類のことです。シェラカップは食器としても使える多機能アイテムなので、私の場合は先にシェラカップを用意して、数年した頃に保温性のあるカップが欲しくなってマグカップを買い足したという順番でした。
左がシェラカップ、右がダブルウォールのステンレスマグカップ。
③8つの基本アイテムにキャンツー専用道具をプラス
キャンプ道具に加えて、バイクでキャンプをするために必要になる道具はこの2つ!
1. 荷物を積載する道具
バイクでキャンプをするなら、バイクのリアシートまたは荷台に荷物を積載するための道具が不可欠。荷物をまとめるダッフルバッグやシートバッグ、それを車体に固定して落下しないようにするためのベルトやネット、パニアケースやトップケースなどのハードケース類から、自分のバイクや荷物の量に合ったものを選びます。
荷物の積載に関しては、安全なツーリングのためにお伝えしたいことがいくつかあるので、詳細は追って記事を書きますね!
2. サイドスタンドプレート
キャンプ場について、チェックインを済ませ、テントサイトにバイクで入場してバイクを停めるとき、雨で地面がぬかるんでいたり、もともと柔らかい地質のキャンプ地だったりすると、サイドスタンドが土に埋もれてしまうことがあります。時間をかけてじわじわ沈んでいき、やがてバイクごと倒れてしまう…という惨事を招かないために、サイドスタンドの下に敷くものを持っておくと安心です。
木材を調達してDIYしてもいいですし、空き缶を平らにつぶしたものを携帯している人もいます(コーヒー缶が固くておすすめ。)用品メーカーからプラスチック製のプレートもいろいろ出ているので、選ぶのも楽しいですよ。
キャンプは道具を選ぶのも大きな楽しみのひとつ。悩ましい時間も後から振り返れば悩んだほどいい思い出に。
楽しみながら揃えてみてください!
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