岡山県浅口市在住のカブライダー、こばんです。以前、本州・広島県尾道市から四国・愛媛県今治市までを島々と橋で結ぶ「しまなみ海道」からさらにフェリーに乗って行ける「ゆめしま海道」を紹介しました。愛媛県上島町の弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの島を、3つの橋で結ぶ道です。今回はその中でも、2022年3月に開通し、一周年を迎えたばかりの注目の絶景ロード、「岩城橋」について紹介します。

写真提供:上島町

瀬戸内かみじまトリップ
橋を巡る離島旅 「斜張橋を、渡って」 ゆめしま海道 ④ 岩城橋・弓削島、佐島、生名島、岩城島|瀬戸内かみじまトリップ

ゆめしま海道について

 

瀬戸内海の真ん中に浮かぶ、愛媛県上島町の弓削島・佐島・生名島・岩城島。1996年に弓削島・佐島を結ぶ「弓削大橋」、2011年に佐島・生名島を結ぶ「生名橋」、そして2022年3月に「岩城橋」がかかり、「ゆめしま海道」が完成しました。

といっても、本州・広島県尾道市と四国・愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」の島々からの橋は、ありません。なので、因島や生口島から、乗船時間は10分未満といえども、フェリーに乗ってしかたどり着けないのがゆめしま海道なのです。瀬戸内海のただ中に浮かぶ4つの島には信号がひとつもなく、のんびりとした島時間が流れています。

 

ゆめしま海道

ゆめしま海道

絶景ロード岩城橋

ゆめしま海道にかかる3つの橋は全て、斜張橋。主塔から斜めに張られたケーブルで、橋桁を支える仕組みの橋です。
その中でも「岩城橋」は全長916m、桁下高さ45.5mと、一番大きい規模となっています。しまなみ海道付近は造船所が多く、運搬用の大きな船の航路にもなっているため、船が安全に通過できるようにこの高さとなったそうです。穏やかな瀬戸内海と青い空に、ホワイトグレーの大きな橋がよく映えます。

ゆめしま海道 岩城橋

そして走行してみると、眼下にはきらめく海と多島美の絶景が広がります。しかし、さすが高さ45.5m。高い場所が苦手な人はゆっくりと風景が眺められないほどではないでしょうか。風が強い時にバイクで走ると怖いかもしれません。

ゆめしま海道 岩城島

橋桁は中央部分が一番高く、勾配がしっかりあり、走りごたえがあります。天気や時間、船の行き来など、訪れる時々により特別な風景に出会えそう。ぜひ走ってほしい橋です。

悲願の岩城橋

橋がかかるまでは、各島の往来は船。そう考えると、「ゆめしま海道」に橋がかかることは、生活面や災害時の安心につながることから、島民の方々にとってまさに「ゆめ」だったでしょう。
2013年度に着手され、約9年の時を経て、2022年に開通した岩城橋。

岩城橋の建設についてはこちらに詳しく記事になっているのでぜひご覧ください。

橋を巡る離島旅 「斜張橋を、渡って」 ゆめしま海道 ④ 岩城橋・弓削島、佐島、生名島、岩城島|瀬戸内かみじまトリップ

「山を切り開き強い岩盤をむき出しにするところから岩城橋の工事は始まりました。この地域の岩盤は風化した花崗岩で構成されています。中でも特に岩の割れ目からは水が滲み、そのまま放置すれば基礎岩盤の劣化の原因になり得ます。そこで軟らかくなった岩盤を全て削り取りコンクリートで置きかえてから基礎を作りました」

とあるように、今も岩城橋のたもとは岩盤がむき出しとなっていて、できて間もない橋であることを実感します。

ゆめしま海道 岩城島

1969年、「しまなみ海道」と一緒に実は、弓削島・生名島・佐島・岩城島・赤穂根島・因島・生口島を結ぶ橋梁の架橋が予定されていたそうです。けれど、1973年、オイルショックの影響でしまなみ海道の建設は約2年延期されると同時に、愛媛県と広島県をつなぐ上島架橋計画はなくなったのだとか。そこから約50年。まさに島民の方々にとっても悲願のルートだったことが想像できます。

ゆめしま海道 岩城橋

おわりに

瀬戸内海の真ん中で堂々とそびえる岩城橋。橋の全景も、橋からの眺望も最高です。一周年を迎えたばかりの注目の絶景ロード、ぜひ走りに来てくださいね。

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