
岡山県浅口市在住のカブライダー、こばんです。今回は広島県南東部に位置する福山市の海沿いの街、鞆の浦(とものうら)周辺のおすすめツーリングルートを紹介します。鞆の浦は歴史浪漫あふれる人気観光地。バイクで行くなら、さらにその周辺の絶景スポットも巡ってほしいということで、おすすめツーリングルート7選を紹介します。
※各スポット情報は2023年1月時点のものです。掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。お出かけになる際は事前にお確かめください。目次
人気観光地「鞆の浦」は街歩きがおすすめ
鞆の浦は人気観光地。瀬戸内海の中でも大きな港町として発展しました。坂本龍馬ゆかりの名所、神社や寺院が点在する路地、豊かな自然が残る仙酔島など、歴史浪漫を感じる見どころスポットがたっぷり。映画「崖の上のポニョ」の舞台といわれているんです。
バイクを駐車できるスポットはなかなかないので、観光は徒歩での移動がおすすめです。県道22号沿いのファミリーマート福山鞆町店の向かいに無料の駐輪場があるので、私はいつもそこに駐めています。
鞆の浦は「潮待ち」の港と呼ばれてきました。船の動力がない時代、海の潮の流れを利用して航海をしていたそうです。潮にはリズムがあり、次の潮を待って出港するまでの間を「潮待ち」と呼んでいたのだとか。のんびりとした風景が目に浮かびますよね。
丸一日過ごすことができるほど多くの見どころがある鞆の浦の中で、ぜひ立ち寄ってほしいのが、観光船で行く「仙酔島(せんすいじま)」と、朱塗りのお堂が印象的な弁天島を望むベストスポット「福禅寺対潮楼」、そして鞆の浦のシンボル「常夜燈」です。途中歩く街並みも風情がありますよ。

1 自然あふれるパワースポット「仙酔島」
鞆の浦を走って、まず目を引くのが朱色のお堂がある弁天島の風景でしょう。漁師たちの守り神である弁財天が祀られています。一般人は上陸することはできない無人島となります。
そしてその背後(東)にある大きな島が、「仙人が酔うほど美しい」と名付けられた仙酔島です。上空から見ると亀の形をしていること、浦島太郎伝説発祥の地と伝わることから「亀の島」とも呼ばれているそうです。仙酔島には、日中は1時間に3本のペースで「平成いろは丸」というフェリーで上陸することができます。
「いろは丸」、歴史の授業で聞いた覚えがあるという方も多いのではないでしょうか。江戸時代末期、坂本龍馬が船で瀬戸内海を移動中、軍艦に衝突された事件を「いろは丸事件」といいます。このいろは丸事件をきっかけに坂本龍馬は身分を隠しながら鞆の浦に数日間滞在したと言われているのです。その「いろは丸」を模した船が、「平成いろは丸」です。無料駐輪場より歩いて5分ほどで着く市営渡船場から仙酔島まで、往復240円。チケットは一枚で往復乗れるようになっていて、帰りは提示する必要はありません。
福山市営渡船場(福山市鞆町)⇔仙酔島
【運賃】
大人240円,こども120円
・1歳未満:無料
・1歳以上6歳未満:大人1人につき1人無料
2人目以降はこども料金
・6歳以上12歳未満:こども料金
・12歳以上:大人料金
団体割引(15人以上)
・一般:1割引
・学生(中学生以上):3割引
・学生(小学生以下):1割引
【時刻表】
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/kanko/91534.html
約5分と短い船旅ですが、弁天島を間近で見ることができて心に残る時間となりますよ。さすが「仙人が酔うほど美しい」と言われる島、森の木々や砂浜、広がる穏やかな海と豊かな自然が気持ちよかったです。私が訪れたとき(2023年1月)はところどころ通行止めのところがあり、「五色岩」には会えませんでしたが、約40分の滞在で、浦島太郎の浜と伝わる浜や、龍神橋などのパワースポットを訪れることができました。

2 まさに絵画のような絶景「福禅寺対潮楼」
観光船で海から眺めた弁天島の風景を、丘から眺められるベストスポットが福禅寺対潮楼です。渡船乗り場のすぐそこの路地の坂を上って行くとお堂があります。拝観料は200円(一般)。中に入ると、額物に入った絵のような弁天島の風景を見ることができます。1711年、朝鮮通信使の李邦彦はここからの風景を見て「日東第一形勝」と称賛しました。「朝鮮より東で一番美しい景勝地」という意味だそうです。時折通る観光船がまた素晴らしい。四季折々の瀬戸内海の美しさを堪能できる場所です。

3 鞆の浦のシンボル「常夜燈」
さらに路地を進んで、鞆の浦のシンボル、常夜燈まで歩きましょう。ゆっくり歩いて15分くらいです。道中は江戸時代の商家やセンスのいいカフェ、土産物屋などが軒を連ね、レトロでうっとりしますよ。見かける「保命酒(ほうめいしゅ)」は江戸時代からこの地域で作られている伝統の薬味酒(和製のリキュール)。お土産におすすめです。
春先には鞆・町並みひな祭というイベントが開催され、あちこちお雛様で彩られます。(2023年は2月16日~3月26日開催予定。写真は2021年開催時のもの)
常夜燈までたどり着きました。1859年に建てられ、船の出入りを誘導してきたのだそうです。港町に今でも見守っています。夕刻はあかりが灯って、なお美しいですよ。

4 断崖絶壁に建つ「阿伏兎観音」
街歩きを楽しんだら、今度はバイクでさらに西へ走りましょう。ぜひ訪れてほしいスポットが阿伏兎観音(あぶとかんのん)。沼隈半島の南端、断崖絶壁の阿伏兎岬に朱色の建物が建ち、昔から海上交通の人々の信仰を集めてきました。子授け観音、安産の守護としても知られており、お堂には参拝者のおっぱい絵馬が並びます。
海にせり出しているような観音堂には、なんと上がることができます。高所恐怖症の人はやめておきましょう。
海に向かってちょっと斜めになった通路から眺める瀬戸内海。迫力満点です。
阿伏兎観音へ向かう途中に、お気に入りの撮影スポットがあります。双子のような2連アーチ橋、内海大橋を西に眺める、穏やかな海辺。
そして見かけたからには渡りたくなるのがライダーの性ではないでしょうか。

5 田島「やぶ椿と水仙の里」
さらに進んで、その内海大橋を渡り、田島へ。鞆の浦よりもさらにのんびりとした、島ならではの雰囲気があります。そこら中を走るだけでも楽しいのですが、1月中旬から3月下旬頃はぜひ、「やぶ椿と水仙の里」というスポットに行ってみてください。
水仙の甘い香りが広がる、公園のような空間でひと休み。すぐそこには穏やかな瀬戸内海が広がっています。ヤギもいましたよ。(写真は2022年1月撮影)

6 海ぎりぎりの細道「横島」
さらに西へ進むと睦橋という小さな橋があり、横島という島に渡れます。この横島は、瀬戸内海の島の中でも私は特に好きなスポット。睦橋から横山海岸海水浴場までの、ガードレールがない海辺の細い道がたまりません。横山海岸海水浴場付近にはカフェもありますよ。

7 まるで鳥になったみたい!「グリーンライン」
鞆の浦周辺ツーリングの行きか帰りにぜひ走ってほしいのが、グリーンラインです。福山市街地の少し南、水呑町洗谷から鞆の浦近辺まで、南北に走る総長14kmのドライブコース。
西側の内海大橋も東側の仙酔島も眺望できる、まるで鳥になったような気分を味わえると人気です。ところどころに展望所と駐車場があるので、景色を眺めながら休憩することもできますよ。

おわりに
鞆の浦周辺を満喫するおすすめツーリングスポットを紹介しました。絶景スポットが多く、瀬戸内海の美しさに感動しますよ。ぜひ訪れてみてください。
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