バイクで長時間同じ体勢を維持して走っていて、身体の凝りや痛みを感じたことはありませんか? これはライダーに共通する悩みの種!

疲れが溜まってくっると集中力が切れ、うっかり立ちゴケなんてケースも少なくありません。

そこで、「気軽に身体メンテ」企画の第2回目は、効果的なストレッチのコツとともに簡単にできるストレッチメニューをご紹介します。

 

写真・まとめ/コイズミユウコ 講師:倉田 圭(あん摩マッサージ指圧師) 監修:浅谷健介(日本指圧専門学校)
※本企画はGoRIDE第13号の「身体メンテ」企画を再構成したものになります。

ストレッチをする前に知っておきたい注意点

間違ったストレッチをしていませんか?

ストレッチとは一言でいうと、筋肉を伸ばしてほぐすためのもの。身体をほぐすことで柔軟性が高くなり、疲労の蓄積を抑え、痛みや不調を取り除けます。また、各部位の可動域が広がることで、ライディングパフォーマンス向上にも効果的です。

しかし、ストレッチは「ただ筋肉を伸ばせばいい」わけではなく、ポイントを押さえないと、効果が半減、あるいは逆効果になってしまうことも‥…。

例えば、安定しない状態で伸ばそうとして力が逃げてしまったり、逆に変に力をかけすぎてピキッと痛めてしまったり、筋肉を固くしてしまう逆効果の動きになってうこともあるんです。

正しいストレッチをするために注意することは?
・反動をつけない
反動をつけると逆に筋肉は緊張してしまい、固くなってしまう。

・呼吸を止めない
呼吸を止めると筋肉が固くなる。息をゆっくり吐きながらポーズを決めよう。

・ポーズ15秒キープ
キープ時間が短いと、反動をつけたことと同じになる。筋肉が抵抗をやめて伸びだすのが約15秒。

・伸ばす筋肉を意識
伸ばす筋肉を意識することで、ストレッチ効果は約2倍に!

この注意点ですが、とくに最初の3つをすべて守らずにストレッチを行なうと「やらないほうがマシ」レベルになってしまいます。この3つを守らないストレッチは、無呼吸で反動をつけて筋肉を伸ばしているので、ポーズのキープもほぼしていない状態。これでは、トリプルで筋肉を固くしてしまっていることになりますよね。

よく○○が痛いからストレッチしてみたけど、全然効かないよ……という人の大半は、間違ったストレッチ方法のためにさらに状態を悪化させている可能性もあるんです。

正しいのは、「反動をつけずにゆっくりと呼吸をしながら、ポーズを15秒キープしつつ、伸ばしている筋肉が伸びて効いているかを意識すること」です。

ストレッチの効果を最大限に引き出すコツ

しっかり効かせるコツ:ロックする

このロックの役割はとても大きく、ストレッチを行なう際に、「ロックする場所(支点)」「伸ばしたい筋肉(作用点)」「動かす方の手(力点)」のようにしっかりとした輪郭を与えるだけで、効果が倍増します。実践写真にロックポイントを示しているので要チェック!

ロックした手(支点)は動かさない!

伸ばしたい筋肉がついている関節の一方を固定します。ロックした手はそのままの位置で動かさず固定し、あとは伸ばしたい方の手や腕、胸などを動かすだけでOK。これにより、余計な負荷もなくピタッと効かせたい部位に最小限の力で最大限のストレッチ効果を発揮できます。

ライダーの疲れに効く簡単ストレッチ4選

今回紹介するのは、誰でも知っている簡単な4つのストレッチ。ああコレよく身体が凝った時になんとなくやってるかも……という人も多いハズ。信号待ちで手首を返しているライダーなどよく見かけますよね。

ただ、これらのストレッチを行なうにあたって大事なことがあります!「あー、コレね!」といつも通りにやるのではなく、前述した「ストレッチの4つの注意点」と「ロック」、これらを踏まえて実践してみてください。

ビックリするくらいに身体の変化が感じられると思います♪

1 首に関わる筋肉群:首まわりのコリや目の疲れに効く

【信号待ちの間にもできる!】ヘルメットの重さや姿勢、目の疲れなどからくる首のコリは、放っておくと頭痛にまで発展することも。首まわりにある筋肉を全体的に軽くほぐすだけでも、筋肉が緊張することによる血行不良や、神経を刺激しコリや痛みが生じることを軽減してくれる。

首を倒す手と反対(伸ばしたい側)の手は、お尻とシートの間に挟んでロックしよう。このロックのあるないで、伸びと筋肉の感じかたが全然変わる。

頭に軽く手を添え、 ゆっくり呼吸をしながら真横に倒す。 ジワっとイタ気持ちいいくらいがベスト。15秒。

頭に軽く手を添え、 ゆっくり呼吸をしながら前に倒す。 ジワっとイタ気持ちいいくらいがベスト。15秒。

頭に軽く手を添え、 ゆっくり呼吸をしながら後ろに倒す。 ジワっとイタ気持ちいいくらいがベスト。15秒。

2 上腕三頭筋:上半身の可動域を広げる効果

【信号待ちの間にもできる!】上腕三頭筋をほぐすと、肩や背中まわりまで疲労軽減の効果あり。

ヒジ関節と肩関節をまたぐ上腕三頭筋は、日常の動きでは伸ばしにくい筋肉。手を後ろにまわして肩甲骨付近に伸ばしたいほうの手を固定(ロックする)。

ロックしたまま、ゆっくり呼吸しながら胸を少し張ってワキの下を伸ばす。胸の張りかたで伸びを調整できる。15秒キープ。

3 三角筋:肩の可動域を広げる効果

【信号待ちの間にもできる!】三角筋をほぐしてやると可動域が広がり、肩をあげるのが楽になり肩こり予防にも。

ヒジより内側(肩側)を、反対の手でひっかけて三角筋を伸ばす。この時、伸ばす側の腕は完全に脱力する。少しでも力が入っていると効果は半減してしまうので注意。

4 前腕伸筋群:アクセルワークなどの疲労に効く

【信号待ちの間にもできる!】いわゆる腱鞘炎に一番なりやすいのが、手首を持ち上げる筋肉である前腕伸筋群。ライディングだけでなくPCでも使う筋肉なので、普段からケアしておきたい。

ストレッチする側の手を、ヒジの内側を上にして伸ばす。

手首をひねるようにして、 指先が真下を向くように反対の手で押さえ込む(ロックする)。

押さえ込んだ状態でストレッチする側のヒジの内側が(1)くらいしっかりと上を向くように回転させる。

15秒ぐらい「意識」して伸ばしましょう!

今回ご紹介した簡単ストレッチですが、ポイントを押さえて「意識」して行なうことで、効果は全然違うのでぜひやってみてください。

また、15秒と聞くと短いようですが、実際やってみると「伸ばす時間」としての感覚だと意外に長く感じますよね。小難しいことはめんどくさいや〜って人でも、この15秒は「筋肉がほぐれてくれる大切な時間」……と覚えてみてください。

これで身体の疲労やだるさとオサラバできること間違いなしです!

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