
冬に向けて寒くなっていくこれからの季節、キャンプの大きな楽しみが“焚き火”です。
今年こそ道具を揃えてチャレンジしたいと思っている人は、今がデビューのとき! 一方で、「そもそも焚き火って何のためにするの?」「何が楽しいの?」と二の足を踏んでいる人もいるかもしれません。
そこで今回は、コバユリが考える“焚き火の役割と魅力”についてお伝えします。これを読んだらアナタも火を熾さずにいられなくなる!?
焚き火の役割と魅力1 焚き火はエコな光熱源!
火は「光」と「熱」、2つの恵みを与えてくれます。単に灯りが欲しいなら、ヘッドランプのスイッチを押せば簡単ですが、火を熾せば同時に暖を取ることもできます。陽が沈む前に火を熾せば、暗がりの中で身動きが取れなくなることもなく、冷え込む前に熱源も用意できるわけです。
枯れ木など自然を燃料として活用できて、ひとつで二役。焚き火はエコな光熱源なのです。
焚き火の役割と魅力2 炭火料理はとびきり美味しい!
焚き火があれば、調理もできます。火を熾し、燃え上がった火を熾火になるまで育てたら、湯を沸かしたり、汁ものを煮たり、ご飯を炊いたり、肉や魚を網で焼くこともできます。
炭火料理はとにかく美味しい! 炭火は強い遠赤外線を発するので、食材をしっかりムラなく熱することができたり、高火力により食材の表面をパリッと焼くことができたりと、いいこと尽くめ。また、調理中に漂う炭の薫香や、鍋や網から水滴や脂が炭に落ちたときの「ジューッ!」という音が、野外ムードをこれ以上なく盛り上げてくれます。
バーナーでするいつもの調理とは、ひと味もふた味も違ったごはんタイムが待っています!
焚き火の役割と魅力3 深い安らぎを得られる
「1/fゆらぎ」という言葉をご存知ですか? 人の心拍リズム、ろうそくの炎の揺れ、小川のせせらぎ音など、自然現象に見られる揺らぎのことです。人は五感を通して外界から「1/fゆらぎ」を感知すると、生体リズムと共鳴して安らぎを感じるのではないか、と考えられています。
私たちが焚き火を見ていると癒されるのには、この「1/fゆらぎ」が関わっていると言われていますが、実はほかに、もっと大きな理由があると考えられます。
地球上の生物の中で唯一人類だけが、火の恐怖を克服し、炎を操ることを覚えた。火を使って敵から身を守ることができるようになった。動物は生の肉しか食べられないが、火をコントロールする術を学んだ人類は、加熱調理ができるようになり、食べられる食材が大幅に増えた。豊富な栄養を摂れるようになり、脳が発達。より広域に暮らせるようになり、お腹が満たされたことで狩猟以外のことにも思考を広げられるようになり、ほかの生物に大きな差をつけて生態系ピラミッドの頂点に君臨した……。
私たちが焚き火を囲むとき、祖先が辿ってきた進化が火に大きく支えられていたことを遺伝子レベルで覚えていて、火に対する信頼や感謝、崇拝の念が、本能的によみがえる。「焚き火をしていると不思議と安らぐ」のはこのような理由が大きい……という説に、私は深く納得しています。みなさんはいかがですか?
ツーリングとキャンプで自然に戻り、焚き火でさらに野性に帰る。この秋、そんな体験をしてみませんか? キャンプの時間がさらに深まること間違いなしです!
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