ダート編「オーストラリア一周」のルート図


続・大陸縦断一気走り

アリススプリングスを出発。「スチュワートハイウエー」を北へ



大陸中央部のアリススプリングスからダーウィンまでは一気走りだ。午前0時を期して出発。大陸縦断の「スチュワートハイウエー」(国道87号号)を北へ。満天の星空のもと、ただひたすらにダーウィンを目指して北へ、北へと走る。


ダーウィンまであと989キロ



最初のうちは気が張っているのでよかったが、すぐに猛烈な睡魔に襲われ、仕方なく町から30キロほどの南回帰線のモニュメントの下で仮眠。15分くらいのつもりが、なんと45分も眠ってしまった。

5時30分、うれしい夜明け。長い夜がついに終わった。
6時10分、日の出。雲ひとつない東の空に大きな朝日が昇る。
7時30分、506キロのテナントクリーク着。

9時を過ぎると急速に暑くなる。エンジンへの負担を考え、速度を10キロ落とし90キロ前後で走行する。


国道1号と国道87号の分岐点の「ハイウエーイン」。ここで給油&昼食



13時、823キロ地点の国道1号と国道86号の分岐点着。「ハイウエーイン」で給油&昼食。スチュワートハイウエーはここからダーウィンまでは国道1号になる。

16時30分、986キロ地点のマタランカ着。
17時40分、1185キロ地点のキャサリン着。暑さは依然、厳しい。


キャサリンに到着。猛烈な暑さ



18時40分、日の入り。
19時20分、日が暮れる。ナイトランになってもまだ暑い。
21時50分、ダーウィンに到着。

アリススプリングスから1502キロ。目標とした20時間はオーバーしたが、まあ、よしとしよう。

ロード編「オーストラリア一周」の「アデレード→アリススプリングス」(1557キロ)は20時間50分で走ったので、これはあくまでも計算上のことになるが、「アデレード→ダーウィン」の3059キロを42時間40分で走ったことになる。「ダーウィンホテル」に泊ったが、ここではスティーブ&ステフィー夫妻とうれしい再会。ダーウィン産の「カカドゥービル」で乾杯。翌朝は2人に朝食をご馳走になった。


ダーウィンに到着。ここではスティーブ&ステフィー夫妻とのうれしい再会!


雨期のガルフ横断

ダーウィンからはカーペンタリア湾横断(ガルフ横断)ルートで南太平洋のケアンズに向かう。カーペンタリア湾というのはアララフ海最大の湾で、西はアーネムランド、東はケープヨーク半島でもって限られ、湾口のはるか北にはニューギニア島が横たわっている。東西700キロ、南北800キロというカーペンタリア湾だ。


マタランカ温泉の大露天風呂

マタランカ温泉に入る。少し温めだが、猛烈な暑さなのでそれが気持ちいい



ダーウィンから国道1号を南下し、マタランカ温泉に入ったあと、カーペンテリア湾横断の「ロッパーバーハイウエー」に入っていく。国道1号との分岐点から135キロ地点でダートに突入。川渡りときついコルゲーション。
日が暮れるとダートナイトラン。44キロのダートを走り、20時、ロッパーバーに到着。ここには1軒、ストアがある。パンとチキンを買い、夕食。その裏のモーテルに泊まった。


「ロッパーバーハイウエー」(ダート44キロ)の川渡り



翌朝9時、ロッパーバーのストアがオープンするのと同時に給油し、0・5リッターのミネラルウォーター2本とリンゴ&オレンジを買い、全線ダートの「ガルフトラック」に入っていく。


「ガルフトラック」(ダート353キロ)は水溜りの連続



この地方はすでに雨期に入り、路面には水溜まりが連続している。うっかり大きな水溜まりに突っ込もうものなら、泥にはまり込み抜け出せなくなってしまう。
ロッパーバーから302キロ地点のT字路を左へ、アボリジニの町ボロルーラに向かう。さらにダートを50キロ走ると、国道1号の舗装路に出た。ロッパーバーからここまでのガルフトラックは353キロのダート。

ほとんど交通量がないので、自分だけの世界をただひたすらに走るようなものだった。ボロルーラに着くと、町の中心にあるスーパーマーケットでビーフ弁当を買い、コカコーラを飲みながら食べた。この町のアボリジニたちは生き生きしていた。


「ウィロゴラングロード」(ダート262キロ)を行く

「ウィロゴラングロード」の川渡り



ボロルーラからクイーンズランド州との境までは、全線ダートの「ウィロゴラングロード」を行く。途中、ロビンソン川など何本もの川を渡るが、かなりの水量。

またしてもダートナイトラン。十四夜の月がまぶしいほどに光り輝いていた。262キロのダートを走り切り、20時30分、ウォロゴラングに到着。荒野の中にポツンと1軒だけあるロードハウスで冷えたカンビールを飲み、ひと息ついたところでステーキハンバーガーの夕食。そしてキャラバンパークに泊まった。その夜は地獄の苦しみを味わう。


ウォロゴラングのキャラバンパークに泊った。ここでは蚊の猛攻



草の上にシュラフを敷して眠ったが、メタメタに蚊にやられた。蚊の猛攻から逃げるように、シュラフの中にもぐり込むと、今度は汗がドーッと流れ出る。苦しくなってシュラフから顔を出すと、また蚊の猛攻だ。翌朝は夜明けとともに起き、シャワーを浴び、ベジマイトをパンに塗って食べる。すると今度は、ワーッと蝿の大群が群がってくる。蝿は目、鼻、耳、口と、ところかまわず入って来る。夜は蚊、夜が明けると蝿。蚊と蝿のダブルパンチだ。


ダート240キロの「ヘルゲイトロード」。ヘルゲイトは「地獄の門」

ダート133キロの「パークタウンロード」の川渡り



ガルフ横断はきつい。ノーザンテリトリーからクイーンズランド州に入ると、ダート240キロの「ヘルゲイトロード」、ダート133キロの「パークタウンロード」、ダート534キロの「パークディベロップメントロード」を走り、南太平洋のケアンズに到着した。


森林火災の「パークディベロップメントロード」(ダート534キロ)


2度目のケープヨーク

ケアンズを出発し、ケープヨークへ。デイントリー川をフェリーで渡る



ケアンズからはオーストラリア最北端のケープヨークへ。前回にひきつづいての2度目のケープヨークだ。海沿いのルートを北上。フェリーでデイントリー川を渡り、トリプレーション岬を過ぎるとダート。昼なお暗いジャングルを行く。石がゴロゴロしているセクションやツルツルヌタヌタのセクション、川渡りと、ラフなダートが40キロほどつづく。ケアンズから250キロ走り、クックタウンの町に到着。夕暮れの珊瑚海を見渡す「シービュー・モーテル」に泊まった。

クックタウンの町から12キロ走るとダートに突入。あとはケープヨークまで、際限のないダートがつづく。ダートに入った初っぱなで、蜂にやられた。首を刺された。あっというまに首がパンパンに腫れ上がり、肩まで腫れた。ケープヨークへのきつい洗礼だ。

第2夜目はアーチャーリバーのキャラバンパークに泊まった。前回のケープヨークでは、ここで「七夕ケアンズ組」の面々に出会った。そのシーンがなつかしく思い出される。


なつかしのアーチャーリバー。ここでは前回、「七夕ケアンズ組」に出会った



前回とは季節が変わり、雨期に入っていた。水量を増した川渡りの連続。この季節、ケープヨークまで行く車はほとんどないので、トラブルを起こしたら誰にも助けてもらえない。ケープヨークにたどり着けるかどうか、命を張った賭をしているようなものだ。

ウエンロック川は、まず歩いて川を渡った。膝上ぐらいの水位。流れが速い。バイクで走れそうなラインをみきわめ、対岸に渡ったところにザックを置き、今度は空身でDJEBEL250XCに乗る。転倒しないように最大限に気をつけて川を渡った。テレグラフ・ロードの旧道は断念して新道を走り、ジャーディン川はフェリーで渡り、バガマの町に到着。


ジャーディン川をフェリーで渡る



ケープヨークまであと30キロ。ここで給油。コカコーラをガブ飲みし、生き返ったところで、海辺のキャラバンパークに泊まった。翌日、ケープヨークへ。熱帯雨林の赤土の道を行く。
駐車場にDJEBEL250XCを止め、森の中を歩くと海岸に出た。目の前がオーストラリア最北端のケープヨーク。岬への道を歩き、珊瑚海とアラフラ海を分けるケープヨークに立ったのだ。


オーストラリア最北端のケープヨークに到達!


カンガルーとの遭遇

ケープヨークからケアンズに戻ると、シドニーを目指す。その途中でもう一度、広大な内陸の世界、アウトバックに入っていく。ビューエンデンの町に通じる「ケネディー・ディベロップメンタルロード」が第25本目で最後のダートになる。


第25本目の「ケネディー・ディベロップメンタルロード」(ダート162キロ)。ここでは日没後、17回ものカンガルーとの遭遇!



このルートでは夕日が地平線に沈んでから2時間ほどの間に、なんと17回ものカンガルーとの遭遇があった。一番強烈だったのは、右から2頭、左から1頭のカンガルーが同時にJEBEL250XCのヘッドライトめがけて飛び込んできたときのことだ。3頭のカンガルーは交差してジャンプしたが、そのうちの1頭は信じられないことに真上にジャンプした。
「ヤッター!」
まさに心臓が凍りつくような思いをしたが、からくも体を伏せてその下を走り抜けた。 今回の「オーストラリア2周7万2000キロ」は2万キロ以上がナイトランなので、カンガルーとの遭遇は100回を超えた。 コーナーを曲がったところで走行車線上にチョコンと座っていたカンガルー、フェイントをかけ時間差で飛び込んできたカンガルー、 Uターンしたカンガルー…と、何度も命の縮むような目にあったが、「強運カソリ」、一度もカンガルーに衝突することはなかった。


シドニーの「スズキ・オーストラリア」に到着。これにてダート編の「オーストラリア一周」終了!



11月7日、シドニーに到着。
いったんダート編「オーストラリア一周」を成しとげたあと、さらにアデレードからメルボルンへ、もう4000キロを走り、シドニーに再度、戻ってきたのは11月13日。全行程3万6110キロのダート編「オーストラリア一周」。ダート距離の合計は1万3019キロ。オーストラリアは大変な「ダート天国」だ。



ダート編「オーストラリア一周」のルート図




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