第1本目のダートは277キロ

1996年9月16日、「オーストラリア2周」のダート編を開始。
ロード編のDJEBEL1号はノーマルだったが、ダート編のDJEBEL2号には砂漠越えでバッテリーが上がってもいいように、オプションのキックスターターをとりつけた。

シドニーの「スズキ・オーストラリア」を出発!



これが「ダート編オーストラリア一周」の全装備



シドニーから国道1号を北に1000キロ走り、オーストラリア第3の都市、ブリスベーンに到着。AMA(オーストラリア・モーターサイクル・アドベンチャーズ)のロンとのうれしい再会。ロンの家に泊めてもらい、奥さんのマリサの手作りの夕食をご馳走になった。


ロンの家に泊めてもらい、奥さんのマリサの手作りの夕食をご馳走になる


ブリスベーンから大分水嶺山脈を越えて内陸へ。ローマ、チャールビルと通り、ブリスベーンから西に1200キロ、ウィンドラという小さな町に到着。ここから記念すべき第1本目のダートに入っていく。「バーズビル・ディベロップメンタル・ロード」だ。オーストラリアには、このようなディベロップメント・ロード(開発道路)が何本もある。


第1本目のダートは「バーズビル・ディベロップメンタル・ロード」



交通量のほとんどないダートを自分一人で走り、DJEBELの巻き上げる土けむりをバックミラーで見ていると、「今、オーストラリアのアウトバックの世界に入った!」という実感をも強烈に感じる。
この広大無辺の世界を走りきるためには、自分とDJEBEL250XCが一心同体になって、あらゆる困難を乗り越えていかなくてはならない。


「バーズビル・ディベロップメンタル・ロード」はラフな道になる



ダートに入り100キロほどで、ビトゥータに着く。何にもないところに、ポツと1軒、ロードハウスがある。ここで食事をしたが、年老いた店の主人に言われてしまった。「誰もいない、こんな広いところを一人で走って。もし何かあったらどうするんだ。生きて日本には帰れないぞ。悪いこといわない、誰かと一緒に走りなさい!」ビトゥータを過ぎると路面は荒れ、コルゲーションや砂溜まりの区間もある。


「バーズビル・ディベロップメンタル・ロード」に落ちる夕日



雲ひとつない西の空に、日が落ちていく。地平線に沈む夕日を見る。ナイトランの開始だ。明るいうちはどうということもない砂道も、ナイトランになると、とたんに走りにくくなる。砂にハンドルをとられ、転倒しかかり、何度も冷やっとした。降るような星空のもとを走る。やがて地平線のかなたに、ポツンと灯が見えた。バーズビルだ。感動のシーン。だが町に着くまでが長い。さらに10キロも、20キロも走って、やっとバーズビルに到着。「バースビルホテル」に泊るとまずはパブでビールを飲み、そのあとレストランでカンガルー肉のステーキを食べた。


第2本目のダート、「バーズビルトラック」を行く



バーズビルからは2本目の「バーズビルトラック」で南のマリーへ。よく整備された、走りやすいダート。80キロから90キロぐらいの速度で突っ走る。バーズビルから100キロほど走ると、シンプソン砂漠から東に延びる砂丘群を越える。その先は一面に赤い小石をばらまいたようなストーニー砂漠。ダート520キロの「バーズビルトラック」を走り、マリーからさらにダート78キロの「リンドハースト・マリーロード」を走り、アデレードに到着した。


第3本目のダート、「リンドハースト・マリーロード」を行く


5本目の「ウーダナダッタトラック」はダート630キロ

アデレードでは「ラックサッカーズ」に泊まった



アデレードでは「ラックサッカーズ」に泊まった。マーガレットおばさんとのうれしい再会。日本人ライダーはいなかったが、夕食後、同宿のオーストラリア人の4人組、イギリス人の4人組、スイス人の4人組とのワインパーティーになった。男女合わせて13人でカスク・ワインのパックを次々にあけ、大宴会は夜中まで続いた。全部で5個のカクス・ワインを空にし、20リッターを飲み尽くした。


「ラックサッカーズ」でのワインパーティー



翌朝はふらつく頭でアデレードを出発。ダート78キロの「リンドハースト・マリーロード」でマリーに戻ると、第5本目の「ウーダナダッタトラック」に入る。オールド・ガンの旧マリー駅舎を見る。そこにはうち捨てられたようなジーゼルカー。砂漠の中に消えていく廃線跡を見る。


第5本目のダート、「ウーダナダッタトラック」に入る



砂漠にうち捨てられたオールド・ガンのジーゼルカー



DJEBEL250XCのアクセルを開き、荒野の中に延びる一筋のダートを突っ走る。200キロ先のウィリアムクリークまでの間は、無人の荒野が果てしなくつづく。その間では、真っ白な塩原が広がるエーア湖を見る。海面下12メートルというオーストラリアの最低地点。モワーッとした蒸せかえるような暑さだ。エーア湖は塩湖で、オーストラリア最大の湖になっているが、湖畔に立っても湖水はまったく見えなかった。


オーストラリア最大の湖のエーア湖。ここは海面下12メートル



ウィリアムクリークで昼食。ハンバーガーを食べていると、ウワーッとハエが群がってくる。オーストラリアのアウトバックはハエの大群と戦わなくてはならない世界なのだ。ウィリアムクリークからさらに210キロのダートを走り、ウーダナダッタに到着。ウーダナダッタを過ぎると日が暮れ、カンガルーが頻繁に飛び出してくる。

「ウーダナダッタトラック」のダート630キロを走りきり、大陸縦断のスチュワートハイウエーのマーラに出た。舗装路がありがたい。ロードハウスで夕食を食べ、ノーザンテリトリーに入り、オーストラリア内陸部の中心地のアリススプリングに向かった。


シンプソン砂漠横断!

アリススプリングスではシンプソン砂漠横断の準備を整える。DJEBEL250XCのタイヤとチェーン、スプロケットを交換し、スーパーマーケットの「ウールワース」で食料を買い込む。24枚入りの食パン2本、12枚入りのスライスチーズ2箱、ペーストのベジマイトを1個、生食用のニンジンとタマネギ、それとオレンジだ。


「シンプソン砂漠横断」の開始。フィンケへのダートを走る



シンプソン砂漠横断の開始。アリススプリングスからスチュワートハイウェイを南に275キロ走ったクルゲラまで戻り東へ、フィンケに通じるダートに入っていく。先住民アボリジニのコミュニティのあるフィンケまでは150キロ。その間は道幅の広い、走りやすいダート。フィンケから最終給油ポイントのマウントデアへ。その間は110キロ。道幅は狭くなり、かなり砂の深いダートになる。涸れ川を渡ると、砂漠の風景に変わる。


ノーザンテリトリーとサウスオーストラリアのボーダーを越えると360度の地平線。そんな中にあるマウントデアのホームステッド(牧場主の家)に着く。ここでガソリンを用意する。DJEBEL250XCの17リッタータンクを満タンにし、10リッター、3リッター、2リッターの3個のポリタンクと4リッターの容器2個、全部で40リッターのガソリンを用意した。さらに水だ。6リッターのキャンバス地の水入れにいっぱいの水を入れ、0・5リッターのミネラルウォーターを8本買い、全部で10リッターの水を持ってマウントデアを出発。


シンプソン砂漠に突入。猛烈な暑さ!



シンプソン砂漠の入口のダールフーシーへ。40リッターのガソリンと10リッターの水が重い。ダルフーシへのダートは雨でズタズタ。あちこちにおおきな水溜まりができていた。ダルフーシーまでの70キロに3時間もかかった。悪路との悪戦苦闘の連続。ダルフーシーにはオーストラリア最大の温泉がある。大きな池のような天然の露天風呂につかり、昼食のパンを食べ、そしてシンプソン砂漠に突入した。


オーストラリア最大の温泉、ダルフーシの大露天風呂。ジャスト適温!



ダルフーシーからシンプソン砂漠横断のメインルート、リグロードを100キロ走ると、フレンチラインとの分岐点に着く。このフレンチラインこそ、オーストラリアのダートの中でも最難関といわれているルートなのだ。


ここがリグロードとフレンチラインの分岐点



「よし、行くゾ!」と、気合一発、フレンチラインに入り、砂道の轍を追っていく。


フレンチラインの砂丘越えで転倒…。荷物を全部降ろす



目の前には立ちふいさがる赤い砂丘に勢いをつけて登り、セコンドギアで登れなくなるとローギアまで落とし、両足で思いっきり砂を蹴って砂丘を越える。そんな砂丘越えが際限なくつづく。熱風に吹かれ、のどが焼きつきそうになる。体力の消耗が激しい。DJEBELを止めると、水をガブ飲みし、しばらくは砂の上にひっくりかえった。

おまけに夕方になると、猛烈な西風。ゴーゴーと吹き荒れ、砂嵐の様相だ。わずか40キロに3時間以上もかかり、コルソントラックとの十字路に出た。すでに水を6リッターも飲んでしまい「もう、ダメだ!」と、フレンチラインをいったん断念。コルソントラックを南下し、メインルートのリグロードに出た。

ひと晩野宿し、翌日はリグロードを140キロ走り、ノールストラックとの分岐点に出た。フカフカの砂道がつづくノールストラックを北に走り、再度、フレンチライン挑戦。あいかわらず際限なく砂丘がつづくが、ガソリン、水が減った分だけ走りやすくなった。


3州境のポッペルコーナーに到着



そしてついにサウスオーストラリア、クイーンズランド、ノーザンテリトリーの3州境のポッペルコーナーに到着。
「助かった!」と、思わず叫んだ。もう大丈夫だ。そこからは東へ、東へと走り、バーズビルの町を目指す。


大砂丘の「ビッグレッド」越え



最後の難関がビックレッド。その名の通りの赤い大砂丘。砂丘下の平地でDJEBELのエンジンを全開にし、大砂丘を駆け登っていく。
「やったー、越えたゾー!」。
マウントデアから616キロ、シンプソン砂漠を横断し、バーズビルに到着。その間では約1100本の砂丘列を越えた。水はギリギリだったが、ガソリンは15リッター余らせた。


「エーア&ディアマンティナ・ディベロップメンタルロード」を行く



「ドノフエ&プレンティーハイウェー」に入る



バーズビルからは第8本目のの「エーア&ディアマンティナ・ディベロップメンタルロード」(ダート385キロ)と第9本目の「ドノフエ&プレンティーハイウェー」(ダート647キロ)の2本を走り、アリススプりングスに戻った。


「ドノフエ&プレンティーハイウェー」の真っ赤な道を行く




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