私が運営するMOTOアウトドアブランド・ノマディカでは今年、キャンプイベント内で『バイクキャンプデビュー講座』(全4回)を開催しています。7月に3回目が終わり、秋に最後の回を開催予定ですが、中でも参加者さんの熱量を強く感じたのが「積載」についての回。ビギナーさんもベテランさんも、身を乗り出して真剣に見て、聞いてくださいました。上手な積載はバイクキャンパーにとって永遠のテーマですね!

では、“上手な積載“とはいったいどんな積載でしょう? 今回は、基本的な考え方と必要な道具についてお伝えします。

積載美=安全な積載。バイクキャンプは「“荷”人馬一体」

私達はよく、バイクと乗り手がひとつになった美しさを「人馬一体」と言いますが、キャンプにおいては「“荷”人馬一体」がとても重要だと思っています。荷物がだらしなくいびつに積まれていたら、せっかくのバイクとライダーのカッコよさも半減してしまいますよね。

でもこれ、見た目の問題だけではないんです。荷物をだらしなく積めば、走行中に落下しかねないし、積み荷が左右非対称ならば、走行時の風圧やコーナリングでの傾き方も、左右均等になりません。

つまり、美しい積載は“安全な”積載でもあるということ。安全な積載を心がけて取り組めば、誰でも美しくスッキリと、荷物が積めるようになります!

以下はコバユリ流「荷人馬一体3原則」。上手な積載のコツとして、ぜひ実践してみてください。

①重いものほど下へ、前へ

車体が軽くても重心が高いバイクは、走らせても取り回しても、抑え込めずにフラつきますよね。逆に、車重のあるバイクでも重心が低ければ、それほど重さを感じずに操作できます。荷物を積むときも、重いものから順に積んでいくと、重心を低く抑えて安定させることができ、フラつきも減らせます。

また、積み荷が重いほど前輪側の荷重が軽くなり、ハンドルがブレるなど走行に影響を及ぼします。後ろに重さが偏らないように注意しましょう。

②左右均一に積んでしっかり固定

雑にまとめて不安定な形をした荷物は、シートの上でズレやすく、落下事故などのトラブルに発展しかねません。重量・体積ともになるべく左右の差がないように積み、ツーリングネットや荷締めベルトを使ってしっかりとバイクに固定しましょう。

③過積載に注意

なるべく低重心になるように積んでしっかり固定すれば、載せられるだけ載せていい? 答えはノー。安全な走行を妨げるほどの積み荷は「過積載」と言って、道路交通法違反になってしまいます。安全な積載の目安として定義を覚えておきましょう。

以下の表は「過積載」の定義になります。

 

 

普通自動二輪、大型自動二輪 原付50cc以下
重量60kgまで 重量30kgまで
シートor荷台(※)+30cmまで 幅:シートor荷台(※)+左右15cmずつまで 高さ:地上から2mまで 長さ:シートor荷台(※)+30cmまで 幅:シートor荷台(※)+左右15cmずつまで 高さ:地上から2mまで

(※)道路交通法では「乗車装置または積載装置」と記されており、何をもって積載装置と見なすかなど明確な指定はありませんので、良識の範囲内で調整しましょう。

積載に必要な道具をそろえよう

①バッグ類

キャンプ道具や着替えをドシドシ詰められる大容量のダッフルバッグやシートバッグはバイクキャンプの必需品。下記の荷締めツールを使ってバイクに固定します(専用の固定ツールがあらかじめ付属するタイプもあり。)パニアケースなどと併用するか、テントをバッグに入れるか、また泊数にもよりますが、だいたい40L以上、荷物が多い人でも60Lくらいの容量があれば足りるでしょう。

②ツーリングネット

バッグ類に加えて、バッグに入りきらなかったテントやマット、すぐに取り出したい雨具など、いくつかの荷物を積み重ねたいときに、これひとつですべてを覆ってまとめられます。ネットの中で荷物が崩れてしまわないようにしっかりテンションをかけて使います。

③荷締めベルト

対になった荷造り用の紐やベルトを使って荷物を固定します。ツーリングネットに比べてよりしっかりとテンションを掛けられるので、荷物がズレる心配が少なく、見た目もスッキリとまとまる方法です。

走り出す前に必ず「取り回しチェック」をしよう!

荷物を積み終えたら、必ずバイクを取り回してみてください。いつもよりどれだけ重くなり、どんなふうに重心の位置が変わったかを体に覚えさせておくと、不安が減って、落ち着いて走り出せます。また、跨ってみて、荷物に押されて乗車姿勢が前のめりになってしまっていないかもチェック。無理があるようなら調整してくださいね。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    コバユリさんはホントに素敵だね。旅のスタイルも格好良くて参考にさせてもらってます。

  2. 匿名 より:

    結局極めたら箱に落ち着く。
    脱落とか後輪の巻き込み、操作系の悪化を考えて
    布系のバッグ使わなくなる。

  3. 匿名 より:

    重い物ほど下へ、前へ
    と言っているけど...
    一番重いテントを
    一番後ろに積んでいる写真があるけど
    どうなんだ?

  4. ヤリサン より:

    最初のころは、ツーリングバックに詰めてたけど、テントとポールを別々にしてポールだけ、バックに詰めてテントは、バックの上にするようになりました。

  5. 匿名 より:

    荷物が多いから消去法では?それに、キャリアの上に載せたかったんでしょ。
    あと、テントよりも重いパニアが前側にあるからバランス的にも問題ないんじゃない。

  6. 匿名 より:

    なるほど〜です。
    確かにテントより
    パニアの方が重いですね。

    バランス良く積めているんですね!

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