アメリカではご機嫌な人や、今の暮らしに満足している幸せな人のことを“happy camper”と言います。スラングにさらりと「キャンパー」という言葉が使われるくらい、アメリカではキャンプがポピュラーなんですね。そういえば学生時代に西海岸に2度滞在したことがありますが、週末になるとホストファミリーに、コテージキャンプに連れて行ってもらいました。楽しかったな。
日本でも、余暇の楽しみ方としてさらにキャンプが親しまれるようになるといいな! と願いつつ、今回はバイクキャンプにおける初めてのテント選びについてアドバイスします。
目次
失敗しないためのチェックポイント
キャンプブームの真っ只中で、ソロキャンパー向けのギアも豊富な今、テントの選択肢もよりどりみどり。中には1万円を切る安価なものも見られるようになり、これからキャンプ道具を買いそろえるという人から、「テントはどのくらい安くても大丈夫か」なんて質問もいただくようになりました。
初めてテントを買うときに肝に銘じてほしいのは、前回紹介した基本アイテムの中でも、特に「テント」と「寝袋」は“サバイバル”性の高い道具、言ってしまえば“命を守る”道具だということ。
基本的に1~2人用のテントは、値段が高いほど高スペックになる傾向にあります(すごく雨風に強い、透湿性が高い、超軽量など)。でも、これからキャンプを始めようという段階で、1年に何回キャンプに出かけるようになるかもわからないのに、高価なテントにはなかなか手が出ませんよね。とはいえ、あまりに安いのは何だか不安……。
そんなときは、だいたいの予算を決めたうえで、気になったテントが下記の3つのポイントについて、あなたの希望をクリアするかをチェックしてみてください。安くてもクリアするのであれば、それはあなたにとってコスパのいいテント。クリアしないのであれば、無理に予算内に収めようとせず、視野を広げてみてください。
チェックポイント①「重さと収納サイズ」
テントに限らずですが、バイクキャンプにおける道具選びの基本は「軽量・コンパクト収納」。オートキャンプとは異なり、バイクキャンプでは持ち運べる荷物の量が限られます。無理にたくさん積んでしまうと、安全な取り回しやライディングの妨げになるので、道具を選ぶときは、自分のバイクへの積載に適した「重量」と「収納サイズ」であることを確認しましょう。
▲かさばらず重量を抑えた積載のために「軽量・コンパクト」なモノ選びをするのが、ソロキャンプの鉄則
チェックポイント②「室内の広さ」
バイクキャンプで使うテントには、自分が横になるスペースに加えて、荷物を置くための余裕も必要です。さらに広い前室があると、寛ぎスペースも得られて快適に過ごせます。また、天井が低いほどかがんだ姿勢で身動きを取らなければならないので、背の高い人や腰に問題のある人は、室内の高さもチェックしてみてください。
▲空間にゆとりのあるテントほど仕舞い寸法も大きくなり、小さく仕舞えるテントほど、室内もコンパクトな傾向にあります
チェックポイント③「耐水圧」
日本は雨が多く多湿の国。雨をテントで凌げなければ、自分の体はもちろん、ライディングギアや大事な着替えまで濡れてしまうので、テント生地の耐水性は大事です。とはいえ、単に耐水圧が高いだけだと気密性も高くなり、テント内のジメジメの原因にも。「耐水圧」の表記を見てだいたい「1500mm」以上を目安に選べば、強い雨でも浸水の心配はないでしょう。
▲安心できる道具で臨めば、雨のキャンプも楽しいよ!
おすすめはズバリ「自立式ツーリングテント」
インターネットで少し検索するだけでもよりどりみどりのテントですが、その中に、私達ライダーに向けた「ツーリングテント」と呼ばれるカテゴリーがあります。1~2人用のコンパクトなつくりで、ライダーには付き物の荷物……ヘルメットやライディングジャケット、ダッフルバッグなどを、室内に仕舞えるよう広さに余裕があるのが特徴。収納サイズもバイクへの積載に支障のない程度に抑えられています。
その「ツーリングテント」はさらに、大きく「自立式」と「非自立式」の2タイプに分けられますが、私が初めてのテントにおすすめしたいのは圧倒的に「自立式」です!
「自立式テント」とは、数本のフレームを組み立てて作るドーム型のテントで、ペグダウン(テントが動かないように地面に杭で打ち付けること)をする前から、文字通り自立する構造になっています。
その大きな特徴を見ていけば、初めてのテントにおすすめの理由がおわかりいただけます。
⇒ビギナーにありがちな「ペグが上手く打てない」「まだ多様な地質に対応できるほどペグを持っていない」というお悩みにも対応!
②テントを張った後でもペグを抜くだけで、テントを崩さずに向きや場所を微調整できる
⇒ビギナーにありがちな「テントの設営がビシッと決まらない」というお悩みにも対応!
③インナーテントが標準装備されている「ダブルウォール」タイプがほとんどなで、寒さや湿気が和らぎ、虫が入りにくい
⇒ビギナーにありがちな「虫が苦手」というお悩みを軽減!
▲同じ自立式ツーリングテントにも大小高低様々あります。あなたにぴったりの一張りに出会えますように!
テントはキャンプツーリングの道具の中で、バイクの次に大きなお買い物。初めてのバイクを選んだときのように、マイファーストテントを選ぶドキドキワクワクは一度きり! 思いきり悩んで、吟味して、楽しんでくださいね。目指せ、ハッピーキャンパー!
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