
【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】
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Vストローム250を走らせての2022年新春ツーリングの第3弾目は「冨士山一周」だ。
2月9日6時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。国道246号で御殿場に向かう。
「ヒェー、寒い」
秦野、松田、山北を通り、静岡県に入る。
御殿場到着は7時15分。気温は氷点下5度。寒さに震えながら、青空を背にした富士山を眺めた。天気は快晴。寒いけれど、絶好の「冨士山日和」だ。
御殿場の「デニーズ」で朝食。寒さから解放されて生き返るような思いだ。それにしても御殿場は寒い!
御殿場から見る富士山
御殿場の「デニーズ」で朝食
朝食を食べ終わると、「御殿場→御殿場」の「冨士山一周」を開始。反時計回りで富士山を一周する。
御殿場からは国道138号を北へ。須走の富士浅間神社を参拝。ここは東口本宮になる。拝殿の真後に富士山が聳えている。
須走から籠坂峠に向かっていく。路面の凍結を覚悟してVストローム250を走らせたが、県境を越えて山梨県に入っても凍結箇所はなく、標高1104mの籠坂峠に到達。
今回のルート上では一番の難関だと思われた籠坂峠から山中湖への下りもアイスバーンはなかった。
御殿場から国道138号を北へ
須走の富士浅間神社を参拝。ここは東口本宮
須走から見る富士山
国道138号の籠坂峠
ここからは「富士五湖めぐり」だ。まずは山中湖の東岸から富士山を見る。山中湖には氷が張っていたが、バリバリバリッと氷を砕いてワカサギ漁の小船が出ていった。
山中湖から三国峠へ。絶景ルートの峠道から富士山を眺め、山中湖を見下ろした。南アルプスの連山も見えている。
山梨・神奈川県境の三国峠で折り返し、山中湖に戻ると、山中湖北岸の道を走る。そこからは湖に映る逆さ富士がきれいに見えた。
山中湖から見る富士山
三国峠への県道730号から見る富士山
山中湖に映る富士山
国道138号に出ると富士吉田へ。
富士吉田では富士浅間神社を参拝。ここは北口本宮になる。拝殿の左側には富士太郎杉、右側には富士夫婦桧がそそり立っている。ともに樹齢千年の御神木。まるで神が宿っているかのようなド迫力の巨木だ。
富士吉田の町中を走り、「富士山の十字路」、金鳥居の交差点へ。ここでは国道137号、138号、139号と3本の「富士山国道」が出会うのだ。
富士吉田の富士浅間神社を参拝。ここは北口本宮
富士吉田の富士浅間神社の富士太郎杉。樹齢千年!
富士吉田から見る富士山
富士吉田の「金鳥居」。ここの交差点は「富士山の十字路」
金鳥居の交差点からは国道137号を行き、河口湖畔を走る。さすが富士五胡の中では一番の観光地の河口湖だけあって、ここから見る富士山は均整のとれた見事な山容をしている。
御坂峠を越える国道137号と分かれ、河口湖北岸の県道21号を行く。
大石公園でVストローム250を止める。ここには富士山のモニュメント。郷土富士大集合といったミニ富士で、1番は本家本元の富士山だが、2番の蝦夷富士からは利尻富士や津軽富士…と日本各地の郷土富士が続き、最後は第252番の沖縄本島の本部富士だ。これを見ていると、日本中の「郷土富士めぐり」をしたくなる。
河口湖から見る富士山
川口湖畔の大石公園から見る富士山
大石公園の富士山のモニュメント。日本の郷土富士大集合!
河口湖のあとは西湖、精進湖からの富士山を見て本栖湖へ。国道300号の本栖峠から見る富士山は「う~ん!」と思わずうなってしまうほど素晴らしい!
ここまで午前の部になるが、天気はひきつづいての快晴で、「富士山日和」が続いている。富士山の天気は変わりやすいので、何ともありがたいことだった。
西湖から見る富士山
「野鳥の森公園:の氷のオブジェ
精進湖から見る富士山
本栖湖から見る富士山
本栖湖畔の「本栖館」で昼食の「信玄ほうとう」を食べると、国道139号を南下。山梨・静岡県境の割石峠でVストローム250を止め、富士山を眺めた。そのあと朝霧高原からの富士山、田貫湖からの富士山を見て、富士山の名瀑、白糸ノ滝を見に行く。
「本栖館」の「信玄ほうとう」
山梨・静岡県境の割石峠から見る富士山
朝霧高原から見る富士山
田貫湖から見る富士山
白糸ノ滝の近くから見る富士山
富士山の雪解け水が溶岩流の断崖から流れ落ちる白糸ノ滝。高さ20m、幅150m。大小数百もの滝が流れ落ちている。毎秒1・5トンもの湧水が流れ落ちている。
白糸ノ滝の隣には音止ノ滝がある。こちらは芝川が流れ落ちる1本の滝で高さ25m。優美な白糸ノ滝と、勇壮な音止ノ滝を見比べてみたらいい。
富士山の名瀑「白糸ノ滝」
こちらは「音止ノ滝」
白糸ノ滝から富士宮へ。ここでは富士山本宮の浅間大社を参拝。境内には「湧玉池」がある。これも富士山の膨大な水量の湧水で、ドーッと音をたてて、神田川となって流れ出ていく。ここでも富士山の持つパワーの凄さを見せつけられた。
富士宮の浅間大社を参拝。ここは富士山本宮
浅間大社の拝殿と本殿
浅間大社の「湧玉池」は神田川となって流れ出る
富士宮からは国道469号で御殿場に向かう。その途中、十里木高原から富士山を見た。雲がかかり始めていたが、かろうじて「セーフ!」といった感じで、富士山は全山が見えた。
御殿場に到着したのは15時30分。富士山は雲の中たった。
「御殿場→御殿場」の「富士山一周」は189キロ。御殿場からは国道246号で伊勢原の自宅に戻った。
十里木高原から見る富士山
御殿場に戻ってきた。富士山は雲の中
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