【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:賀曽利隆の「Vストローム250で行く東京~鹿児島往復 2019年」(前編)

▲鹿児島を出発。西郷さんの銅像が見えている

10月24日。13時、鹿児島を出発。「東京~鹿児島往復」の後半戦が始まった。Vストローム250に「さー、行くぞ!」とひと声かけて走り出す。

鹿児島からは国道3号を行く。熊本県に入ると水俣、八代を通り、19時、熊本に到着。熊本駅前の「東横イン」に泊まった。

▲国道3号で熊本県に入る

熊本駅前から市電に乗って花畑駅へ。ここで錦戸陽子さんと小笠原隆一さんに落ち会う。3人で居酒屋「うまかっさい」に入り、飲み会の開始だ。錦戸さんは一緒にオーストラリアを走った「豪州軍団」の仲間。小笠原さんは市電の終点、健軍駅前の「小笠原写真館」の若旦那だ。馬刺しや辛子蓮根などをつまみにして焼酎を飲んだ。

▲熊本市内の居酒屋「うまかっさい」で飲み会!

10月25日。朝食を食べ、7時に熊本駅前の「東横イン」を出発。国道3号で植木へ。

熊本駅前を出発。熊本は路面電車の走る町

植木から国道208号で西南戦争最大の激戦地、田原坂に行く。ここでは明治10年(1877年)3月4日から20日までの17日間にわたり、明治政府軍と西郷隆盛の率いる薩摩軍の戦闘が繰り広げられた。薩摩軍は田原坂で敗れ、鹿児島へと敗走していく。

▲西南戦争の激戦地、田原坂にやってきた

田原坂では「西南戦争資料館」を見学。西南戦争といえば明治以降の日本では最大の内戦だ。武器類や装備品などの戦争の資料が多数、展示されている。隣接する「弾痕の家」には弾丸の跡が残っている。吉次峠を越えて周辺もまわったが、田原熊野座神社にも砲弾跡が見られた。

▲西南戦争の弾丸の跡が残る田原坂の「弾痕の家」

「田原坂探訪」を終えると、植木ICから九州道に入る。関門橋を目の前にするめかりPAで「たこ焼き」と「ポテトフライ」の昼食。関門橋を渡って本州に入ると、中国道から山陽道を走る。大野ICで高速を降りると、国道2号で宮島口へ。連絡船で宮島に渡り、安芸の一宮の厳島神社を参拝した。

▲九州道のめかりPAから見る関門橋

▲めかりPAの「たこ焼き」と「ポテトフライ」

▲宮島口に到着。連絡船に乗って宮島に渡る

▲宮島では安芸の一宮の厳島神社を参拝

今晩の宿は国道2号旧道沿いの「ホステル宮島」。19時に「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」大会実行委員長の澤本俊夫さんが車で迎えにきてくれた。「東京~鹿児島往復」の後半戦は、この「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」に合わせての日程なのだ。

▲今晩の宿は「ホステル宮島」

JR西広島駅のレストランで本名正憲さんを交えての打ち合わせ。本名さんはRCC(中国放送)のアナウンサー。明日の「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」の前夜祭では、カソリとのトークショーが予定されている。

10月26日6時30分、「ホステル宮島」を出発。今日は一日、広島の峠を越えるのだ。国道2号で広島へ、広島の中心街からは国道54号を行く。可部を過ぎると山地に入り、上根峠を越える。広島側は急な登りだが、峠の頂上周辺は平坦なので、多くの人は峠と気がつかないまま通り過ぎていってしまう。

▲国道54号の上根峠を越える

上根峠の頂上には太田川水系と江の川水系の「分水嶺」の表示がある。上根峠は中央分水嶺の峠で瀬戸内海(太平洋)と日本海を分けている。上根峠を越えると、中国地方最大の江の川の流れに沿って三次へと下っていく。

▲三次盆地の三次の町に入っていく

三次に到着すると、「セブンイレブン」でサンドイッチの朝食。三次盆地の三次は「水都」といったところで、ここで江の川の本流と神之瀬川、西城川、馬洗川の3本の支流が合流する。

三次から、まずは国道54号で神之瀬川→布野川→中郷川に沿って広島・島根県境の赤名峠へ。峠の西側には三国山があるが、備後・岩見・出雲三国境の三国山だ。赤名峠からは「峠返し」で三次に戻った。

▲国道54号の赤名峠。広島・島根県境の峠

次に江の川の本流に沿って国道375号を行く。川沿いには小集落が続くが、旧作木村の香淀を過ぎたところが三国境。ここでは安芸と備後、岩見の3国が接している。その西側にはやはり三国山がある。国道375号をさらに走り、川の駅「常清」で昼食。「鮎定食」を食べた。アユは江の川名産品。アユの塩焼きにアユのウルカ(塩辛)がついている。ここから山地に入り、名瀑の「常清滝」を見た。高さ126メートルの3段滝で、中国地方では一番高い滝。

▲川の駅「常清」の「鮎定食」

▲高さ126メートルの常清滝

国道375号に戻ると、全長3233メートルの両国トンネルを抜けて島根県に入った。江の川まで下ると、今度は国道375号の旧道で広島県に戻る。江の川沿いの道だ。島根・広島の県境でVストローム250を止めたが、カソリ、ここでは感動の面持ちで江の川の流れを見た。というのはここは日本で唯一、中央分水嶺をブチ破って川が流れている現場なのだ。

▲広島・島根の県境を貫く両国トンネル

日本列島は最北の宗谷岬から最南の佐多岬まで、中央分水嶺の1本の線で、太平洋側(瀬戸内海を含む)と日本海側にきれいに分けられている。中国地方の中央分水嶺は中国山地の稜線だが、江の川は中国山地をブチ破り、稜線の南側から北側に流れている。そのため広島県内の中央分水嶺の線はとんでもなくわかりにくいものになっている。例えば瀬戸内海に近い上下(府中市)は中央分水嶺の峠上にある町。峠が町の中心だ。さきほどの国道54号の上根峠も同様なのである。

▲広島・島根の県境を流れる江の川

国道375号で三次に戻ると、次に国道183号で西城川に沿って庄原から西城まで行く。西城の町で折り返し、三次に戻った。

三次の最後は国道184号。馬洗川の流れに沿って世羅に向かっていく。その途中でVストローム250は12万キロを達成。2017年9月1日に「70代編日本一周」に出発して以来、2年1ヵ月と26日目で達成した12万キロだ。
「よくやった!」

▲Vストローム250、12万キロを達成!

とカソリ、Vストローム250に労いと賞賛の声をかけるのだった。

国道184号の「峠の駅」で「こがね餅」を食べ、世羅高原の峠に到達。峠上で広域農道の「世羅高原ふれあいロード」と交差している。ここが中央分水嶺の峠。瀬戸内海のすぐ近くで日本海と接しているのだ。峠を下ると、世羅の町(本郷)を通り、旧石州街道の一里塚跡碑の立つもうひとつの峠を越えて尾道に下った。

▲三次から国道184号で尾道へ

尾道ICから山陽道に入り、五日市ICで降り、国道2号で「ホステル宮島」に戻った。改めて「水都・三次」の面白さと、江の川の面白さを実感するのだった。
「ホステル宮島」には澤本俊夫さんが迎えにきてくれた。「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」の前夜祭会場の廿日市商工会館へ。

▲尾道に到着。ここから山陽道で広島へ

18時に前夜祭開始。澤本俊夫さんの挨拶のあと、広島県副知事の田辺昌彦さん、廿日市市長の眞野勝弘さんの来賓挨拶がつづく。「里山復興」を掲げる澤本さんの情熱が通じたようで、広島県と廿日市市などの地元の市町村が「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」を後援している。

澤本さんと来賓の挨拶が終わると、カソリのトークショーが始まった。RCC(中国放送)のアナウンサー、本名正憲さんとのトークショーは台本なしの出たとこ勝負。40分間のトークショーが終わると、みなさんからは盛大な拍手をいただいた。そのあとは会場を埋め尽くしたみなさんとの懇親会。これが楽しい。最後は全員集合の記念撮影をして3時間半に及ぶ前夜祭は終了した。

10月27日。8時、「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」のスタート。100台以上ものバイクが廿日市市役所から走り出す。ツーリングラリーのチェックポイントは弥栄ダム、道の駅「スパ羅漢」、道の駅「来夢とごうち」、温井ダム、道の駅「豊平どんぐり村」、「長笹楽山」のバイク神社の6ヵ所。ここでラリー帳にスタンプをもらう。このコースを時計回りでまわってもいいし、反時計回りでまわってもいい。走るコースは自由自在で、廿日市市役所に17時に戻ればいいのだ。

▲「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」、スタート!

カソリは時計まわりで回った。道の駅「スパ羅漢」では「猪串」(600円)を食べ、道の駅「来夢とごうち」では「まつたけごはん」(750円)を食べた。

▲国道186号の道の駅「スパ羅漢」で「猪串」を食べる

▲国道191号の道の駅「来夢とごうち」で「まつたけごはん」を食べる

戸河内からは国道191号を北へ。虫木峠、道戦峠を越えて、広島・島根県境の峠まで行った。昨日に引き続いての「広島の峠」。さらに県道115号で広島・島根県境の木束峠まで行き、県道307号で八幡峠を越え、国道186号の広島・島根県境の傍示峠まで行った。

▲広島・島根県境の木束峠で折り返す

傍示峠で折り返し、国道186号を南下。巨大なアーチ式ダムの温井ダムに立ち寄り加計の町に入っていく。

▲国道433号の狭路の峠を越えて加計へ

加計からは国道433号経由で道の駅「豊平どんぐり村」へ。最後のチェックポイントの「長笹楽山」ではオートバイ神社に参拝し、「しょうが肉うどん」(900円)を食べ、加計から戸河内に戻った。

戸河内からは「これぞ里山!」といった風景が連続する国道433号を走り、七曲峠を越えて廿日市へ。17時、廿日市市役所にゴール。18時、「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」の閉会式が始まる。表彰式のあと、カソリの大会総評、大会実行委員長の澤本俊夫さんの挨拶、参加者全員での記念撮影でもって「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」は終わった。胸にジーンとくるフィナーレだった。

▲「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」、終了!

「オオサンショウウオ ソロツーリングラリー2019」が終了すると、すぐさま行動開始。
大会本部の本部長を務めた「やまちゃん」こと山崎正雄さんと、大会本部の裏方を務めた「ユージン」こと中尾裕二さん、「さんちゃん」こと早川千暁さんと一緒に湯来温泉へ。さきほどの七曲峠を越えてなつかしの「湯来ロッジ」に泊まった。ここは「温泉のカソリ」の原点。1975年2月21日に泊まった温泉宿なのだが、それをもって我が温泉めぐりは始まった。ということで2月21日というのは、カソリの温泉記念日になっている。

▲なつかしの湯来温泉「湯来ロッジ」で大宴会!

湯来温泉「湯来ロッジ」の湯から上がると、4人での宴会開始。さんざん飲んで、語り明かして宴会は夜が更けるまでつづいた。

10月28日。湯来温泉「湯来ロッジ」の朝湯に入り、朝食を食べ、8時30分に出発。広島市内の「やまちゃん」の店、「バイクショップFOREST」に行く。そこでみなさんと別れた。

▲湯来温泉「湯来ロッジ」の朝湯に入る

▲湯来温泉「湯来ロッジ」を出発

▲ここが「やまちゃん」のお店の「バイクショップFOREST」

広島からは国道54号で上根峠を越え、峠を下ったところで左折し、江の川沿いの県道5号を行く。土師ダムの八千代湖畔を走り、千代田の千代田温泉へ。すると何と、日本で一番安い温泉宿といわれていた千代田温泉は、3月31日でもって廃業していた。ぼくも何度か泊ったことがあるので残念だ。

▲千代田温泉は廃業…

千代田からは国道261号を北上。「3三坂」といわれる広島・島根県境の3峠を越える。まずは亀谷林道の亀谷峠、つづいて国道261号の中三坂峠、最後が県道5号の三坂峠。この「3三坂」の一帯の広島県側が江の川の源流地帯になる。

岩見街道の県道5号で浜田に下ると、国道9号を行く。江津の町をを過ぎたところで江の川の河口を渡り、その夜は岩見の名湯、温泉津(ゆのつ)温泉に泊まった。

▲温泉津温泉の「薬師湯」に入る

翌日は出雲の名湯、玉造温泉に泊まった。

▲玉造温泉「翠鳩の巣」に泊まる

翌日は松江から国道9号で鳥取県、兵庫県を走り抜け、福知山(京都府)まで行くと、福知山ICから舞鶴若狭道に入った。

福井県に入り、敦賀JCTから北陸道を行く。北陸道の上越JCTから上信越道で信州へ。

坂城ICで上信越道を降りると、上田郊外の秋和温泉「秋和鉱泉旅館」に泊まった。何度も泊めてもらった「秋和鉱泉旅館」はまもなく閉館。こうして自分の泊ったことのある温泉宿が消えていくのは何とも寂しいものだ。

▲秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の朝食

10月31日。朝湯に入り、朝食を食べ、8時30分に秋和温泉を出発。上田から南下し、国道254号を行く。佐久から内山峠を越えて群馬県の下仁田へ。県境の神流川を渡って埼玉県に入った。寄居、東松山を通って川越へ。

▲国道254号の内山峠を越える

川越からは大渋滞を走り抜け、19時30分、東京の日本橋に到着。鹿児島から2709キロ。「東京~鹿児島」の往復は4369キロだった。

▲日本橋に到着。これにて「東京~鹿児島往復」、終了!

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