
【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】
みなさ~ん、『ツーリングマップル東北』の2020年版が発売されました。それを持ってさっそく東北へ。東日本大震災の3・11に合わせて東北の太平洋岸を走ってきました。ぼくにとっては第25回目の「鵜ノ子岬(福島)→尻屋崎(青森)」になります。
みなさんにまずお伝えしたいのは、東日本大震災から9年目にして、ついにバイクで福島県内の国道6号の全線が走れるようになったことです。胸のつかえが取れたような気分です。さっそく走りにやってきた何台ものバイクとすれ違いましたが、ライダーのみなさんたちとはすれ違いざまに、ガッツポーズやピースサインをかわしました。みなさんたちからは、走れるようになった喜びがおおいに伝わってきました。
▲『ツーリングマップル東北2020年通常版)』の表紙
ところで『ツーリングマップル東北』の2020年版ですが、「通常版」の表紙は八甲田山(青森)です。酸ヶ湯温泉の「まんじゅうふかし」のすぐそばで、正面に見えているのは硫黄岳(1360m)です。
ぼくはこの表紙がすごく気に入っていますが、この写真はまったくの偶然から撮られたものです。「まんじゅうふかし」でゴロンと横になって5分寝をしたあと、硫黄岳をバックにした走行写真を撮ろうということになりました。そこでバイクを回転させたのですが、その瞬間を見逃さずに巣山カメラマンが撮ってくれた1枚。バイクはスズキのSV650です。
裏表紙は「ヤマハ バイクレンタル」の広告ページになっています。
つづいて「R版」ですが、表紙は男鹿半島(秋田)です。男鹿水族館GAO近くの登り坂のコーナーで、背景の海は戸賀湾。この写真は狙い通りの1枚といってもいいもので、ここからの男鹿半島の西海岸は東北の絶景ルートです。
裏表紙は三瀬海岸(山形)。国道7号の三瀬の交差点からわずかに入ったところです。三瀬海岸の巨岩・奇岩には目を奪われますが、みなさんが普段走る国道7号から、ほんのわずかに入ったところにあります。
▲『ツーリングマップル東北2020年R版)』の裏表紙
みなさんにぜひとも見てもらいたいのは、巻末の写真ページの「カソリの轍2020」です。2020年版の表紙撮影では巣山カメラマンが3日間、同行してくれましたが、そのうちの第3日目の写真なのです。弘前を出発し、岩木山、八甲田山、奥入瀬渓流、十和田湖、八幡平、岩手山とまわり、東北道の西根ICで巣山カメラマンと別れたのですが、その間の一連の写真なのです。東北を旅する面白さが十分に出ていると自画自賛しています。
巣山カメラマンは3日間同行してくれたといいましたが、第1日目は455枚、第2日目は399枚、第3日目は298枚の写真を撮ってくれました。合計すると1152枚になります。
そのうち3枚は表紙に使われ、巻末の6ページの「カソリの轍2020」では40枚、16ページの小冊子では35枚が使われました。ということで、巣山カメラマンの残りの1074枚の写真の中から、『ツーリングマップル東北2020年版』で使われなかった写真33枚を選んでみましたので、ぜひともご覧になってください。
第1日目 鼠ヶ関→能代
写真撮影:巣山悟 写真提供:昭文社
第2日目 能代→龍飛崎
みなさん、ぜひとも書店で『ツーリングマップル東北2020年版』の実物を手に取って見てください。
2020年版 巻頭言
最後になりますが、2020年版のカソリの巻頭言をお読みください。
2020年版の実走取材は2019年6月1日に開始した。9月4日までの間で5回にわたって東北全域を駆けまわり、30日間で10232キロを走った。しかしこれは公式の実走取材で、「みちのくライダー・カソリ」は1月から12月まで、1年を通して東北各地を走りまわっている。東北はそれほどまでに面白く、魅力的なのだ。特筆すべきは鳥海山と岩木山の2名山に登ったことだ。鳥海山では出羽の一宮の大物忌神社本社、岩木山では津軽の一宮の岩木山神社奥宮を参拝した。
3月11日には東北大平洋岸最南端の鵜ノ子岬を出発し、東北太平洋岸最北端の尻屋崎まで走った。これが東日本大震災以降、第22回目の「鵜ノ子→尻屋崎」になる。夏の実走取材では第23回目の「鵜ノ子岬→尻屋崎」を走った。「鵜ノ子岬→尻屋崎」はこれからもずっとつづけるつもりだ。
このようにして1年をかけて東北各地を走りまわって得た情報を『ツーリングマップル東北』に反映させています。ということでみなさんには、ぜひとも最新の『ツーリングマップル東北』を見てもらいたいのです。これを持って東北に向かって欲しいのです。東北ツーリングの途中でカソリを見かけたら、気軽にお声をかけてくださいね。
(賀曽利隆)
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