【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト/巣山悟:写真撮影/昭文社:写真提供】

『ツーリングマップル東北』の2019年版が発売されました。それを持ってさっそく東北へ。東日本大震災の3・11に合わせて、東北の太平洋岸の全域を走ってきました。これは後日、みなさんにお伝えしたいと思っています。

ぼくは『ツーリングマップル東北』を担当していますが、「自分が一番のユーザーであらん!」を合言葉にして、一年を通して東北を走っています。

ところで2019年版の『ツーリングマップル東北』ですが、巻末の6ページが「カソリの道2019」と題した写真ページなのです。「これはおもしろい!」とカソリ、自画自賛しています。

『ツーリングマップル東北』では毎年、30日間の実走取材をしていますが、そのうちの3日間はカメラマンの巣山悟さんが同行してくれています。今回は第3日目で「下北半島」を一周したのですが、その1日を6ページにまとめたのが「カソリの道2019」なのです。取材日は2018年6月6日。相棒はVストローム250です。

朝の5時45分に三沢市の太郎温泉を出発しました。下北半島北東端の尻屋崎に立ち、下北半島最北端(本州最北端)の大間崎に立ち、下北半島南西端の北海岬に立ち、夜の8時45分に青森駅前にゴールしたのです。

青森駅前では巣山カメラマンとの涙!?の別れ。
カソリはそのあと弘前まで走って泊まりましたが、巣山さんは東北道を夜通し走って東京に帰っていきました。我々はこのようなことをいつも平気でやっています。東北を自由自在に駆けまわって実走取材をしています。とにかく走る、より広いエリアを走る、より長い距離を走る、それを実走取材の基本にしています。1本でも多くの道を走ってその結果をみなさんにお伝えしたいという気持ちでやっています。

それではみなさん、是非とも巣山カメラマンの「下北半島一周」の写真を見てください。

「カソリの道2019」~2018年6月6日、下北半島一周の旅~

▲三沢市の太郎温泉を出発(5:45)

▲ここは三沢漁港。大津波の痕跡はもう見られない(6:00)

▲淋代海岸の「ミス・ビードル号」の実物大模型。昭和6年、「ミス・ビードル号」はここからアメリカの西海岸を目指して飛び立った(6:45)

▲ラムサール条約登録湿地の仏沼を走る(7:15)

▲海霧に霞む物見崎の灯台。ここは絶景岬!(8:00)

▲物見崎北側の白糠漁港。活気のある漁港だ(8:10)

▲白糠漁港岸壁の七福神の壁画(8:20)

▲下北半島のヒバ林地帯を行く。ヒバの香をかぎながらバイクを走らせる(9:00)

▲これぞ東北。豊かな自然、濃い緑が目に焼きつく(9:15)

▲尻屋崎入口での水無月さんとの出会い。『ツーリングマップル東北』のご愛用、ありがとうございま~す!

▲尻屋崎に到着。残念…、灯台は海霧に霞んでいる(10:00)

▲尻屋崎周遊道路を快走!(10:15)

▲尻屋崎の寒立馬にご挨拶!(10:20)

▲尻屋崎の灯台に戻ってきた。海霧は晴れ、快晴の青空が広がっている(10:30)

▲津軽海峡沿いの国道279号を行く。本州最北端の大間崎が見えてくる(11:15)

▲本州最北端の大間崎に到着。弁天島の白黒の灯台が見えている(12:00)

▲大間崎の本州最北の漁港。胸にジーンとくる光景!(12:05)

▲願掛岩を見ながら海峡ラインの国道338号を南下する(13:00)

▲「ぬいどう食堂」の「うに丼」。朝獲りのウニがうまい!(13:50)

▲海峡ラインの展望台から見下ろす仏ヶ浦!(14:35)

▲牛滝漁港の岸壁で。ここは日本の秘境だ!(14:50)

▲海峡ラインを快走中!(15:20)

▲伝説の島、鯛島を見る。見れば見るほど鯛に似ています(15:50)

▲平舘海峡の向こうには津軽半島が見えている(15:55)

▲下北半島南西端の北海岬に到着。断崖がストンと海に落ちている(16:00)

▲ここは海上自衛隊の大湊基地。大型ヘリとVストローム250の2ショット!(17:00)

▲津軽半島に落ちていく夕日が陸奥湾を赤々と染めている(18:30)

▲野辺地の「ファミリー食堂」で夕食。ホタテの刺身を食べる(19:15)

▲青森駅前にゴ~~~ル!(20:45)

30日間の実走取材で作りあげた『ツーリングマップル東北2019年版』

『ツーリングマップル東北』の実質的な実走取材は夏の30日間ですが、2019年版の実走取材は昨年の6月3日にスタートさせました。

第1弾目は6月3日から6月8日までの6日間で、そのうちの3日間は巣山カメラマンとの表紙撮影でした。東北・太平洋岸最南端の鵜ノ子岬を出発点にし、太平洋岸を北上したのですが、3日間、晴天でした。カソリ&スヤマは驚異の「ハレ男コンビ」といわれているのです。巣山さんと青森で別れたあとは日本海側を南下。第1弾目は海岸線ルートでの「東北一周」で、最後は新潟から東京に戻ってきました。走行距離は2,887キロでした。

第2弾目は6月15日から6月19日までの5日間で、「東北南部編」でした。福島県の浜通り、中通り、会津がメインでした。その途中では我が定宿、木賊温泉の民宿「若松屋」に泊まったのですが、新潟の佐藤久夫さんと落ち合い、一緒に泊まりました。

佐藤さんは日本全国のダムカードを1,000枚以上も集めている人。今年も佐藤さんから東北の新しくダムカードを配布しはじめたダム、10ダムを教えてもらい、昨年にひきつづいて、全ダムのダムカードをゲットしました。2019年版にはこれらの新しい10ダムのダム情報がのっています。第2弾目の走行距離は1,578キロでした。

第3弾目は6月21日から6月27日までの7日間で、「東京~青森」の往復でした。まずは「水戸街道編」。国道6号の水戸街道は水戸を過ぎると陸前浜街道になりますが、宮城県の岩沼までの全宿場をめぐりました。残念なのは二輪車通行禁止の「富岡~浪江」間で、この間は常磐道で迂回しました。まあ、それはおいて、2019年版には陸前浜街道の全宿場がのっています。

「福島~米沢」間では東北中央道の新しく開通した区間を走りましたが、無料供用中ということもあって、交通量の多さには驚かされました。盛岡では「わんこそば」に挑戦。駅前の「東家」で食べたのですが、結果は120杯。まあ、100杯を超えたのでヨシとしましょう。この頃はサッカーのワールドカップのまっ最中。眠い目をこすって夜明けの試合を見ていました。第3弾目の走行距離は2,525キロでした。

第4弾目は7月2日から7月4日までの3日間で、まずは水戸から会津若松までの国道118号を走破しました。つづいて水戸から岩沼までの国道349号を走破しました。岩沼から仙台経由で東松島へ。

旧野蒜駅の駅舎内には「震災復興伝承館」があるのですが、ここで案内してくれた小峰香織さんは東日本大震災の大津波で流され、必死の思いでポリタンにつかまって生き延びたといいます。東名運河を越えたところで、浮いていた畳の上にのって野蒜小学校近くまで流され、そこで助かったのです。背中には大けがをして、その後、石巻の病院に入院しました。小峰さんのあまりにもすさまじい津波体験には、背筋の凍りつくような思いをするのと同時に、東日本大震災の大津波のすごさをあらためて感じるのでした。
第4弾目では石巻で折り返して東京に戻りましたが、走行距離は1,348キロでした。

第5弾目は7月11日から7月13日までの3日間で、「山形県南部の峠越え編」。飯豊町では添川温泉の日帰り湯「しらさぎ荘」に泊まったのですが、ここは宿泊も可。温泉も宿泊施設もなかなかいいところなのです。この時、ぼくはひらめきました。『ツーリングマップル東北』には多数の日帰り湯がのっていますが、そのうちの宿泊できるところには「宿泊可」をいれようと決めたのです。ということで2019年版には宿泊可の日帰り湯がかなりのっています。

ここではうれしい出会いがありました。地元のヨシさんが訪ねてきてくれたのです。ヨシさんに教えてもらって長井の総宮神社に行きました。ここは由緒ある神社でこの地方の総社になっていますが、「バイク神社」としても知られています。宮司の安部義朋さんは大のオートバイファン。愛車のスズキGSX1100Sカタナで1日1,000キロを走ることもあるそうです。

ということで2019年版にはコメントを入れて、長井の総宮神社をのせています。「MINI BOOK」の写真ページには阿部さんにも登場してもらっています。最後は高畠から東京に戻ったのですが、第5弾目の走行距離は1,171キロでした。

第6弾目は7月19日から7月22日までの4日間で、「東北の中央分水嶺の峠越え編」です。栃木・福島県境の山王峠を皮切りに、次々と奥羽山脈の峠を越えていきました。東北では奥羽山脈がほぼ中央分水嶺になっています。

福島県内の9峠を越えて福島に泊まり、翌日は山形の1峠、宮城・山形県境の5峠、宮城・秋田県境の2峠を越えて一関に泊まり、翌々日は岩手・秋田県境の5峠を越え、岩手の1峠を越えて五戸に泊まりました。最終日には青森の2峠、秋田の1峠、青森・秋田県境の1峠を越えて青森まで行きました。全部で中央分水嶺の27峠を越え、最後は青森料金所から東京まで東北道の一気走り。第6弾目の走行距離は2,489キロでした。

最後の第7弾目は7月31日と8月1日の2日間で「南会津編」。主に温泉をめぐりましたが、岩瀬湯本温泉「湯口屋旅館」の湯は印象に残りました。走行距離は827キロでした。

こうして30日間の「東北実走取材」を終えたのですが全走行距離は1万2,817キロになりました。Vストローム250はその間をノントラブルで走りきってくれたのです。ということでみなさん、『ツーリングマップル東北』の2019年版をなにとぞよろしくお願いします。

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