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スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)において、長年にわたりタイヤサプライヤーとして重要な役割を担うピレリ。同社の二輪レーシングコンパウンド開発部門でR&Dマテリアルスペシャリストを務めるゲア・プリオグリオが、モータースポーツの世界へ飛び込んだ経緯やタイヤ開発への情熱を語った。

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研究室からサーキットへ 現場での開発プロセス

2026年9月にニコロ・ブレガが2026年王者に輝いたスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)において、ピレリは長年にわたり不可欠な存在だ。同社の二輪レーシングコンパウンド開発部門でR&Dマテリアルスペシャリストを務めるゲア・プリオグリオは、幼少期から紙を使った工作などモノづくりへの強い関心を持っていた。大学進学時には通信工学や化学工学など様々な選択肢を検討した結果、材料工学とナノテクノロジー工学を専攻。原子の結合や構造によって材料の特性が決まるという化学的な側面に魅力を感じ、ゴム化合物の研究に没頭した。

タイヤが単なる黒くて丸い物体ではなく、分子や材料が複雑に絡み合う構造であることを学んだ彼女は、ピレリと協力関係にある教授のもとで修士論文に取り組んだ。ゴム化合物やグラフェン、ナノグラフェンに焦点を当てた研究を通じてピレリの研究所で実践的な経験を積み、博士課程でも共同研究を継続。その後、ピレリの原材料グループに加わり、実験室での研究から工業生産へとプロセスをスケールアップさせる手法を学んでいった。

転機となったのは、チケットを入手して個人的に観戦に訪れた2025年のWorldSBKミサノラウンドだった。初めてのレース観戦でスピードや熱気に魅了された彼女は、自身が開発した材料がコース上でどのように機能するかに興味を抱いたという。その後、トラックサイドでの役職に空きが出たことを機に上司へ直訴し、2026年3月に現在の役職へ正式に就任。正式就任前の同年2月には開幕戦フィリップアイランドにも帯同しており、今季は年間約80日の出張をこなしながら、各レーシングチームからのフィードバックをもとに製品チームと連携してスピーディな開発を進めている。

好奇心と決意を胸に 若い世代へのメッセージ

プリオグリオは、新しい環境で学ぶ姿勢の重要性について語っている。大学を卒業してプロの世界に入った際、自身が新参者であることを自覚し、自信を持ちつつも周囲の意見に耳を傾けることを心がけたという。常に疑問を持ち、間違えることを恐れずに質問を重ねる姿勢が、彼女の成長の原動力。自分が楽しんで取り組めることを見つけるのが目標達成への近道であり、プロジェクトがうまくいかない時でも決して諦めない強さが必要だと説明する。

また、ピレリの材料部門は男女比が約半々であり、平等な環境が整っているとしている。女性であることを理由に限界を感じたことはなく、目標に向かって決意を持って取り組むことの大切さを強調。若い女性たちに向けては、自分の好きなことを見つけたら、それを達成できると信じてほしいと呼びかけた。

過去の自分へのアドバイスとしては、「物事はきっとうまくいく」ともっと自信を持つべきだったと述べている。若い頃は将来への不安を抱えがちだが、決意と努力があれば必ず道は開けると語る。目標にすぐに到達できなくても、近いところから始めて徐々に理想へ近づいていく柔軟性が求められる。技術的な課題が絶えないモータースポーツの世界で、彼女はさらなる成長を志向。将来的には自身のチームを持ち、より多くの責任を担うことを目標に掲げており、その挑戦は今後も続いていく。

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