ゴールした大津崇博は、勝った実感よりも先に、少しだけ困ったような顔でこう言った。「こっちが全開なのに、プラス20km/hくらいでバーッと抜かれて。え、勝ち目ないじゃん、って思いましたよ」。抜いていったのは、この日の高速SSでトップタイムを叩き出したジャクリット・チャウタレ。マシン差によるトップスピード(ジャクリットは500cc、大津は350cc)では、明確に負けていた。それでも、モト部門でこの日いちばん速かったのは大津だった。競技3日目にして、TEAM MUSASHI JAPANの最年少ライダーが、ついにステージ優勝を掴む。速さとは何か、を考えさせる一日だった。
8月12日|ハイスピードと、ナビの迷宮
LEG3のコースは、大津にとって願ってもない性格だった。「けっこうハイスピードのラリーで、自分に向いてるなと思っていました」。だが、序盤から順風満帆だったわけではない。1本目のSSは、木が生い茂った区間に道が無数に枝分かれする、典型的なレベルの高いナビゲーション。ここでトップ集団すら迷った。抜け出したのはベテラン、岡本薫である。大津はこの1本目で岡本に10分の差をつけられ、「これは厳しいかもな」と一度は覚悟した。
情報提供元 [ Off1.jp ]
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