MotoGP第12戦イギリスGPが、8月7日から9日にかけて、イギリスのシルバーストン・サーキットで行われた。

イギリスGPは、2026年シーズン後半戦の最初のレースである。10月上旬の日本GPを含め、ここから残り11戦が行われる。

最高峰クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍(アプリリア)は、スプリントレースで2位を獲得した。決勝レースでは、転倒リタイアに終わった。

昨年転倒、負傷のシルバーストン。スプリントで2位獲得

イギリスGPは、小椋藍(アプリリア)にとって今季の一つのポイントと言えた。というのも、MotoGPライダーとしてルーキーであった昨年、まさにこのイギリスGPの金曜日午前中のフリープラクティス1で、激しい転倒を喫し、右ひざを負傷。イギリスGPの以降のセッション及びレースと、アラゴンGPを欠場したからだ。

つまり、小椋はMotoGPクラス1年目に、シルバーストン・サーキットを走った時間が45分程度。2026年シーズン、これまで戦ってきたサーキットよりも経験が少ないということだ。

そんな小椋だったが、金曜日午後のプラクティスで5番手に入って、Q2ダイレクト進出を決めた。さらに土曜日のQ2(予選2)では、3番手となり、今季3度目となる1列目を獲得した。

小椋藍(スーパーファイル・トラックハウス・MotoGP・チーム)©Trackhouse Racing

土曜日午後のスプリントレースでは、序盤からトップのホルヘ・マルティン(アプリリア)に次ぐ2番手をキープ。一時はマルティンに追いつくかと思われるペースを刻んだが、2位でゴールした。

レース後のパルクフェルメのインタビューで、小椋はリアタイヤのパフォーマンス低下が激しかったと語っている。このレースではほとんどのライダーがフロントにハードコンパウンド、リアにソフトコンパウンドを選択しており、小椋もその一人だった。

なお、リアタイヤについて言及していたライダーはほかにもおり、マルク・マルケス(ドゥカティ)は、リアタイヤのパフォーマンス低下によってポジションダウンを余儀なくされた。レース中盤には4番手を走っていたマルケスは、9位でフィニッシュしている。マルケスはMotoGP.comのインタビューのなかで、「3周目あたりに『最後はタイヤの持ちが勝負になる』と考えてタイヤをマネジメントし始めた。それでも十分ではなく、パフォーマンスが大幅に落ちた」と述べた。

このスプリントレースでは、アプリリア勢がトップ3を独占したことも注目に値する。優勝したのは、ファクトリーライダーのマルティン。2位は小椋で、3位はファクトリーライダーのマルコ・ベツェッキだった。

シーズン序盤、チャンピオンシップをリードしていたベツェッキは、サマーブレイク前のドイツGP予選でクラッシュし、左鎖骨を骨折した。サマーブレイク中に回復し、これが復帰戦だった。

決勝レースは今季初の転倒リタイア

日曜日の決勝レース、小椋はスタートでやや出遅れた。小椋だけではなく、ポールポジション(予選1番手)のマルティンもまた、後退したライダーだった。

マルティンの説明によれば、「このレースにおけるミスは、スタートだったね。うまく飛び出せなくて、1コーナーでは自分のポジションを守るのに楽観視しすぎた。その結果、ブレーキが足りなくてライドハイトデバイスが解除されなかったんだ」(チーム提供のコメントより)ということだった。

映像で確認すると、1コーナーでマルティンと小椋が、リアから火花を散らしているのがわかる。マルティンと同じことが(ライドハイトデバイスが解除されなかった)、おそらく小椋に起きていたと考えられる。

2025年のイギリスGPでは、トップを走っていたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)のライドハイトデバイスが解除されないというトラブルが発生し、クアルタラロがマシンを止めるという一幕があったが、今回はマルティンも小椋も、レースを続行することができた。

なお、オランダGPからフロント側のライドハイトデバイス(ホールショット・デバイス)が禁止されているが、リア側は引き続き、使用されている。

小椋はその後、7番手に後退した。そして、表彰台を狙うにはやや厳しいポジションで周回を重ねていた9周目、16コーナーで転倒を喫してリタイア。今季、スプリントレース、決勝レースをあわせて初の転倒リタイアだった。

一方、トップを快走したのは、小椋のチームメイトであるラウル・フェルナンデス(アプリリア)だ。フェルナンデスは今季初の優勝を飾り、2位はマルティン、3位はベツェッキで、スプリントレースに続き、アプリリア勢が表彰台を独占した。

元々、高速サーキットであるシルバーストン・サーキットは、アプリリアのMotoGPマシン、RS-GPと相性がいいと言われている。昨年にベツェッキがアプリリアで初優勝を飾ったのも、シルバーストン・サーキットだった。

今季、アプリリアRS-GPは進化に成功し、「勝てるサーキット」を増やしている。しかし今回のイギリスGPの結果により、これまで通りの強さもまた、持ち合わせていることを証明した。

第13戦アラゴンGPは、8月28日から30日にかけて、モーターランド・アラゴンで行われる。

スプリント、決勝レースでアプリリアがトップ3、表彰台を独占©MotoGP.com

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