2026年の鈴鹿8耐は、誰もが史上屈指の大激戦を期待していた。ワークス勢とEWC常連チームが集結し、中須賀克行のラスト8耐という特別な舞台。だが、そのシナリオは雨によって大きく書き換えられた。それでも勝者だけは変わらなかった。高橋 巧の史上最多8勝目、Honda HRCの盤石の戦略、ジョナサン・レイの執念、そして走ることなくチームを支えたソムキアット・チャントラ。セーフティカー決着という結果だけでは語れない、8時間の積み重ねが生んだ「必然の勝利」を振り返る。
■文:佐藤洋美 ■写真:赤松 孝鈴鹿を知り尽くした男の完勝劇──高橋 巧、前人未踏の8勝目
2026年FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦『鈴鹿8時間耐久ロードレース』が幕を閉じた。Honda HRCが勝利を飾り、高橋 巧は鈴鹿8耐史上最多となる8勝目を達成。ジョナサン・レイは「幸せだ」と喜びを語り、ソムキアット・チャントラもチームの勝利を心から称えた。
高橋は予選トップ3記者会見で「ここに並んだライダーたちの中で、誰よりも鈴鹿を走っているのは自分なので、雨でも晴れでも自信がある」と語った。
まさに、その言葉どおりの鈴鹿8耐となった。
大会前、高橋は語っていた。
「体力的なことを考えると夏は嫌だけど、勝敗だけを考えるのなら、酷暑となった方がホンダの強みが出る。だから暑くなってほしい」
だが、その願いはかなわなかった。
酷暑を免れた今年の鈴鹿8耐は、事前テストから路面温度が下がり、路面改修の影響もあってタイムが向上していた。本戦にはHonda HRC、YAMAHA FACTORY RACING TEAMのワークス勢に加え、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、YART-YAMAHA、Yoshimura SERT Motul、F.C.C. TSR Honda France、AutoRace Ube Racing Teamなど世界耐久選手権の強豪が集結。さらに、中須賀克行にとって最後の鈴鹿8耐ということもあり、注目度も高く史上稀に見る激戦が予想されていた。
しかし、その戦いは雨に翻弄された。
情報提供元 [ WEB Mr.Bike ]
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