熊本県のHSR九州で開催されている「鉄馬(てつうま)」は、鉄フレームのバイクのみが参加できるアマチュアレース。レギュレーションだけなら筑波サーキットで開催される「テイスト・オブ・ツクバ」に近いのだが、鉄馬には鉄馬でしか味わえない独特の魅力があるらしい?! そんな雰囲気に魅了されっぱなしのWebikeスタッフ・楠山が、自身3度目となる鉄馬に参戦してきた!

前回はラッキーな表彰台。今回も連続で狙いたい!

Webikeスタッフ楠山は、この九州のレース「鉄馬」に魅了されています。今回(2026年5月3日)の“2026 鉄馬 with TSK「合戦の日」”で参戦は3回目で、2025年の5月と11月にも熊本まで遠征。出場しているクラスは「ネオクラシック350」で、ホンダGB350とロイヤルエンフィールドのハンター350が参加できるクラスです。元々は2022年にGB350のワンメイクとしてスタートし、2024年からはハンター350もエントリーできるようになりました。

昨年11月のレースは参加台数が少なかったこともあり、一緒に東京から遠征している道岡選手(♯24・RE-Tokyo & Webike)が優勝、楠山(♯31・Webike & RE-Tokyo)が2位という結果を残せましたが、今回は強豪ライダーも揃って参戦してくるため、改めて実力が試される大会となりました。

参戦車両はRoyalEnfield Tokyo Westによってレーサー化が施されたロイヤルエンフィールド・ハンター350で、基本的には前回と同じ仕様のままで細かいセッティングのみ。ライダー側の準備としてダイエットに挑戦するもうまくいかず、結局前回と同じ体重72kgで熊本入りしました。

楠山(左)とRoyalEnfield Tokyo Westの道岡さん。ともにハンター350で鉄馬に参戦している(写真は昨年のもの)。

エンジンまわりはヨシムラの試作フルエキゾースト+サブコン(パワートロニック)でセッティング。リヤショックとフロントフォークのカートリッジはYSSで、タイヤは草レースの超定番・ピレリ・スーパーコルサ。アンダーカウルはマジカルレーシング製で、ステップは道岡さん制作のワンオフ品だ。

昨年(写真)は2位表彰台を獲得できたが、今年は果たして…。

【練習~予選】前回の走り方を思い出しながら試行錯誤。ベスト更新ならず

土曜の予選の前日に開催される練習走行枠に参加するため、金曜の午前に熊本空港に到着しました。マシンは道岡選手が東京から陸路で1200kmの道のりを運び、サーキットで待ってくれています。ハンターと半年ぶりの再会を果たして、すぐに走行準備へ。HSR九州のサーキットライセンスを取得していなくてもMFJライセンスがあれば走行は可能です。

今回のネオクラシック350クラス、エントリーは8台とまだ少ないですが、2025年より増えているのが嬉しい。練習走行では2レース使った中古タイヤをいたわりながら走り方を思い出していきます。パドックで仲間との再会、セッティングや乗り方を聞いたり聞かれたり牽制したり。鉄馬仲間とのコミュニケーションは全部が楽しいのです。夜は九州グルメを堪能して土曜に備えます。

そして土曜。鉄馬の予選は練習走行枠の2本を使い、そのなかでのベストタイムが採用されます。私は前回の自己ベストに0.2秒届かない1分23秒9。予選トップは2位以下を2秒以上引き離す圧倒的なタイムで金子美寿々選手(MORIWAKI Racing/GB350)が獲得。2番手に道岡選手、僅差で3番手の中山恵莉菜選手(ROYAL ENFIELD with Moto-Junkie)と続きます。速いライダー達の背中を拝む私のグリッドは4番手となりました。

今回、ネオクラシック350にハンター350で参戦した4人。左から中山恵莉菜選手/楠山/道岡さん/谷口充洋さん。

決戦グルメは…熊本というより博多?!

【決勝】難しいコンディションを攻めきれず、表彰台を逃す

明けて日曜は、前夜からの雨であいにくのウェットコンディション。雨はレース前にほぼ止んだものの、8割ウェットのため楠山はレインタイヤを選択。レースはドライタイヤを選択するマシンも混在した状態でスタートとなりました。

ネオクラシック350のスタート。♯30モリワキGBの金子選手がいきなり後続を引き離していく。

 

楠山は4番グリッドからダッシュを効かせられず、6番手で1-2コーナーをクリア。上位3台(金子・道岡・中山)に離される形でセカンドグループ3台(谷口・楠山・白石)の4位争いを形成。3人はそれぞれの得意ポイントで仕掛け合い、並んだり、クロスラインに挑戦したりと、接近戦を満喫しました。

トップを独走していた金子選手が単独転倒したため、トップ争いの2台に続く3位争いとなった3台のバトルは、徐々に路面が乾いていき、ドライタイヤを履く白石選手のペースが上がって3位に浮上。楠山は谷口選手に続く5位でのフィニッシュとなりました。表彰台を獲得できない悔しさとレースを満喫した充実感を味わう決勝となりました。

3台による3位争いの末、♯31楠山は5位でゴール。

♯24道岡選手は、♯14の中山選手を本当に僅差で上回り優勝!

優勝!

 

ネオクラシック350クラスはレースデビューにおすすめ!

今回もめいっぱい鉄馬を満喫しました。表彰台は逃してしまいましたが、パドック内の仲間とのコミュニケーションは楽しいし、コースは切り返しが多くてテクニカルだし、ご飯はおいしいし、阿蘇から吹く風も心地よい。週末の熊本滞在は最高のリフレッシュになります。

関東からのエントリーは移動負担も大きいですが、ここでしか得られない体験により、また次回もチャレンジしてみたくなる不思議な魅力が鉄馬にはあります。また、5月の鉄馬はロイヤルエンフィールド・ジャパンの出店があるためREのオーナーが来場し、応援してくれるためエントラントとしても気持ちが高まりました。

レースでは競り合うものの、ライバルというより仲間のような感覚。これも鉄馬の魅力。

表彰台には届かなかったものの、最高にリフレッシュできた!

道岡さんと中山さんによる表彰式。ん? 3位の選手は?

 

今回は不安定な天候のなか、夕方までのタイムスケジュールを会場全員の理解と協力で巻いて巻いて、昼過ぎには閉会式を完了するというミラクルな進行ができたのは、主催者の的確な判断力、運営力の高さがあってこそ。運営者と参加者の距離が近いからこそ成せる、運営レベルの高いイベントだと再認識しています。

そんな九州・熊本の草レースに興味を持って、参加して欲しいと願います。特にマシン作りや速度的にも敷居が低いネオクラシック350クラスは、サーキット走行を楽しんだことはあるけれどレースは未経験、というエントリーライダーに最適です。九州以外の地域からも、旅行を兼ねて遠征してみてはいかがでしょうか?

鉄馬オフィシャルサイト:https://www.tetsuuma.com/

鉄馬とは?

熊本県のHSR九州で開催されている、鉄フレーム車が参加できる人気のレースイベント。クラス分けはエンジン形式・排気量・年代やホイールサイズなどで細かく分けられる。一部のトップ集団を除けば、大切に仕上げた愛車でレースという非日常を楽しむ、仲間との和気あいあいとした雰囲気があるのが良いところ。

主催はUENO R&D/Moto Junkie/DeakCraftという3ショップを中心に、九州のオートバイショップやレース好きのライダー達の協力も得た「鉄馬実行委員会」で、出店企業やサーキットとも協力しながら10年以上に渡って続いている。参加型レースの一方で、トップカテゴリーのアイアン・エキスパートクラスにはモリワキや全日本選手権に参戦しているチーム、国際ライダー(下の写真はカワサキのレジェンド・柳川 明選手)も参加しており、ハイレベルなレースも楽しめる。

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