©Trackhouse Racing

MotoGP第10戦オランダGPが、6月26日から28日にかけて、オランダのTT・サーキット・アッセンで行われた。

最高峰クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍(アプリリア)は、スプリントレースで2位を獲得した。さらに決勝レースでは優勝を果たし、日本ライダーとしては22年ぶり(2004年日本GP玉田誠以来)の快挙を成し遂げた。

レース後半の強みを発揮し、トップを奪う

小椋藍(アプリリア)は、チェコGPで今季2度目となる表彰台を獲得してオランダGPを迎えた。オランダGPの舞台は、TT・サーキット・アッセン。ロードレース世界選手権(MotoGP)がスタートした1949年以降、開催され続けている唯一のサーキットで、“ロードレースの大聖堂”と呼ばれている。伝統あるサーキットだ。

フラットで高速サーキットであるアッセンを、小椋は好んでいた。Moto2時代には、相性がいいサーキットだと評していた。

そんなアッセンで、小椋が躍進した。

小椋は予選でポールポジション(1番手)こそ逃したものの、2番手を獲得した。そしてスプリントレースでは2位でゴール。スプリントレースでのトップ3獲得は、チェコGPに続き今季2度目(MotoGPクラスでも2度目)である。

なお、今回のオランダGPから、フロント側のホールショットデバイス(車高調整装置)は禁止されている。

日曜日の決勝レースでは、小椋がスタート後、トップで1コーナーに入った。だが直後にアプリリアのファクトリーライダーであるホルヘ・マルティンがトップに浮上。小椋はチームメイトのラウル・フェルナンデスにもかわされ、しばらく3番手で周回を重ねる。
15周目、小椋はこのレースでの最速ラップとなる1分32秒483を記録して前を走るマルティンとフェルナンデスを追い上げにかかる。小椋の強みはレース後半から終盤で、周りほどタイムを落とさずに走ることができる点にある。このため、周りがタイムを落とし始めたタイミングで、小椋が追い上げ可能なタイム差のなかにいることが重要だ。

今回の場合、15周目終了時点で、トップのマルティンとは0.555秒差、2番手のフェルナンデスとは0.355秒差だった。まさに射程圏内だったわけだ。さらに付け加えると、マルティンとフェルナンデスは1分33秒台にラップタイムを落とし始めたが、小椋のラップタイムは残り3周まで1分32秒台だった。

20周目にトップに立った小椋は、そのままトップでチェッカーを受けた©MotoGP.com

ライドハイトデバイスの想定外の作動にも冷静に対処

一つだけ小椋を焦らせたのは、16周目に起こったことだ。ライドハイトデバイスが予定外のところで作動したのである。小椋は5コーナーでハードブレーキングを行いこれを解除したが(このために少しはらんでしまった)、その後は落ち着いて前の二人を追った。

このときの状況について、小椋はMotoGP.comの「アフター・ザ・フラッグ」でこのように説明していた。

「最後のシケインを立ち上がるところでリアのライドハイトデバイスを作動させて、1コーナーで解除したんですが、なぜか1コーナーから3コーナーの間でもう一度作動してしまったんです。たぶん、何かボタンに触ってしまったんだと思います。あるいは別の原因かもしれませんが、自分のミスだったと思います。あのときはちょっとヒヤッとしました。でも幸い、そこまで大きくタイムを失わずにすみました」

18周目には2番手にポジションダウンしていたマルティンを、20周目にはトップのフェルナンデスをかわしてレースリーダーとなった。そして、2番手に2秒の差をつけて、MotoGPクラス初優勝を飾ったのである。

小椋はフランスGPの決勝レースで3位、前戦チェコGPではポジションを一つ上げて2位を獲得してきた。そして今季3度目の表彰台では、見事、頂点を獲得した。

日本人ライダーとしては、2004年日本GPでの玉田誠以来となる優勝という、快挙だった。

オランダGPの結果、小椋はチャンピオンシップのランキング4番手に浮上した。ランキングトップであるマルティンとは、25ポイント差である。12戦が残っている状況を踏まえると、チャンピオン争いを十分に考えられるポイント差だ。

といっても、小椋は自分のスタンスを崩さない。チャンピオン争いの候補に挙がることについて、レース後のトップ3会見で問われると、「25ポイント差なら、通常はそうなるでしょうね。数字的に『そう』なら、そういうことです」と、冷静に答えていた。

チェッカーを受けた瞬間、ガッツポーズ。普段冷静な小椋も、歓喜を隠さなかった©MotoGP.com

日本人ライダーとしては22年ぶりの最高峰クラスの優勝だ©MotoGP.com

パルクフェルメでチームと喜びを分かち合う©Trackhouse Racing

アプリリアが表彰台を独占。マルケスは7位に終わる

今回のレースでは、チャンピオンシップのランキングトップだったマルコ・ベツェッキ(アプリリア)が序盤に激しいクラッシュを喫した。チームの発表によれば、メディカルセンターでの検査を経てフローニンゲン病院に搬送され、幸い、大きな怪我は確認されなかったということだ。ただ、ベツェッキには3戦連続で決勝レースでのノーポイントとなって、ランキングは2番手に後退した。

また、アプリリアが表彰台を独占した一方、ハンガリーGPとチェコGPで2連勝を飾ったマルク・マルケス(ドゥカティ)は、今回は7位に終わった。このためランキング5番手に後退している。また、一時は6番手を走ったペドロ・アコスタ(KTM)は、右腕の問題により、レース中にピットインをしてリタイアした。

次戦の第11戦ドイツGPは、7月10日から12日にかけて、ドイツのザクセンリンクで行われる。これが、2026年シーズン前半戦最後のレースとなる。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    小椋選手ほんとうにおめでとう!!前回の2位といい本物ですね。益々の活躍期待してます!

  2. 匿名 より:

    やったぜ!しかし、トップ争いをもっと映せと何回、叫んだか!次もファイトだ!

  3. トプさん! より:

    日本の誇りです、感動しました。

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