
2026年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けて、Honda HRCは4連覇中の勝者として再び表彰台の頂点防衛に挑む。ヤマハがファクトリー体制を復活させ、着実に距離を詰めてきた中で、Honda HRCは挑戦を受ける立場としてこのレースを迎えることになる。
ベースとなるのはホンダCBR1000RR-R。2025年からの大きな変更はなく、昨年のパッケージを継続しながら熟成を進めるアプローチが取られている。路面改修への対応や、昨年から使用しているオーリンズサスペンションのセットアップ進化など、“大改革ではなく精度の追求”が今年のテーマだ。
5月12~13日の鈴鹿8耐テストでは、ジョナサン・レイが2分04秒773を記録し、トップタイムをマーク。依然としてレース全体の中でも頭一つ抜けた速さを示した。
目次
高橋巧が語る“変えない強さ”。積み上げたベースの成熟
高橋巧はマシンの方向性について「マシン自体は去年のベースから大きく変わっていません。去年戦ったベースセッティングで今年も来ていて、大きな変更はありません」と語る。
Honda HRCは新路面への適応を進めつつも、極端な方向転換は行っていない。その理由について高橋は、積み上げのフェーズにあることを強調する。
「前週のプライベートテストからタイヤの摩耗も改善されていますし、22~23周走ったタイヤでも最後に2分05秒0が出せる。仕上がりは悪くないと思います」
さらにロングランの安定性にも手応えを見せており、単発の速さではなく“レース全体での強さ”を重視した仕上がりとなっている。
また、ライバルの動向についても冷静に見ており、「みんなタイムは出しているけど、アベレージがどうなるかはまだ見えていない。自分たちはやるべきことをやるだけです」と4連覇中の鈴鹿8耐王者らしい、静かな自信がにじむ。
ヤマハがファクトリー体制を復活させ、昨年2位という結果で存在感を示した中で、その差は確実に縮まりつつある。スピードで押し返すのではなく、積み上げたパッケージの精度で受け止める構図が鮮明になっている。
また、チームメイトとなるジョナサン・レイについても「基本的に今ある車両のセッティングにライディングで合わせてくれているので、細かい部分までは把握していないけど、それだけライダー側がバイクにアジャストしているということだと思う」と語り、経験豊富なレイがチームの方向性に順応しながら走れている点に手応えを示した。
ジョナサン・レイが語る“CBRの本質”と耐久レースの現実
2026年からHonda HRCに本格合流しているジョナサン・レイは、WorldSBKと鈴鹿8耐仕様マシンの違いについて「比較は難しい。タイヤも違うし、燃費もあるのでフルパワーでは走れない。その分、このバイクはとても扱いやすい」と語った。
さらに鈴鹿8耐という特殊なレースについても、独自の視点を示した。「耐久レースはライダーごとにセッティングの妥協点を見つける必要がある。これは巧のバイクで、彼の方向性に合わせている」
そのうえで、自身の役割を「自分のスタイルを大きく変える必要はないけれど、いくつかの部分は受け入れなければいけない。例えば僕はフロントをもっと柔らかくしたいけど、それは妥協点になる」と理解している。
それでも、バイクそのものへの信頼は強い。「タイヤは大きな違いを生むけど、バイクの感触はCBRのまま。心臓部はホンダで、それが一番の共通点だ」とレイ。
短期間のテストでありながら、トップタイムを記録した事実は、その適応力の高さを示している。
鈴鹿8耐という特別な舞台と、レイが選んだ理由
ジョナサン・レイにとって、鈴鹿8耐は特別なレースだ。WorldSBKのフルタイム参戦からは退いているが、このレースには挑戦する。
「体力的には非常にハードなサーキットだけど、このバイクならかなり楽に感じる」
過去にも成功と困難を経験した舞台であり、その印象は今も強く残っているようで「鈴鹿は大好きなレースで、良い思い出も悪い思い出もある。でももっと勝てていたはずのレースだと思っている」という。
そして今回、Honda HRCでの新たな挑戦を選んだ理由については「フルタイムのレースは疲れていたけど、この新しい役割で再び勝利を目指せるのは良い挑戦だと思った」と語った。さらに日本のファンへの印象も「日本のファンはとても温かく情熱的で、またここに戻って来られて嬉しい」と口にした。
ザルコ離脱と代役体制、揺れながらも強さは維持
本来は高橋巧、ジョナサン・レイ、ヨハン・ザルコの3人体制で臨む予定だったHonda HRCだが、ザルコはMotoGP第6戦カタルーニャGPでの負傷により欠場となり、代わってソムキャット・チャントラが参戦することが決定した。
直前での変更となったが、Honda HRCは「レースウイークからの合流でも十分対応できる」と自信を見せている。また、チャントラは5月のプライベートテストにも参加しているため、レースウイークで初めて鈴鹿8耐仕様のCBR1000RR-Rを駆るわけでもない。
ヤマハが復活2年目でさらに完成度を高め、追撃の色を強める一方で、Honda HRCは“完成されたパッケージの熟成”で迎え撃つ構図となる。速さ、安定性、そして経験値。すべてが揃っている勝者は、今年もまた頂点の座を譲るつもりはない。
「一大会一大会を全力で戦う中で、連勝を続けられる限りはそれを目指したい。そのうえで、去年以上に強いホンダを見せたい」と高橋巧は意気込む。
完成された鈴鹿8耐の王者は、守りながらも確実にアップデートされている。2026年鈴鹿8耐は、挑戦者と勝者の距離がこれまで以上に縮まりつつある中で幕を開ける。
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高橋はゴール後の国際映像向けインタビューでもうちょっとまともな英語を話せるよう、勉強しておいてほしい。
英語に自信ニキwww