
2026年は、例年より約20日間はやく開催されるハチタイ。徐々に参戦チームの陣容が明らかになり始める中、鈴鹿サーキットでは各チームのテストが行なわれるなか、5月12~13日には鈴鹿サーキット主催の公開事前テスト、特別スポーツ走行の「Suzuka Test Session」が行なわれました。
海外勢などなかなかライダーが勢ぞろい、というわけにはいかない時期ですが、ヨシムラSERT MOTULやF.C.C.TSRホンダフランス、Dafy-kaedear-Rac41ホンダら世界耐久レギュラーチームも来日し、約40台が精力的に走行を繰り返す様子が見えました。
好天に恵まれた初日。全参加チームがA/Bグループに分けられ、3セッションとAB合同のナイトセッションが行なわれました。気温は20度を超えた初夏の陽気で、それでも真夏のハチタイとはまだまだ気温も湿度も、路面温度も大きく違うテストとなりました。
初日はホンダHRCが貫禄のトップタイム
Aグループ1回目の走行は、
①NCXXレーシングwithライダースクラブ(SST:2分08秒400)
②ホンダ栃木レーシング&向陽会ドリームレーシング(EXP)
③④TONE Team4413BMW(SST)
⑤⑥KRP三陽工業&RS ITOH(EWC)
といった顔ぶれがトップ5。1チームでふたつ順位があるのは、2台での出走が認められているためです。トップタイムのNCXXレーシングはSSTクラスに参戦する原田哲也さんが率いるチームで、長島哲太/亀井雄大/伊達雄太の強力トリオですね。
Bグループ1回目の走行ではEWCクラスのトップチームが顔をそろえ
①②ホンダHRC(EWC:2分05秒186)
③SDGチームハルクプロホンダ(EWC)
④F.C.C.TSRホンダフランス(EWC)
⑤チームATJ with NTT docomo Business(EWC)
という顔ぶれがトップ5。Tカーを含めトップタイムをマークしたホンダHRCは、高橋巧とジョナサン・レイが走行。順調な仕上がりを見せましたが、もうひとりのライダーであるヨハン・ザルコが、5月17日のMotoGPカタルニアGPで転倒し、負傷。ダメージが大きく、まだ正式発表はありませんが、ハチタイ参戦はおそらく不可能となりました。ホンダHRCは、昨年同様ふたりのライダーで走るのか、それとも別のライダーを招集するのか、選択を迫られていると思います。3番手につけたハルクプロは、前回のコラムでお伝えしたように、國井勇輝/名越哲平/阿部恵斗がトリオを組みます。
初日2回目の走行では、AグループでDUNLOPレーシングチームwith YAHAGIがトップタイムをマークしますが、これはハチタイ出場を前提としないテスト車で、ハチタイ参戦組のトップタイムはTeamベビーフェイスTitanium Power(EWC:2分07秒955)、2番手にMARUMAEチームKODAMA、3番手にホンダ鈴鹿レーシングが入りました。
Bグループでは、ホンダHRCが2セッション連続でトップタイム2分05秒258をマークし、2番手にF.C.C.TSRホンダフランス、3番手にホンダHRCの2号車が入って、4番手にヤマハファクトリーレーシングがつけました。ヤマハファクトリーレーシングは、中須賀克行と〇〇が走行し、前回のコラムでお伝えしたジャック・ミラーとロベルト・ロカテッリは来日していません。
初日3回目のセッションでは、AグループでまたもDUNLOPレーシングがトップタイムとなり、TeamベビーフェイスTitanium Power、KRP三陽工業&RS ITOH、MARUMAEチームKODAMAが続く展開。
Bグループでは、Astemo ProホンダSIレーシング(EWC:2分05秒189)でトップタイムをマークし、ホンダHRC、ヤマハファクトリーレーシングが続く。SIレーシングは全日本ロードレースエントラントを中心としたチームで、野佐根航汰/羽田太河/荒川晃大のトリオが走行し、セッション中にマシンストップというシーンも見られたが、これはハチタイ特有の「ガス欠テスト」だろうと思われ、つまり決勝レースと同じペースでロングランテストを行ない、何ラップでガソリンがカラになるか、のデータを収集していたものと思われます。この3回目のセッションから、各チームともピットインの度に本番さながらのピットワーク練習を始めていたのが印象的でした。
ナイトセッションは、ハチタイ決勝のラストスティントに相当する18時30分から60分間で行なわれましたが、気温が下がり、肌寒い中での走行。ここは、やはりハチタイの蒸し暑さが感じられませんでした。
このセッションでは、ル・マン24時間を走り終えたばかりの世界耐久チームがハイペースで走行。F.C.C.TSRホンダフランス、ヨシムラSERT MOTULがセッション序盤から上位を走り、本番よりも暗く感じられた残り30分で順位が大きく変動。トップの座をキープしたヨシムラ(2分06秒346)に、ヤマハファクトリーレーシング、TSRホンダ、ホンダHRC、TeamスズキCNチャレンジが続きました。
2日目もハチタイ本番さながらの好天に
初日よりも暑く感じられ、ハチタイ本番を思わせる好天に恵まれたテスト2日目。セッションは午前に80分間、午後に90分間と長めの走行時間設定で、ハチタイ本番に向けてピットイン回数を減らし、ライダー交代も少ないロングランを行なうチームが目立ちました。
Bグループが先に走行した2日目1回目のセッションでは、やはりホンダHRCが2分04秒773でトップタイムを奪取。ヨシムラSERT MOTUL、F.C.C.TSRホンダフランスが続きました。このセッションではスペアマシンを含めての6番手、実質4番手にエスパルスドリームレーシングSUZUKIがランクイン。スズキGSX-Rで全日本ロードレースを戦う西村硝/村瀬健琉の2名でテストに参加したチームです。
Aグループでは、DUNLOPレーシング2台に続いてMARUMAEチームKODAMA、TeamベビーフェイスTitanium Power、ホンダ鈴鹿レーシングがTOP3に、面白いのが4番手につけたホンダ浜松エスカルゴwith DREAM、5番手につけたホンダ栃木レーシング&向陽会ドリームレーシングがEWCでもSSでもないEXP(=エクスペリメンタル:実験)クラスにエントリーしてくること。EWC/SSTクラスレギュレーション外でのマシン作りは、カーボンフリー燃料を使用しているようです。
2日間のテストで最も長い90分間のスケジュールだった2日目2回目のセッションでも、まずBグループが走行し、ラストセッションということでアタック要素も入れ込んだのか、ホンダHRCとヨシムラSERT MOTULが激しいトップ争いを展開。この2チームが2台ずつホンダ→ヨシムラ→ヨシムラ→ホンダとTOP4を占め、5番手にTeamスズキCNチャレンジ、6番手にF.C.C.TSRホンダフランスが続きました。

渥美心、グレッグ・ブラックが参加したヨシムラSERT MOTUL。よく見るとマシンにウィングレットが装着されており、これは26年型GSX-R1000Rをベースマシンとしている証だ。(photo/ヨシムラ)

TeamスズキCNチャレンジには津田拓也(中)、エティエンヌ・マッソン(右)に水野涼(左)が合流。全日本ロードレースでランキングトップを走る水野が、マシンをドゥカティに乗り換え、スズキでワークスチームを経験することになる。(photo/SUZUKI)
Aグループ最後の走行では、DUNLOPレーシングに続いてTeamベビーフェイスTitanium Power、ホンダ鈴鹿レーシング、ベビーフェイス2号車をはさんで、TONE Team4413BMWが5番手につけました。
2日間、計6セッションで行なわれたテストでは、やはりホンダHRCがコンスタントに速いラップタイムを披露しましたが、大きな問題は、やはりザルコの不在。こうなれば、昨年の大会に出場予定だったものの、鈴鹿テストで転倒、負傷して出場できなかったMotoGPライダーであるルカ・マリーニの招集も考えられますが、HRCはレイ&高橋の2人で充分、しかし当のライダー2人は3人目の招集を熱望しているのではないか……と勝手に予想してみましょうか。
<つづく>
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