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MotoGP第5戦フランスGPで、小椋藍(アプリリア)が3位表彰台を獲得した。日本人ライダーがMotoGPクラスで表彰台を獲得したのは、2012年バレンシアGPの中須賀克行(2位)、ドライコンディションでは2006年オランダGPの中野真矢(2位)以来である。

フランスGP後の翌週、カタルーニャGP木曜日に、オンラインで小椋にインタビューを行った。

初表彰台に、涙は……?

フランスGPの決勝レースを、小椋は3列目8番手からスタートした。レース序盤は7番手、中盤は6番手を走行する。しかし小椋は、レース後半に強さを発揮する。タイヤが摩耗するレース後半でも、他のライダーほどラップタイムを落とさずに走ることができるからだ。

16周目に2番手を走っていたフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)が転倒し、代わって2番手に浮上したペドロ・アコスタ(KTM)が次第にタイムを落としていく。小椋は21周目にファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、23周目にアコスタをとらえ、3番手に浮上。アプリリアのファクトリーチームのライダーであるホルヘ・マルティンとマルコ・ベツェッキに続いて、3番手でゴールした。

日本人ライダーとしては、14年ぶりに最高峰クラスでの表彰台獲得という快挙である。

「『ようやく』という(思いの)ほうが強かったですね」

小椋は、3位でチェッカーを受けたときの心情をそう表現する。

2026年シーズンが開幕して以来、小椋はずっと、表彰台を渇望していたという。そこには、表彰台を獲得できたかもしれないレースがいくつかあったこと、そして、現4名のアプリリアライダーのなかで、2026年フランスGPまでに表彰台を獲得していないのが小椋だけであるということも背景にあった。

「今年は開幕戦からマネジメントや自分の出来次第では表彰台獲得が可能だったのかな、というレースが多かったんです。それもあって、『ようやく』という感じが強かったんじゃないかなと思うんですけどね」

「今、これだけいい状態でレースさせてもらっていますからね。他の3人は優勝もしているし……。一回もトップ3に入れていないのは僕だけだったから。安心が大きかった感じでしたね。ほんとに」

なお、MotoGPクラスでの初表彰台に、涙が浮かんだ瞬間があったのか……と聞くと、小椋はきっぱりと「それはまったくなかったですね!」と否定した。

「ただただ、うれしいだけでした。感動的な時間はなかったです、少しも!」

3位獲得のあとは、歓喜と、そして安堵の時間だったようだ。

「まったく期待していなかった」ル・マン

小椋が表彰台を意識したのは、決勝レースの最中だったという。

もともと、フランスGPの舞台であるル・マン-ブガッティ・サーキットは、小椋が得意としているわけではない。

「ル・マンはまったく(表彰台獲得を)期待していなかったです。そもそも、金曜日プラクティスのトップ10入り、Q2ダイレクト進出も僕としてはかなり驚きでした」

金曜日午後に行われるプラクティスは、トップ10に入ることができれば、土曜日の予選でQ2進出が決まり、その時点で12番手以上のグリッドが確定する。このため、プラクティスの終盤、残り10分以降は、非常に激しいタイムアタック合戦となる。準予選と言ってもいい。小椋はフランスGPの金曜日プラクティスで9番手に入り、Q2ダイレクト進出を決めていた。

予選(Q2)では9番手を獲得。土曜日、13周で行われたスプリントレースでは、7位だった。

「(日曜日の)スプリントを終えて、タイムアタックのときほど周りと差がないなと感じることができました。それでも、目標は5、6位だな、という感じでした。だから、ほんとに決勝レース中ですね。『いけるかもしれない』と思ったのは」

16周目以降、表彰台圏内を走っていたアコスタがラップタイムを落とし始めたとき、小椋は前を走っていたディ・ジャンアントニオに迫っていた。ディ・ジャンアントニオとともに、アコスタにも迫っているとわかったとき、小椋のなかに「表彰台」が現実味を帯びて見えてきたという。

実際のところ、優勝したマルティンや2位のベツェッキ、小椋が抜き去ったアコスタ、ディ・ジャンアントニオなどがレース前半に自己ベストタイムを記録しているが(そしてそれはごく普通のタイミングだ)、小椋は27周のレースで19周目に自己ベストタイムを記録している。

「僕としては、ル・マンはそこまでタイヤを気にして走らなくてもいいサーキットなんです。常に状況にあわせてベストを尽くしていただけ。でも、周りのライダーにはタイヤの落ち方に問題があった人もいたみたいなので、それが僕たちにとってはいい方向に働いてくれましたけどね」

こうしたレース後半の状況について、小椋はそう語っていた。とはいえ、持ち味が武器として大いに働いたことは確かだろう。

フランスGPの3位は、小椋の強みがライバルたちをしのぐことを証明した。これが「小椋にとって最初の表彰台」と表現される日も、そう遠くはないはずだ。

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