例年、7月最終週に行なわれることが多かった「ハチタイ」こと鈴鹿8時間耐久ロードレースが、今年2026年は7月第一週にレースウィークを迎え、7月5日(日曜日)に決勝レースが行なわれる。いつもより1か月ほど早い開催だが、真夏の祭典には変わりはなく、全4戦で行なわれる世界耐久選手権の第3戦となるのも変わりはない。

5月12日からは公式公開テストもスタートするが、それに合わせてトップチームの参戦体制も、徐々に明らかになってきた。

ハチタイ参戦チームは大きく分けて3種類があり、それが①世界耐久選手権を戦っているレギュラーチーム、②この大会のためだけに編成された日本のワンマッチワークスチーム、③全日本選手権を戦うメンバーを母体とするチームという種別。ここに、この大会のためだけに編成されるオリジナルチームが加わって優勝を争うのだ。

4連覇達成のHonda HRCにはジョナサン・レイがマッチングで優勝候補の筆頭に

昨年の大会で、連覇記録を「4」まで伸ばしているHonda HRC。写真の高橋巧&ヨハン・ザルコに、スーパーバイクキング、ジョナサン・レイが合流する

まずは22年の第43回大会から25年の第46回大会まで4連覇を達成しているホンダ陣営=Honda HRCは、4連覇中の22年からチームを牽引している高橋巧を軸に、24~25年と2連覇中のヨハン・ザルコを組み合わせ、3人目には25年からホンダWSBK陣営のテストライダーを務めるジョナサン・レイをマッチングしてきた。

昨年の第46回大会では、3人目のライダーの相次ぐ負傷で2人ライダー制で戦わざるを得ず、高橋+ザルコの2人でハチタイを戦ったHonda HRCが、再び3人目の人選に苦しむより、新たにテストライダーとなった、12年にホンダで、19年にカワサキでハチタイ優勝経験のあるレイに白羽の矢を立てたもの。

今シーズンのワールドスーパーバイクにも、2戦に代役参戦しているジョナサン・レイ。すでに鈴鹿でのプライベートテストも済ませている。

「Honda HRCのライダーとしてハチタイに戻ってくることができて、しかも4連覇という偉業をなし遂げているチームの一員として参戦できることを、心から嬉しく、誇りに思います。ハチタイへの実戦参加からは遠ざかっていましたが、鈴鹿サーキットでのCBR1000RR-Rのポテンシャルには疑いの余地がありません。巧選手、ヨハン選手とともに勝利をつかむために全力を尽くします」とレイ。高橋が7回、ザルコが2回、そしてレイが2回と、計11回のハチタイ優勝経験を持つライダーのトリオが優勝候補の筆頭だ。

ホンダの最強ハチタイマシン、CBR1000-RR-R SP。写真は2025年モデル。

ヤマハファクトリーは25年大会と同じ顔触れで打倒HRCを目指す!

昨年の大会と同じ、中須賀克行+ジャック・ミラー+アンドレア・ロカテッリがトリオを組むヤマハファクトリーレーシングチーム。中須賀にとって最後の8耐!?

ホンダ4連覇の前、15~18年に4連覇を達成しているのがヤマハ陣営=ヤマハファクトリーレーシングチーム(=YFRT)だ。そのヤマハは、今シーズン限りで全日本ロードレース参戦からの引退を表明している中須賀克行を軸に、MotoGPライダーのジャック・ミラーと、昨年の大会でポールポジションを獲得したアンドレア・ロカテッリのトリオと、25年大会と同じ顔触れで打倒HRCを目指す。

昨年の第46回大会では、優勝したHonda HRCと同一周回を走りながら2位に甘んじてしまったYFRTは、早々とリベンジを宣言し、昨年に涙をのんだ顔ぶれと同じチーム編成としたのだ。引退を宣言しているとはいえ、いまだ実力は超一級の中須賀と、世界最高峰MotoGPライダーであるミラー、そしてYZF-R1を知り尽くしているWSBKライダーであるロカテッリのトリオは隙のない盤石の体制。昨年の敗戦から1年がかりのリベンジに燃えている。

「昨年はTOP10トライアルでの転倒があり、決勝は2位と、とても悔しい思いをした。今年は、去年のすべてを上回ることが目標。今シーズンで引退するというナカスガサンと一緒に、表彰台の真ん中に立つ!」とミラー。

全日本ロードレースを通じてハチタイマシンの開発・熟成を進めているYFRT。写真は26年全日本ロードレース出場車、ハチタイはゼッケン21となる。

スズキはDUCATI TEAM KAGAYAMAから水野涼が電撃参戦

全日本ロードレースにフル参戦し、ハチタイマシン、CNチャレンジを進めているチームスズキ。ハチタイでのゼッケンは「0」となる。

ホンダ、ヤマハのワークス2チームに立ち向かうスズキは、2024年大会から、新しい方向性でハチタイに臨んでいる。それがCN=カーボン・ニュートラルという、世相を反映したレース活動だ。チーム名はTeam SUZUKI CN Challengeで、クラスは順位賞典外となるエクスペリメンタル。実質的にはEWCレギュレーション外だが、CNチャレンジのマシン製作は、決して性能向上のためのレギュレーション外パーツの使用ではないため、チームスズキのエンジニアやスタッフ、そしてハチタイファンは、ホンダ、ヤマハと同じ土俵でハチタイを戦っていると見ているのだ。

Team SUZUKI CN Challengeのメンバーは、同チームから全日本ロードレースに参戦している津田拓也と、過去2年の同チーム活動の重要メンバーであるエティエンヌ・マッソン、そして注目の3人目には、なんとDUCATI TEAM KAGAYAMAから全日本ロードレースに参戦している水野涼という発表があったばかりだ。

24~25年に、DUCATIパニガーレV4Rでハチタイに参戦していたTEAM KAGAYAMAは、26年の全日本ロードレースでのチャンピオン獲得にリソースを集中するため、と今大会への不参加を発表。そのため、ライダーである水野がスズキ陣営にレンタルされる形での参戦となったものだ。水野は、ミニバイクやジュニア時代も含め、スズキのマシンに乗るのは初めて。ライダーとしてのパフォーマンスは文句のつけようがないだけに、ハチタイで初乗りするというチャレンジがどう結実するのかに注目したい。

出揃い始めた、ハチタイに参戦するためだけに結成されるワンマッチ・ワークスチーム。次回のこの欄では、この鈴鹿8耐に世界選手権シリーズの一戦として参戦するレギュラーチームの様子をお伝えします。

<つづく>

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