■サーキット:ル・マン ブガッティ サーキット
■ 開催日:2026年4月18日 ~ 19日
■ チーム名:Team Kawasaki Webike Trickstar
■ ゼッケン:#11
■ライダー:ロマン・ラモス / クリスチャン ガマリノ / グレゴリー・ルブラン
■結果:予選8位(1分35秒389)/ 決勝 3位(周回数:848、ベストラップ:1分36秒757)
目次
ル・マン24時間耐久ロードレース 結果報告
FIM世界耐久選手権の開幕戦、ル・マン24時間耐久ロードレースが開催された。
2026 年シーズンの初戦として迎えた本大会、 Team KWT はロマン ラモス選手、 クリスチャン ガマリノ選手、グレゴリー ルブラン選手の継続体制に、 リザーブライダーのエンツォデラベガ選手を加えた4名で挑む。
今季は新型マシンを投入し、 新設計フェアリングおよびウイングレットの採用により安定性が大きく向上。プレテストからレースウィークの走行にかけて良好なフィーリングを得ており、さらなるセットアップの最適化に手応えを感じていた。
16、17日 / 予選
チームは予選1回目は新品タイヤをフロント・リアそれぞれ1本ずつ使用し、タイヤ評価とセットアップの方向性を確認。予選2回目では、予選用および決勝用の新品タイヤを確認しながら、決勝を見据えたセッティングを詰めていく計画で予選に臨んだ。
ドライコンディションのもと行われた予選1回目では、ライダーブルー ロマン選手が1分35秒450でグループ6番手を記録。続くライダーイエロー クリスチャン選手はロマン選手のユーズドタイヤを使用し、1分35秒906でグループ6番手につけた。ライダーレッド グレゴリールブラン選手はマシンセッティングに重点を置いた走行を行い、1分36秒681でグループ8番手。データ収集を進めながらの予選となった。
続く予選2回目では、チーム全体としてのタイムアップに成功。
ロマン選手は1分35秒514でグループ6番手、クリスチャン選手は自己ベストとなる1分35秒401でグループ6番手につけた。グレゴリー選手は1分35秒378とチーム最速タイムを記録するが、その直後に転倒を喫するアクシデントが発生。セッションは大きな影響なく終了したものの、想定していたタイヤ評価を十分に行いきれないまま予選を終えることとなった。
グレゴリー選手とクリスチャン選手の合算タイムにより、総合8番グリッドを獲得。
決勝前のフリープラクティスではセッティングが定まりきらず苦戦を強いられる場面もあったが、チームは状況を冷静に分析し、入念なミーティングを重ねて方向性を再構築。新たなセットアップを見出し、決勝へと臨むこととなった。
18、19 日 / 決勝レース 3位
決勝日はおおむね晴天に恵まれたものの、 雲と風の影響でやや肌寒さを感じるコンディションとなった。
スタートライダーを務めたのはロマン ラモス選手。8番グリッドから飛び出すと安定したペースで周回を重ね、序盤から着実にポジションを上げていく。続くクリスチャン ガマリノ選手も堅実な走りでレースを組み立て、燃費面で優位性を持つKWTはライバル勢のピットタイミングを捉え、レース開始2時間時点で2番手に浮上する好スタートを切った。
グレゴリールブラン選手へと繋いだ後も流れは途切れることなく、レース開始3時間時点では5番手。その後も安定したペースで周回を重ね、前半は終始大きなトラブルなく順調な展開でレースを進めていった。
レース開始から約5時間半、オイルフラッグの提示により今大会初のセーフティーカーが導入される。約15分間の中断を経てレースは再開されるが、KWTは冷静に対応しポジションを維持。再スタート後もリズムを崩すことなく走行を続けた。
夜間走行に入ると気温は一気に低下し、深夜帯には7度前後まで冷え込む厳しいコンディションに。その中でもチームは集中力を切らすことなく走り続け、レース開始8時間時点では5番手で通過し、中間ポイントを獲得。序盤から築いてきた安定したレース運びがここで確実に結果へと結びついた。レースは折り返しを迎え、10時間時点ではトップから3周差の4番手。
さらに他チームのトラブルも重なり、13時間経過時点で3番手へ浮上。上位争いに食らいつきながら、 着実にポジションを押し上げていく。夜明けを迎えた後も3位争いは激化。
16時間経過時点の中間ポイント争いでは、僅差の攻防の中で3番手を死守し再び中間ポイントを獲得。重要な局面で確実にポイントを積み重ねる強さを見せた。
しかし終盤、レースは再び試練を与える。
残り7時間を切ったタイミングで、4番手走行中のグレゴリー選手にアクシデントが発生。ピットレーン付近でエンジンがストップするという緊急事態に見舞われる。グレゴリー選手はマシンを押してピットへ戻り、チームは即座に修復作業を実施。
トラブルの原因となった部品交換も迅速に行われ、メカニック陣の的確な判断と作業により短時間でマシンをコースへ復帰させた。
再スタート後はトップから約12周差の4番手でレースに復帰する。その後もコンディションの変化やセーフティーカー導入など波乱の展開が続く中、チームは粘り強く走行を継続。残り2時間を迎えたタイミングで上位チームにトラブルが発生し、Kawasaki Webike Trickstarは3番手へ浮上する。
そして迎えた最終盤。
24時間という長い戦いを走り抜き、Kawasaki Webike Trickstarは総合3位でチェッカー。開幕戦において価値ある表彰台を獲得した。
予選から課題を抱えながらも、レース中の的確な判断と修正力、そしてライダーとチーム全員の執念が導いた今回の結果。
さらに8時間・16時間の中間ポイントを確実に積み上げたことで、チャンピオンシップにおいても重要なポジションにつけることとなった。この3位は単なる結果ではなく、チーム力の進化と “戦い抜く強さ” を証明した表彰台。その勢いをそのままに、KWTは次戦スパ8時間耐久ロードレースへと挑む。
選手・マネージャーコメント
ロマン ラモス選手コメント
今回のレースの内容にはとても満足しています。ル・マンでのレースウィークを通して、チームは決勝に向けて良いマシンを用意するために本当に頑張ってくれましたしその努力が最後に表彰台という結果につながりました。
新型マシンについても非常に良いフィーリングを持っており、チームが投入してくれた改善によってパフォーマンスが向上し、特にピットストップではチームの強さが際立っていて、とても感謝しています。
レース中で最も難しかったのは夜間の寒さで、手がかじかむほどのコンディションでしたが、それでも全員でプッシュし続け、重要な結果を残すことができました。次戦スパ8時間に向けてはさらに改善を続け、優勝争いができるようにしていきたいです。スパは自分にとって特別なサーキットなので、そこで素晴らしいレースをしたいと思っています。
クリスチャン ガマリノ選手コメント
今回のレースはとても良い内容でした。チームはほぼ完璧な仕事をしてくれて、予期せぬトラブルが発生した場面でもすぐに解決することができました。24時間レースは常に難しいものですが、その中で表彰台を獲得できたことは本当に誇るべき結果だと思います。
バイクは昨年より確実に進化していて、正直ここまでとは思っていませんでしたが新しいカウルによって高速域での安定性が大きく向上しました。もちろん24時間レースでは常に難しさがありますし、いつ攻めるべきか、逆に待つべきかを冷静に判断することが大切です。マシン自体は全体としてよく機能していましたが、いくつかのコンディションでは少し厳しい部分もありましたし、その点は今後のレースに向けて改善していきます。
スパはル・マンとは全く異なる特性を持つサーキットなので、セットアップの方向性を素早く見極めることが重要になります。ル・マンではグリップに課題がありましたが、スパで同じ問題が出るとは限りません。
再びバイクに乗って走れるのをとても楽しみにしています。
グレゴリー ルブラン選手コメント
新型マシンでの走行時間が限られていた中でのレースでしたが、結果には満足しています。
チーム、そしてマシンは昨年より確実に進化しており、ラップタイムの面でもしっかりと改善することができました。レース中に大きな問題はありませんでしたが、序盤は路面温度に対してタイヤを適切に機能させることに苦労する場面がありました。
今回の結果はポジティブですが、勝利を争うためにはまだ改善が必要です。特に次戦スパは長いストレートが特徴のサーキットであり、より高いパフォーマンスが求められます。
チーム全員、そして応援してくれているカワサキファンの皆さんに感謝しています。
鶴田竜二 チームマネージャー コメント
今回のル・マン24時間耐久レースにおいて、3位表彰台という結果を掴み取ることができたことを大変誇りに思います。
特にレースが残り6時間30分を切ったタイミングで、グレゴリー選手のマシンが突如ストップし、自らマシンを押してピットへ戻ってきた場面では、チーム全体に大きな緊張が走りました。
しかし、 そこからの展開はまさに “チーム一丸” を体現するものでした。
緊急ピットインにより次走者の準備が整わないという不測の事態の中、マシンを押して戻った直後にも関わらず、グレゴリー選手は迷うことなく再びコースへ戻る決断を下しました。これまで数多くの表彰台を経験してきた彼のキャリアと、並外れた精神力が表れた瞬間だったと思います。
さらに、そのスティントでは疲労を感じさせない走りで、それまでを上回るラップタイムを刻み、チームに再び勢いをもたらしてくれました。このグレゴリー選手の執念の走りに、ロマン選手、クリスチャン選手も強く鼓舞され、それぞれが高い集中力で走り続けました。メカニック陣による迅速なリカバリー作業も含め、チーム全員が最後まで諦めることなく戦い抜いた結果が、この3位表彰台に繋がったと感じています。また、レースを通して8時間・16時間の中間ポイントを確実に獲得できたことも、チャンピオンシップを戦う上で非常に大きな収穫となりました。
応援してくださったファンの皆様、そして支えてくださったすべてのパートナーの皆様に心より感謝申し上げます。この不屈の精神こそが我々の強みであることを、改めて示すことができた一戦となりました。
引き続き更に高みを目指します。
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