神奈川県横浜市のバイク用品メーカー「カエディア(Kaedear)」が2月13日、移転したばかりの横浜の新拠点にて「Kaedear Racing Team横浜」の2026年度・鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦体制発表会を開催した。昨年の劇的かつ悔しい初参戦から1年、今年は悲願のSSTクラス優勝を目標に掲げる。
昨年に続きフランスの名門とタッグ
2026年シーズン、カエディアは昨年もタッグを組んだフランスの名門レーシングチーム「RAC41」とのパートナーシップをさらに強固にし「Kaedear Racing Team横浜」として鈴鹿8耐のSSTクラスに挑む。目標は昨年成し遂げられなかった“優勝”に据える。さらには「Dafy-Kaedear-RAC41 HONDA」として世界耐久選手権(EWC)にもフル参戦する。
マシンはホンダCBR1000RR-Rで、ライダー陣はチーム立ち上げの立役者でもあるエース・石塚健選手(日本)を筆頭に、昨年もタッグを組んだケビン・マンフレディ選手(イタリア)、そして今年からディエゴ・ポンセ選手(フランス)と、EWCメンバーとしてジェームス・ウエストモアランド選手(イギリス)が加わった。8耐には石塚/ケビン/ディエゴ選手の3名が出場する。
チームオーナーは株式会社カエディアの飯沢智博代表取締役で、マネージャーは同社の増子亮助氏が、監督を豊富なレース経験を持つ高橋淳一郎氏が昨年に続いて担当する。昨年の悔しさを知るメカニックの高峯光男氏/野崎知也氏、テレメトリー担当の村上弘一氏とともに、飯沢代表が“最強の布陣”と語る体制が整った。
その飯沢代表は発表会の冒頭で「昨年、私たちは約10ヶ月という極めて短い期間でチームを立ち上げました。ゼロからの挑戦で、本当に8耐に出られるのかという声もありましたが、皆様の多大なるご支援のおかげで無事に完走し、戦い抜くことができました。2年目の目標は昨年成し遂げられなかった“優勝”を掴み取ることです。私たちのホーム横浜から日本、そして世界のレースファンやお客様へ情熱と感動を届けるべく、チーム一丸となって全力で挑戦してまいります」と意気込みを語った。
2026年はリベンジの年。2025年の悔しさを取り返す!
そもそも昨年の8耐参戦は、2024年からカエディアが石塚選手の個人スポンサーを務めていた縁がきっかけ。2024年に石塚選手が鈴鹿8耐を走ったチームが解散してしまい、飯沢代表が「ならばカエディアでチームを立ち上げよう!」となったのだという。
そんな経緯もあり、2025年の初参戦は本当にバタバタ状態からのスタートだった。「2024年の年末の時点で、実はメカニックが一人も見つかっていなかったんです」と高橋監督も明かす。時間が迫る中、苦渋の決断として「マシン作り」と「チームメンバー集め」を完全に切り離し、マシン製作をコハラレーシングに依頼し、並行してスタッフを探すという、異例の体制を敷くことで本番を迎えられたそうだ。
そうして迎えた8耐本番。耐久レース経験が豊富なRAC41のノウハウもあり、事前の慌ただしさからは一転して順調に推移。予選を2位で通過し、決勝も中盤までSSTクラスのトップを快走。優勝は目前かと思われたが、石塚選手がマシントラブルから痛恨の転倒を喫して10番手付近まで後退してしまう。 そこからチーム一丸となって怒涛の追い上げを見せ、SSTクラスの6位で完走を果たした。
初参戦でのクラス6位は快挙だと感じるが、石塚選手はその結果を“良くなかった”と語る。「1年目から優勝する目標だったし、転倒がなければ優勝も見えていたので、(昨年の結果は)本当に悔しかったです」と率直な思いを吐露、その悔しさこと今年のリベンジへの原動力だという。飯沢代表も「2025年は出られるかどうかもわからない状況で、参戦発表会すら開けなかった。なので当時から“しっかりと体制を整え、2026年も8耐に出場しよう”と考えていました」と語る。

チームのエースであり、キーマンである石塚健選手。今年はEWC以外にハーレーのツアラーモデルで競うバガーレーシング・ヨーロピアン・カップにも参戦予定だ。
優勝に向けたチームメンバーの決意
そんなわけで、きっちりと体制を整えて鈴鹿8耐に挑む2026年のKaedear Racing Team。昨年の実績やタイムを考慮しても、彼らがSSTクラスの優勝候補であることは間違いない。最後に今年の鈴鹿に向けた、彼らの意気込みを紹介したい。
・飯沢智博 チームオーナー「(昨年、掛かった費用を計算して)もっと稼がなくてはダメだと思いました(笑)。なので僕の役割は“事業にフルフォーカスすること”です。もちろん僕自身もレースは戦っていくのですが、事業をしっかり成長させることがチームを優勝させる重要な要素と考えています。我々のレース活動に多くの人が共感してくださり、豊富な経験を持つ方をカエディアの一員として迎えることもできているので、(レースを続けることで)もっと出来ることが増えるのではとワクワクしています」
・増子亮助 マネージャー 「今年はメカニック兼マネージャーということで、メカニックの仕事をこなしつつ、周りを見ながらコントロールできる体制を整えたいですね。去年は無駄な行動も多かったので、それらをなくして、ピット作業自体のスピードアップに加え、作業をやりやすい環境も整えていきたいです」
・高橋淳一郎 監督 「ライバルの外車勢に比べ、私たちのマシンは構造的にピット作業のタイムロスが大きくなります。昨年もRAC41のノウハウを元に独自のジャッキアップシステムを作りましたが、今年はさらにアイデアを絞って10秒は削りたい。今年はライバルチームに強力なライダーも参戦しますが、ポールポジションも優勝も譲る気はありません」
・石塚健 選手 「昨年、転倒で全てを台無しにしてしまった身からすれば“転ばないこと”です(笑)。去年は決勝直前まで完璧と言えるくらい上手く進んでいたので、今年は転ばず、安定したアベレージで走れるよう、しっかりとライダーの仕事を務めたい。それができれば勝てると思っています」
優勝を見据え、万全の準備と最強の布陣で鈴鹿8耐に挑む2026年のKaedear Racing Team横浜。横浜から頂点を目指す彼らの挑戦に注目したい。
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