
2026年のFIM世界耐久選手権(EWC)第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースに向け、出場枠や参戦方式に関する重要な変更がなされた。最も大きなポイントは、長年続いてきた国内チーム向けのトライアウト制度が廃止され、今後は選考委員会による選抜方式へ全面的に移行することだ。ここでは、その背景と具体的な変更内容をわかりやすく整理していく。
さらに、12月10日には第1回選考により10チームが本戦参戦への切符を獲得したので、8月6日に発表されているシード権もおさらいしつつ30チーム(シード20チーム+第1回選考10チーム)の一覧をお伝えする。
目次
■出場枠は60チームに。クラス構成は維持され、実質的な影響は限定的
まず、2026年大会の出場枠は従来の65から60へと見直された。ただし、近年の出場チーム数を見ると2025年は55、2024年は46、2023年は50、2022年は45と定員に満たない状況が続いていたため、枠の縮小が大きな影響を与える可能性は低いとみられる。
参戦クラスはFormula EWC、SUPERSTOCK、EXPERIMENTALの3カテゴリーが維持され、挑戦的プロジェクトが排除されるわけではないため独自性を持ったチームの参戦に支障は出ない。この部分は例年と大きく変わらないように見えるが、レースの全体構造は次の選考方式の変更によって大きな影響を受けることになる。
■トライアウト廃止と新たな選考方式。最終主導権は国内運営側へ
注目を集めているのが、国内枠におけるスポット参戦チームの扱いだ。これまで日本チームを中心に出場権獲得の機会として機能してきた『8耐トライアウト』は完全に廃止され、今後はホンダモビリティランド株式会社、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)、そしてEWCプロモーターの三者によって構成される選考委員会が、参戦可否を審査する形に一本化された。
この選考方式への移行は、EWC全体のプロモーション体制が変わることとも密接に関係している。2026年のEWCは、スパ8時間を主催するPHA、ル・マン24時間を運営するACO、そしてボルドール24時間を手がけるÉditions Larivièreの三社が立ち上げる新会社がプロモーターを務める予定で、運営スタッフも大幅に入れ替わる。EWC全体の運用体制が大きく変わることは避けられない見通しだ。
選考枠は最大20チームで、年間エントリー20枠、2025年成績に基づくシード20枠と合わせて計60枠を構成する。選考は3回に分けて実施され、最終決定権はホンダモビリティランド株式会社に与えられる。12月10日に第1回選考の結果が発表され、国内勢を中心に10チームが出場権を獲得した。
■参戦チーム確定は4月20日。国内勢の準備は例年以上にタイトに
第1回選考は11月20~30日の申請受付を経て12月10日に結果が発表され、第2回は申請が2月1~20日で結果は3月1日、第3回は申請が4月1~10日で結果が4月20日となっている。最終選考結果が示される4月20日には、国内チームの大半がエントリーを確定させることになる見通しだ。
その後はEWCフル参戦チームの状況を踏まえて全体のエントリーが確定し、最終的な参戦チーム数が明らかになるのは5月中と予想されている。5月10日には正式エントリー締め切り、5月12~13日には鈴鹿サーキット主催8耐事前テストがあり、ピット割は6月1日発表の予定で、チームの準備スケジュールもこれに沿う形になる。
レースウイークの構成自体は大きく変わらず、日月の搬入から始まり、火水のテスト、木の車検、金の予選とナイトセッション、土のトップ10トライアル、そして日曜日の決勝という流れだ。
結果的に、選考方式の変更によって国内チームは例年以上に動き出しが早くなった印象だ。すでに選考が始まっており、実質的には2026年シーズンがスタートしたと言っても過言ではない。その一方で、全日本ロードレース選手権の多くのチームはまだライダー体制が固まっていない状況にあり、準備にどこまで対応できるかが焦点になる。
■第1回選考通過チームが発表。鈴鹿8耐常連の10チームが選抜
12月10日には、2026年鈴鹿8耐の第1回選考会における本戦出場権付与チームが発表された。今回はFormula EWCクラスから5チーム、SUPERSTOCKから3チーム、EXPERIMENTALから2チームが選ばれ、メーカー系/プライベーター系を問わず幅広い構成となった。
選考方式が変わり、出場可否がより明確に審査される新体制となる2026年の鈴鹿8耐では、これまでとは違った準備スケジュールと、より計画的な参戦戦略が求められる一年になりそうだ。
●Formula EWC
Astemo ProHonda SI Racing
SHINSYU Re:N with TOTEC
Team Frontier
Honda Blue Helmets MSC Kumamoto & Asaka
TeamマツナガKDC × GEARS
●SUPERSTOCK
Team TATARA aprilia
NCXX RACING with RAIDERS CLUB
Kawasaki Plaza Racing Team
●EXPERIMENTAL*FIM承認が必要
Team SUZUKI CN CHALLENGE
Honda Tochigi Racing & Koyokai DREAM RT
※チーム名は申請内容に記載のもの
■2025年鈴鹿8耐の結果によりシード権が付与された計20チーム
8月6日には鈴鹿8耐の大会事務局が、2026年の鈴鹿8耐のシード権付与対象となる20チームを発表している。シード権付与条件は、2025年の鈴鹿8耐での決勝レース結果で、Formula EWCクラスの上位15チーム、SUPERSTOCK(SST)クラスは上位5チームに入ることだ。
なお、年間契約チームは除外されるため、結果的にEWCクラスは総合34位(クラス21位)、SSTクラスは総合26位(クラス9位)に入ったチームまでが対象となった。
●Formula EWC
Honda HRC
YAMAHA RACING TEAM
SDG Team HARC-PRO. Honda
AutoRace Ube Racing Team
TeamATJ with docomo Business
Honda Asia-Dream Racing with Astemo
SANMEI Team TARO PLUSONE with SDG
MARUMAE Team KODAMA
Honda Suzuka Racing Team
Team BabyFace Titanium Power
BAKUON!!RPT NAGANO & RT MATSUNAGA
DOG HOUSE&TRIPOINT FUCHS Silkolene
SDG-DUCATI Team KAGAYAMA
TEAM SUGAI RACING JAPAN
Honda Dream RT SAKURAI HONDA
●SUPERSTOCK
TONE Team 4413 EVA 02 BMW
Honda Kumamoto Racing & Hamamatsu ESCARGOT
NICHIRIN RACING
Team38
BALZ & ADVANCE MC with FUJIKI KOGYO
※チーム名は2025年の“正式決勝結果表”発行時のもの
ギャラリーへ (6枚)この記事にいいねする
























