この記録はWebike Thailandの中の人がどのようにしてAXCR(アジアクロスカントリーラリー 2025)に参戦する事になったのか、実際に参戦してその結果どうなったのかを曝け出す汗と涙とお笑いの記録である。
前回
2025/8/9 Leg1 Pattaya to Prachinburi
RS01: 116.00km
SS1: 199.13km
RS02: 49.82km
Total: 364.93km
AXCR2025公式インフォメーションブックより
SS1のルートは約200kmに及び、山や急な丘のない平坦な土地が広がっています。2つのセクションに分かれています。最初の100kmのセクションはゴム農園のルートから始まり、ノンマイケーン村を通り、サナムチャイ森林公園に到着します。このセクションには、38~39kmの間に長さ400メートルの水場と水路があります。アスファルト道路3076号線を横切った後、ルートはラカティン森林公園に入り、参加者は60kmと65kmで2つの小川を渡り、70kmでコンクリート製のクロン・シー・ヤド橋を渡らなければなりません。
このセクションは、85.6kmのPCストップと91kmのサービスエリアまでの一般的な田舎道で終わります。ルートの後半は、92.5kmから始まり、速度制限のある村々を通り、タイ最大のユーカリの森林公園があります。競技者は、199.13 km のゴール地点に到達するまで、80 km 以上に渡って障害物、泥沼、水場などに直面します。
本日よりいよいよ競技の開始である。
ラリーの朝は早く1stバイクは6時スタートでゼッケン順に1分間隔で出発する。
まずはパタヤの公式ホテルから競技開始のSSスタート地点まで公道を移動するリエゾンと言う区間を116km走る。
この区間は競技では無いものの当然地図など無くコマ図を見ながら指定されたルートを指定された時間までに到着する必要が有る。
ちなみに全ての区間においてタイムコントロールされており、時間に間に合わない場合にはタイムペナルティが課される。
コマ図の練習は日本に帰国してコマ錬に参加した事も有り、問題無くスタート地点までたどり着いた。
ここからいよいよ競技区間であるSSがスタートである。
サービスエリアまでの全開走行区間。
5.4.3.2.1.GO!の合図でいきなり全開を噛ましてフラフラ蛇行しながらスタートを切った。
が、スタート後3km地点でいきなり迷子になる。。。
ラリー初心者の自分にはこんな事は想定の範囲内で有るので対策はばっちり。確実に合っている所まで戻ってやり直すだけ!
SS1はコマ図のルートを辿る行為自体はそれほど難しくは無かったが、全開の最中にラリーコンピューターの距離とコマ図を合わせつつ路面状況も把握すると言うなかなかカオスな状況。
しかもAXCRはコマ図の指示がかなり多く、相当忙しいのでどうしても速度を落とさないと命の危険を感じる場面が段々と増えてくる。
サービスエリアまでの前半は比較的乾いた土質の高速コースと草地、サンドが入り混じったコースで走りやすかったが、1か所深いウォーターベッドで転倒し後から来たチームの仲間に手伝ってもらいながら脱出したものの体力を使ってその先で休憩する事に。
が、休憩中に地元の子供たちが7人位寄って来て質問攻めに。。。
何気にタイ語が話せるもので全てに対応していたら全く休憩にならず余計に疲れてきたので先を急ぐ。
ここから先が結構激しいマディ、ウォーターベッド、タンク付近まで深度の有る水たまりなど正に苦行の連続。
なんとかサービスエリアまでたどり着き、20分の間に水分補給、給油、コマ図まき直しをして午後のSSへスタート。
最初の悲劇は、午前中も同様だったが足回りがオーバーヒートで減衰が効かなくなりサスペンションも弱すぎて底付、結構な路面の凹凸連続で車両を制御しきれず高速でクラッシュし右足と肩と首を負傷。
正に大崎代表の予言が的中する。
なんとか起こして気合で先に進むも、ミスコースした挙句に次のマディで足の痛みで踏ん張りが効かずに再転倒し更に足が悪化。
この時点でバイクを自力で引き起こせなくなり、これ以上進むのは無理と判断してデイリタイヤを選択。これが15時。
救助を要請して大会側が救急車を派遣したらしいが当然こんな場所に車が入って来れる訳も無く、チームのサポートカーにメカのバンクが同乗して出動する事に。
救助待ちの最中はミスコースしているので当然誰も通らず独りぼっちで蚊に刺されまくる。
サポートカーのハイエースが入れるような道でも無いので車を近くまで走らせバンクが徒歩で救助に来る予定だったが、電波が悪いのか位置情報が上手く伝わらず合流できない。
16時時点でたまたま通りかかったトラクターのおじさんにバイクを起こしてもらったので気合で車の入れる所まで移動。
タイ語が喋れて意思疎通が問題無くできるのは相当なメリットである。
移動先で待っていると4輪で参加しているワークス三菱のサポートカーから水をもらったり暖かい声を掛けてもらったのが唯一の救い。
しかし、バンクのいる位置から道が無いとの事で、ならこちらから近づいた方が早いだろうと再度移動開始。
その判断が間違っており道路がいきなり良くなる訳も無く、再度マディで車両をコントロールできずに転倒して足に止めを刺して完全に動けなくなった。
この時点で17時となり段々と辺りが暗くなって来だした。真っ暗の中待つのはかなり嫌だぞ?
そんなこんなで不安になってきた所、18時過ぎにバンクが5km以上歩いて泥だらけになりながら助けに来てくれた!
ここから二人乗りでサポートカーの居る場所までgoogle先生を使って行こうとするもマディでなかなか進めず、先生の指示通りに行っても道が無い・・・
行ったり来たりを繰り返しすっかり真っ暗闇になった所でサポートカーの居る方角だけをたよりに暗闇のジャングルの中を藪漕ぎする事を決心。
四苦八苦したが無事サポートカーまで辿り着いて21時過ぎにホテルまで生還したのであった。
ちなみにLeg1は同じTEAM Moto JAPANのメンバーでもリタイヤ多数、骨折1名、熱中症で動けず携帯電池切れにて朝まで野営1名となかなかのサバイバル。
毎年参加している方々は今年のコースは相当きついとの事で、場違いな所に来てしまった事を改めて悟った1日であった。
ちなみに野営した方は最初の転倒で脱出を手伝ってもらった方で、Leg2は走れなくなったが翌朝無事にビバークまで帰還されていた猛者である。
救助を待つ間森の中からガサガサゴソゴソと音がする度に野生動物に怯えていた自分とは比較になるまい。
2025/8/10 Leg2 Prachinburi to Nakhon Ratchasima
RS03: 142.81km
SS2: 177.85km
RD04: 179.75km
Total: 500.41km
これはコンブリ郡-ソンサン郡の高地で、そのほとんどがキャッサバ農園の80%を占めています。
スタート地点から最初の44kmまでは、岩の多いキャッサバ農園のルートです。
指定された農地に沿って、高低差のある斜面や溝が曲がりくねった道を走ります。競技者はロードブックに記載されている警告に注意し、46~63km地点で灌漑用水路沿いの広い道路に入ります。これはかなり高速なルートです。その後、63.5km地点からは、キャッサバ農園、果樹園、ドリアン畑などが広がる開けたエリアが混在するルートとなり、99km地点のPC(競技参加者用駐車場)でサービスポイントに入ります。
その後、レースはPCスタート地点107km地点のセンサン郡エリアまで続きます。そこはラムプライマットダムの隣にあるキャッサバ農園の開けた場所で、灌漑用水路がスラボットまで下ります。スラボット177.85km地点のSS終了まで、多くの穴ぼこがあるキャッサバ農園のルートとなる最終セクションです。
本日は昨日の転倒の影響も有り安全の為Leg全体をキャンセルする事に。
しかしスタートだけは実施しないと競技離脱となる為朝一でスタートのみ実施し、Dayリタイヤとしてそのままピットにとんぼ返り。
今日1日サービス隊の運転手との通訳に徹する事にし全員のスタート後サービスカーに同乗してサービスエリアまで移動。
サービスエリアでサービススタッフの手伝いなどを少々行う。
ライダーとして参加していると実際のサービスの方々がどのような事を行っているのか分からないのである意味良い経験となった。
サービスクルーも競技者同様事前にはサービスエリアの場所は分からず、コマ図が配布されるのでそれを頼りに指定の場所へ行きテントなどを設営しなければならない。
そして午前のSSを走り切って続々と到着するライダーへの水分補給や塩分固形物の摂取補助。
マシンへのガソリン補給やチェーン給油や不具合、破損箇所の確認及び応急処置。
レギュレーション上サービスクルーとして登録していないとマシンに触れない。
SS中に車両トラブルが起きた場合にはライダーが自分で修理しなければならないので、ここでのチェックは大変重要である。
更にAXCRのコマ図はかなり細かく1日の全行程をマップホルダーに巻ききれないので分割する必要が有り、そのコマ図の巻き直しなどなど。
チーム最後のライダーがサービスエリアを出発すると競技中のサービス隊の仕事は一旦完了。
15時位にはビバーク地のホテルに帰着。
ここでもライダーが帰ってくる前にピットの設営などを行うが、ビバークでは翌日の為のメンテナンスなど諸々実施する為本格的な整備拠点を設営する必要がある。
暫くするとライダー達が続々と帰ってくる。
今日のLeg2を走り終えて帰ってきたライダーに状況を聞くと、コース難易度は昨日より楽だったがコマ図が難しくかなりミスコースが発生したとの事であった。
自分はここで一旦別れて病院にて診察した所、右足靭帯損傷、右肩打撲、首は軽いむち打ちとの事であった。
ライダーが帰って来てからサービススタッフの本格的な作業が開始され、場合によっては夜通し作業を行うケースも有り得る。
夕食なども時間通りに食べられる事は稀で翌日に完全な状態でライダーを走らせる為の整備が続くのである。
ラリーはライダーだけでは無くサービススタッフなどを含めたチームの協力無しでの完走は非常に難しく頭の下がる思いである。
自分は体力温存、怪我の回復の為明日のコマ図受取、夕食を兼ねたブリーフィングを行い早めに就寝。
【第5回へ続く!】
ギャラリーへ (9枚)この記事にいいねする






























