予選では4人がコースレコードを更新! 決勝でも57秒台で周回と、ハイレベルなレースとなった KAGURADUKIステージ。
茨城県・筑波サーキットを舞台に、日本一人気のある草レースとして有名なテイスト・オブ・ツクバ KAGURADUKIステージが11月1日(土)・2日(日)で行われた。今回は、過去最多の309台がエントリーを集め、出店ブースやイベントも行われ、多くのお客さんが筑波サーキットに足を運んでいた。
今回も最高峰クラスであるHERCULESクラスは、ハイレベルな激戦となった。POWER-BUILDER&PRESTO CORSAの渡辺一樹は、ヒザの手術を行ったため今回は欠場したが、新たにフクダテクニカからエントリーした奥田教介が練習から好タイムをマーク。優勝候補の一角に名を連ねてきた。迎え撃つTeam YELLOW CORNの國川浩道、OVER Racing Projectsの松本隆征、Garage414&WoodStockの光元康次郎、Team KAGAYAMAの加賀山就臣なども、それぞれ、KAGURADUKIステージに向けて準備を進めてきた。
奥田は、3年前にOVER Racingから豊田選手の代役として空冷マシンでTOTに参戦したことがあるが参加資格の都合で賞典外だった。そのときにOVER RacingからZX-10R用のフレームを売り出す話を耳にした。当時から奥田のスポンサーをしており、車両オーナーでもある山口誠氏に伝えると、鈴鹿8耐に参戦したマシンが眠っていたこともあり、仙台のフクダテクニカにマシン制作を依頼。3年越しで、ようやく車両が完成し、今回のKAGURADUKIステージにエントリー。2週間前にSUGOでシェイクダウンし、前週に初めて筑波で走らせてレースウイークを迎えていた。
光元は、一カ月前にまたもミニバイクで転倒し右鎖骨と肋骨3本を骨折。事前テストなしでレースウイークに入ったが、木曜に最終コーナーで、土曜日は第2ヘアピンで、予選でも1コーナーで転倒し満身創痍で決勝を走ることになっていた。
鐵隼を駆る加賀山は、前回投入した片持ちスイングアームから、JSB1000クラスで使用していたGSX-R1000用の両持ちスイングアームにスイッチ。足回りは、よくなってきたが、木曜日にメインエンジンが壊れてしまい、パワーの劣るスペアエンジンで挑んでいた。
3連勝を目指す國川は、前回のレース後にフレームの破損が発覚。その部分を修理し補強。さらにメカと必要ないんじゃないかと話していたスイングアームの補強を取り除くと、全く違うバイクになっていたそうだ。2回、事前テストを行い、マシンセットはもちろん、走り方も変えて試行錯誤したと言う。
土曜日の特別スポーツ走行では、CBR1000RR-Rのエンジンを搭載するOV-46をライディングする松本が、57秒1と非公式ながらコースレコードを更新する走りを見せてトップ。公式予選は、56秒台に突入することが予想された。
日曜日の公式予選でも松本が、まずセッションをリード。序盤のアタックで新たなコースレコードとなる57秒043をマークし、ポールポジションを獲得するかと思われた。これを見た奥田は、「久しぶりのスプリントレースなので、テンションが上がり過ぎてしまい、第2ヘアピン立ち上がりで竿立ちになるなどミスも多く最初はギクシャクしてしまっていました。松本選手が57秒0を出していたので“マジかぁ”と思いました」と思いながらも、一度ピットインして気持ちを落ち着かせると、再びコースインし、タイムアタックに入ると56秒970をマークし、ポールポジションを獲得する。2番手は松本、3番手は57秒307の光元、4番手は57秒539の國川と続き、4人がコースレコードを更新するハイレベルな予選となった。加賀山は、自己ベストを更新する57秒752で5番手、ZRXで奮闘するFirst☆Star AUTOBOY ACTIVEの新庄雅浩が58秒267で6番手、OV-43を駆るOVER Racing Projectsの梶山知輝が58秒361で7番手、空冷CB1100Rを駆るTEAM UKAWAの宇川徹が58秒955で8番手と、ここまでが58秒台で続いた。
12周で争われた決勝。加賀山が得意のロケットスタートを決めホールショットを奪い、奥田、松本、國川、新庄、宇川、光元、グリーンクラブ熊塚の植垣創平と続いていく。2周目の1コーナーでは、松本と國川が奥田をかわして、それぞれポジションを上げる。最終コーナー進入では、國川が松本をかわし2番手に上がると加賀山のテールをマーク。4周目の第2ヘアピンでは、奥田が松本をかわして3番手に浮上してくる。57秒台に入れ、何とか後続を抑えたい加賀山だったが、5周目の1コーナーで國川が前に出て行くと逃げにかかる。これを逃したくない奥田は、7周目の1コーナーで加賀山をかわし2番手に上がるとファステストラップをマークして國川を追う。松本も8周目の1コーナーで加賀山をかわすが、その直後の第1ヘアピン進入で加賀山のマシンにノックバック症状が発生! 松本を巻き込む形で両者は接触転倒となってしまう。
その後、トップ争いは、奥田が國川のテールを捕らえ、一騎打ちとなる。國川は、勝負所をしっかり抑えるラインを取り、奥田に勝負をさせない。奥田も仕掛けたいポイントはあったが、リスクがあった。國川が抑え切ってチェッカー。昨年のKAGURADUKIステージから3連勝を飾った。2位は速さを見せた奥田、3位に光元が入っている。以下、新庄、梶山、SUPER MONSTER EVOLUTIONトップの宇川、植垣と続いてチェッカーフラッグを受けた。RS-ITOHからZ900RSでエントリーした柳川明は、18位でフィニッシュしている。
「今回は、チームが本当にレースに集中できる体制を用意してくださったので勝つことができました。フロントエンドのフィーリングがよかったのが一番の勝因でした。筑波に合った旋回性をメカニックさんと話し合いながら、うまくバランスが取れたので、乗っていて気持ちよかったですし、そこがアベレージのよさにもつながったと思います。一発タイムを出しにくい部分もありましたが、アベレージでは自信がありました。奥田選手が来ていたのは、エンジン音で分かったのですが、何とか抑えられてよかったです。チームには感謝しかありませんね」と3連勝を飾った國川。
僅差の2位となった奥田は「國川選手が加賀山選手を抜いて逃げていたので、ボクも早く加賀山選手を抜きたかったのですが、ブレーキングが深く、加速がいいので、なかなか抜けませんでした。どうにか1コーナーでかわすことができ、ペースを上げて國川選手に追いつけたので、第2ヘアピンの進入で仕掛けられるかと思ったのですが、ボクが後ろにいるのが分かってからは、キレイなブロックラインを取るようになったので勝負できずに終わりました。悔しい気持ちもありますが、みんなで楽しむことができたので、よかったです。再挑戦できれば、優勝を目指したいですね」と清々しい表情で語った。
マシンのレベルもライダーのレベルも一気に上がった今回のKAGURADUKIステージ。テイスト・オブ・ツクバの花形であるHERCULESクラスの在り方も過渡期に入ったのかもしれない。
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