この記録はWebike Thailandの中の人がどのようにしてAXCR(アジアクロスカントリーラリー 2025)に参戦する事になったのか、実際に参戦してその結果どうなったのかを曝け出す汗と涙とお笑いの記録である。

前回

パタヤ移動編

1日目:レースウィークの始まり

2025年8月6日。いよいよAXCR2025ウィークの始まりである。

昨日の朝着でアルタイヤモーターの大崎代表に1日早くタイに来てもらい、自分のCRFに日本のコマ練で使用したマップホルダーやラリーコンピューターなどを取り付けしてもらう。

また経験豊富な大崎代表に車両チェックもしてもらうが、色々と不安要素が出てくる事に。

まるで予言者のように指摘事項が次々と現実になるとは思いもよらなかったのだが・・・

5日から始めたマシンチェックだがWebike Thailandのバンク君によりムース交換や急遽の買い出しまで含めて今日の午前中一杯掛かった。

自分と言えば午前中一杯しっかり仕事をして午後より積み込み開始。

昨晩自宅で自分の荷物をパッキングなどして寝たのが午前3時過ぎ。この段階ですでにフラフラになっている(笑)

出発ギリギリまでかかってようやく車両が完成し、荷物のパッキングも完了。

レンタカーのピックアップトラックを借りたが荷物は全部積み込み出来ず明日サポートカーに取りに来てもらうことに。

結局なんだかんだで15時過ぎにパタヤへ向けて出発する事に。

事前の準備は大事だが、まじめな社会人として仕事を優先した結果このような事になった(笑)

何事も無くパタヤに無事到着し、Teamのテントを張る場所どり実施。

今回のAXCR参戦にあたり大崎代表がサポートを実施するTeam Moto JapanとWebike Thailand合同でサービスサポート隊を結成した。

全くノウハウの無い我々にとっては非常に有難い事である。

場所取りとピットの設置が有る程度完了した所で、昔行ったことのある海鮮タイ料理屋にて豪雨の中食事をしてホテルに帰着。

明日も色々とやる事が多すぎるのでシャワーを浴びて速攻で就寝。

2日目:プレ車検、ウェルカムパーティー

8月7日。今日は朝起床してゆっくり朝食。

朝一番AXCRの大会受付を実施し、記念Tシャツや競技中の携帯が義務付けられているインフォメーションブックなど一式を受領。

その後競技用のウェアとヘルメットを持参してタイ地元テレビ用の写真と動画を撮影。

午前中にはWebike Thailandと合同でサポート体制を組んでいるTeam Moto Japanの車両が続々と到着してきた。

この車両は日本人参加者が事前に預けた車両やパーツ類を1か月ほど掛けて船でタイに運ばれて来たものだ。

総勢15台以上の大所帯である。

Webike Thailandでは大会を通してピット、サービスエリア、ビバーク地に設置するテントを用意させて頂いた。

昨日の続きで車両のセットアップを継続し、最終のテスト走行を実施。

テスト走行では30km位走行し多少迷子になりながらも不具合箇所を発見。クラッチに若干の問題が有り速攻で組みなおし。

足回りもプリロードを若干強めてリバウンドを緩めてセットアップ完了。

各所の増し締めを実施し車両の準備は整った。

今回サービススタッフとして一緒に参戦する我が社のメカニックBank君が頑張ってくれました!

15時から日本人のみで日本語ブリーフィングを実施。これは昨年も聞いているので大きな違いは無い。

主にリエゾン、SSを通しての注意事項やスマートフォンにインストールして携帯が義務付けられているラリーストリームと言うアプリの使い方などの説明、参加者からの細かい質問などが行われた。

このラリーストリームは競技中の位置や制限速度、一時停止ポイントが守られているかチェックも出来る。

更に緊急時には救助要請なども可能でライダーの捜索にも活用される大事なアプリである。

また、この場でタイとカンボジアの国境紛争の影響で日本政府より国境から50km以内への立ち入りを禁止されているとの事でLeg4とLeg6がキャンセルされる事が発表された。

当初はカンボジアがゴールであったがタイ国内に変更され、更に2日間も競技が短縮される。

大会主催者は苦渋の決断だったと思われるが、大会の安全を第一に考えて頂き頭の下がる思いである。

何だかんだで1日消化して準備完了。あとは明日の車検を無事通過するのみである。

4輪チームのピットも見学しに行ったが、やはり今年も三菱やトヨタがワークス体制で参戦しており規模が違う。

サポートチームの人数も半端無く、メーカーの威信を掛けた戦いに挑む姿勢をまざまざと見せつけられた。

我々のサポートカーも到着し夕方からはAXCR参加者全員のウェルカムパーティーに参加して他の参加者と交流を深める。

参加者にはダカールラリーなど数々の国際ラリーで実績を残している日本人レジェンドも居たり、過去のAXCRで複数回優勝を果たしているタイ人レジェンドが居たりして自分の場違い感が更に高まる。

が、自分よりも準備不足の若者が居て若干安心できたのは収穫(笑)

レジェンド達とは異なりエンジョイ組の自分たちは安全第一で怪我無く終了する事を誓いあった。

明日も早いのでそそくさとホテルに戻って就寝。

本車検、セレモニアルスタート

8月8日。本日よりいよいよ公式なAXCRデーのスタート。

朝起床して車両の最終チェックを実施し、プロテクター類もフル装備していざ車検へ。

レギュレーションには色々書いてあったのだが、本車検へ向かうと特に細かくチェックする事も無く無事通過。

車検終了後まもなくWebike Thailandのスタッフが全員で応援に駆けつけてくれた。

スタッフ全員と昼食を食べて壮行会を実施。

有難い限りである。

13時半より初日Leg1のコマ図を配布するとの事で先に退散して受領した後、早速コマ図の確認とマーキングを実施。

各所にMUDDYやらWATER BEDやらMANY WHOLEやら不吉なコーションマークが点在している。

またLeg1はリエゾンとSSを含めて約500kmの長丁場なのでマップホルダーに巻ききれない事が確定。

分割してSS途中のサービスエリアでコマ図の巻き直しを実施することに。

14時半より公式ブリーフィング。

今回は競技者全員が参加義務があり、各国の競技者が居る為公式言語である英語でのブリーフィングである。

内容は昨日とほぼ同じでコマ図内のコーションマークの説明や追跡装置のラリーストリームの取り扱い説明。

その他全ステージ内共通の注意事項の伝達が有った。

18時より参加者全員でコンボイを組んでパタヤ1番の繁華街であるウォーキングストリートへ移動。

ウォーキングストリートでは我が社の社員を始めエンデューロレースの友達も応援に駆けつけて頂き、一般観光客からの応援も重なり俄然やる気が出てきた。

無駄にやる気が出た事が今後仇となる事はこの時点では知る由もないのであった。

20時にセレモニアルスタートを実施し、テレビや報道のフラッシュを浴びていよいよラリーの幕開けとなった。

明日から始まる競技デー。

果たして無事ゴールまで辿り着く事が出来るのであろうか。

【第4回へ続く!】

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