4月からスタートした2025年の全日本ロードレースもいよいよ今週末のMFJグランプリで最終戦を迎えます。

短いようで長く、長いようで短く感じたシーズンでした。

JSB1000クラスチャンピオンは第5戦・岡山大会で中須賀克行が決めて見せましたが最終戦の注目はズバリこの男たち!

それぞれに「理由」あるランキング2位争い

開幕戦で、水野涼(DUCATIチームカガヤマ)が“絶対王者"中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)を下して始まった2025年の覇権争いは、菅生大会の事前テストでの水野の転倒と負傷により、勢力図が一変。中須賀が菅生大会でダブルウィンを飾りますが、第3戦もてぎ大会では、今シーズンから全日本ロードレースに復帰した浦本修充(オートレース宇部レーシング)がダブルウィン返し! ここまで、ドゥカティ1勝、ヤマハ2勝、そしてオートレース宇部レーシングが全日本ロードレースに持ち込んだBMWが2勝と、シーズン前半戦は例年にないチャンピオン争いが繰り広げられました。

しかし、後半戦のヤマ場となるオートポリス大会、岡山大会を、チャンピオン候補のひとりである浦本が欠場。実はこれはシーズン前から予定、発表されていたことで、オートレース宇部と浦本の目標は、2026年からの世界耐久チャレンジ。そのために、世界耐久選手権最終戦・ボルドール24時間に出場するために、出発・本戦出場・帰国のため、オートポリス大会と岡山大会を欠場したのです。
浦本のいぬ間に--とはおかしな表現かもしれませんが、中須賀はオートポリス大会でダブルウィン、岡山大会でも優勝し、3連勝で2025年のチャンピオンを決めてしまいます。

8レース5勝はもちろん、優勝を逃したレースでもすべて2位を獲っていることがすごい中須賀克行

ここまでの流れは過去のレポートに詳しいのですが、こうなると最終戦に注目すべきは、やはりランキング2位争い。最終戦MFJグランプリは2レース制ですから、最大獲得ポイントは25×2=50ポイント、さらに最終戦ボーナスで各レースとも+3ポイントなので、28×2=56ポイント加算の可能性があるのです。

現在のランキング2位争いは以下のとおり。①は中須賀克行185ポイントです。あらためて見ると、中須賀はランキング2位いかにダブルスコアをつけての王座獲得なんですね。

②野佐根航汰(91P) ③伊藤和輝(90P) ④浦本修充(86P) ⑤津田拓也(86P) ⑥水野涼(85P) ⑦岩田悟(71P) ⑧長島哲太(70P) ⑨鈴木光来(59P) ⑩児玉勇太(55P) ⑪関口太郎(47P)といったあたりまで。
最大で56Pが加算されるため、計算上は現在のランキング11位までが最終ランキング2位にまでなる可能性があるのです。

注目は現在の暫定ランキング2位の野左根でしょう。野左根は第3戦もてぎ大会までの5レースのうち3レースで転倒、ノーポイントを演じ、もてぎ大会終了時にはランキング10位という結果でした。しかし、そこからオートポリス大会→岡山大会の2戦3レースですべて中須賀に続く2位表彰台に登壇し、3レースで60ポイントを荒稼ぎ。ついにランキング2位にまで上昇してきました。
「シーズン序盤戦は焦りもあって自分のミスから転倒、ということが多かった。今はそこを慎重に、組み立てから考え直してレースをしています。それがこの3レースの2位につながっているんですが、ぜんぶ中須賀さんに負け、嬉しい2位も悔しい2位もあります」と野左根。今の調子では、野左根がランナーアップ最有力でしょう。

5レース中3レースがノーポイントだった野左根航汰。直近3レース連続で2位と上り調子

暫定ランキング3位の伊藤和輝(ホンダドリームRT桜井ホンダ)は、今シーズン堅実にポイントを重ね、ついにオートポリス大会レース2で表彰台に登壇。常にトップグループの後方につけ、スキあらば前に、というスタイルだけに、上位陣に波乱があると、一気に表彰台を狙える地力のあるライダーです。これは、暫定ランキング5位の津田拓也(チームスズキCNチャレンジ)、岩田悟&鈴木光来のチームATJコンビにも言えるポイントです。

野左根に続いての注目はボルドール帰りの浦本、体調良化と成績復調が見られる水野、そして岡山大会でついに3位表彰台にたどり着いた長島哲太(ダンロップレーシングwith YAHAGI)でしょう。
浦本は、ボルドールでマシントラブルに泣いたものの、初のBMWでの24時間耐久でスピードを実証。来シーズンからの世界耐久チャレンジに確実につながる走りを見せました。
水野は転倒でのケガから約半年。オートポリス大会で11位/4位のあと、岡山大会でも4位と復活。水野の勝ちパターンである序盤からの飛び出しこそまだ影を潜めていますが、レース後半で順位を上げる走りを見せていますから、体調さえ万全ならば序盤の逃げと終盤にペースキープという勝ちへの近道を発見できるはずです。

2戦を欠場したが、充分に優勝争いができるスピードを持つボルドール帰りの浦本修充

復調著しい水野は、アジア選手権へスポット参戦するも転倒し、決勝レースはDNS

そして長島は、ダンロップタイヤでのレースが2年目となり、その集大成がこの鈴鹿。もう何シーズンもブリヂストンタイヤに対して劣勢が続いているダンロップタイヤの開発を兼ねて実戦に参加してきた長島は、岡山大会でのレース終了後、疲労困憊でまっすぐ歩くことさえ難しい中、へたりこんで歓喜の涙を流すほどでした。

「グランプリから全日本ロードレースに戻ってきてここまで、うまくいきそうで成績に残せない中、自分の開発のリードの仕方が間違っているのかな、って何度も心が折れてそうになっていました。それでも今シーズンは課題に対してはっきりと改善がみられていた中で、とうとう表彰台にたどり着きました」と長島。この開発の成果、勢いを鈴鹿につなげられるかに注目です。

岡山とは違う鈴鹿用の新スペックタイヤを投入するという長島哲太。鈴鹿は得意なコースだけに期待大!

毎年のように好レースが繰り広げられる最終戦MFJグランプリ。中須賀vs浦本を軸に、野左根、水野、長島がトップ5を争い、その後方に伊藤、津田、岩田がつける展開となるでしょう。本誌は日本帰国の浦本、上り調子の長島に注目します!

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