■参戦レース:ボルドール 24時間耐久ロードレース 
■サーキット:フランス / ポール リカール サーキット
■ 開催日:2025年9月20日~ 21日
■ チーム名:Team Kawasaki Webike Trickstar
■ ゼッケン:#11
■ライダー:ロマン・ラモス / マイク・ディメリオ / グレゴリー・ルブラン / クリスチャン・ガマリーノ
■結果:予選7位(1分52秒226)/ 決勝 リタイア(周回数:434、ストラップ:1分53秒601)

18~19日 / 予選

鈴鹿8時間耐久レースを終え、シーズンランキング3位に位置し、TOPとのポイント差は僅か5ポイント。そのギャップを埋め、世界タイトルを掴み取るために挑んだのが、フランス・ポールリカール・サーキットで開催される最終決戦 ボルドール24時間耐久ロードレース。

昨年は無念のトラブルでリタイアを喫した舞台。チームはその悔しさを胸に、事前テストから入念にマシンの信頼性を高め、弱点を徹底的に克服してきた。さらに鈴鹿戦以降はオーディション制でライダーを選抜。最終的にロマン・ラモス選手、マイク・ディメリオ選手、グレゴリー・ルブラン選手の3名を起用し、決勝へ臨む体制を整えた。

気温26度、晴天のコンディションで行われた予選前フリープラクティスでは、1分52秒698を記録しマシンの仕上がりは上々。手応えを感じながら1回目予選へ挑んだ。
翌日の天候が不確定であったため、チームは1回目の予選に全力を注ぐ戦略を選択。新品タイヤを投入しここで前方グリッドを獲得し、決勝の主導権を握るべく全力アタックを敢行した。

ライダーブルー、ロマン・ラモス選手の予選は、見事なアタックで1分51秒968を叩き出し、グループ4位。チームに勢いをもたらす渾身のラップをみせた。続くライダーイエロー、マイク・ディメリオ選手の予選は、自己ベストを更新し1分52秒765を記録。グループ5位で予選を終える。

ライダーレッド、グレゴリー・ルブラン選手は果敢にアタックを重ねたが、クリアラップに恵まれず1分53秒734でグループ6位。それでも攻めの姿勢は変わらず、チーム全体の雰囲気を鼓舞する走りを見せた。
ライダーグリーン、クリスチャン・ガマリーノ選手はリザーブライダーながら、1分52秒842とグループトップタイムを記録。ポテンシャルの高さをみせつける。

続く2回目予選は、気温28度・路面温度40度とさらに好条件へ。投入できるタイヤは限られたが、マシンとライダーのシンクロは進化を見せ、マイク選手が1分52秒484へタイムを縮めた。
戦略通り1回目に比重を置きながらも、最後まで伸びしろを発揮できたのは、シーズンを通して積み重ねたセッティング力とチームワークの証といえる。最終的にロマン選手とマイク選手の合算タイムにより、 7 番グリッドを獲得。昨年の合算予選タイムを1秒以上更新し、マシン・ライダーともに高い仕上がりを示した。チームはこの成果を手応えとして、チャンピオンシップ獲得を目指し決勝へ挑む。

20~21日 / 決勝レース

決勝当日、現地は快晴。気温27度。照りつける太陽の下、24時間の戦いは幕を開けた。スターティングライダーを務めたのは、今シーズン大きな活躍を見せてきたロマン・ラモス選手。7番グリッドからスタートし、オープニングラップを7位で通過。安定感ある走りで着実に周回を重ねていった。

チームは今大会に向け、燃費性能の改善に注力してきた。1スティントあたりの周回数を伸ばし、ピット回数を減らす。24時間耐久では勝敗を左右する重要な要素だ。この強みを生かし、27周目には1位でピットイン。戦略通りにマイク・ディメリオ選手へバトンを繋いだ。

しかしその後、 思わぬ悲劇が訪れる。41周目、コース上に撒かれた他車のオイルに乗ってしまい、マイク選手が転倒を喫してしまう。右足を負傷し走行不能となり、マシンも大破してしまった。サルベージされたマシンはピットに戻され、メカニックが必死の修復作業で蘇らせ約20分後に再びコースへ送り出したが、ポジションは47位へと後退。チャンピオンシップを懸けた最終戦は、早くも最大の試練に直面した。

それでもチームは諦めなかった。残り22時間を、ロマン選手とグレゴリー選手の2名で戦う決意を固めたのだ。走行間隔は極端に短く、体力も精神も削られる過酷な状況。それでも二人は力を振り絞り、前を追い続けた。両選手は強靭な精神力で攻め続け、開始から2時間半で37位へ、3時間半で32位へ、そして4時間半で27位へと着実にポジションを回復。

夕焼けに染まるポールリカールを駆け抜けながら、戦いは夜のステージへと移った。気温が下がり始めたコース上で、ライトに照らされるマシンは力強く走り続ける。限られた休息しか取れない中でも、二人は冷静さと気迫を失わず、刻むようにラップを重ねた。6時間経過時には21位、8時間で18位まで浮上。そして深夜、レース開始から10時間が過ぎた頃、ロマン選手はレース中のチームベストタイムを叩き出す。序盤の大きなアクシデントを感じさせないアタックは、まさに執念の走りだった。

夜が深まるにつれ二人の走りはさらに輝きを増し、12時間経過時点では9位へ。そして13時間にはついに6位に到達。47位からここまでのポジション回復は誰ひとりとして希望を捨てることなく、懸命な走りを続けた結果だった。さらなる快進撃を誓った矢先、14時間半を迎えた434周目、グレゴリー選手がマシンに異変を感じ緊急ピットイン。

メカニックは必死に修復を試みたが、致命的なトラブルが発覚し、チームはリタイアを余儀なくされた。14時間30分にわたる激闘の末、Team Kawasaki Webike Trickstarの挑戦は幕を閉じた。

序盤の不運によりマイク選手を失い、ロマン選手とグレゴリー選手は二人で走り続け、47位まで後退した順位から6位まで、驚異的な追い上げを見せた。その姿はまさに「決して諦めないチームの強さ」を体現していた。Team Kawasaki Webike Trickstar発足から3年目。初めてチャンピオンシップを目前に戦えたシーズンは、悔しい幕切れとなったが、確実に大きな前進を遂げた一年でもあった。

この挑戦を支えてくださったスポンサーの皆様、そして熱い声援を送り続けてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

着実にマシンは進化を遂げ、シーズンを通じてその信頼性と戦闘力を証明しました。また、ライダー陣も厚みを増し、トップを狙える高いポテンシャルを備えていることを示しました。我々はこの経験を糧に、 チームとしてさらに強く、さらに進化を遂げます。
必ずや来シーズン、世界の舞台で頂点を掴み取るために。Team Kawasaki Webike Trickstar は挑戦をやめません。これからも共に歩み、共に戦い、必ず勝利を届けます。

選手・マネージャーコメント

ロマン・ラモス選手コメント

正直に言うと、私たちが期待していたレースにはなりませんでした。
序盤にマイクが大きな転倒をしてリタイアとなり、残りの22時間を2人のライダーだけで戦うことになりました。グレゴリーと私はチームを再び良いポジションに戻すために懸命に戦いましたが、残り9時間のところでマシンが止まってしまいました。
シーズン最後のレースをこのような形で終えることになり本当に残念ですが、耐久レースとは時にこれほどまでに厳しいものです。1年間を通して努力してくれたチーム全員に感謝していますし、このチームの一員として走る機会をいただけたことにも心から感謝しています。本当にありがとうございました。

マイク・ディメリオ選手コメント

本当に残念です。私たちはこの最終戦に向けてしっかり準備をしてきただけに、悔しくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。
私が転倒したとき、オイルがコースに出ていたにもかかわらず、イエローフラッグは出ていましたが、オイルフラッグが掲示されていませんでした。最初の2つのコーナーを抜けたところで、炎上したマシンが見えた瞬間にはすでに私は転倒していました。立ち上がろうとしましたが、その時点で脚が折れている感覚がありました。
私は病院に搬送されることとなり、その後は病院からレースを見ていましたが、チームは本当に素晴らしい走りをしてくれました。47位から6位まで追い上げたことは、本当に見事だったと思います。
最後はマシントラブルでリタイアとなってしまいましたが、あの走りは本当に誇らしいものでした。Team Kawasaki Webike Trickstarでの初めてのシーズンは、自分にとって非常に大きな経験となりました。
多くを学ぶことができましたし、 カワサキから得た知識やサポートにも感謝しています。
残念な形でシーズンを終えることになりましたが、また強くなって戻ってきたいと思います。

グレゴリー・ルブラン選手コメント

ボルドール24時間耐久レースが幕を閉じました。序盤、チームメイトのマイクが他車のエンジントラブルによるオイルに乗って転倒してしまい大きな試練に直面しました。
しかしチームは素晴らしい仕事をしてくれ、47番手、先頭から8周遅れの状況からレースに復帰。そこからロマンと私の2人で15時間にわたり走り続け、6位まで追い上げることができました。私たちは一切諦めず、リレーを重ね続け、ピット作業でもテクニカルスタッフが確実に支えてくれました。
しかし、最後はマシントラブルに見舞われ、ミストラルストレートで無念のリタイア。耐久レースの厳しさを突きつけられる結果となりました。
それでも、この過酷な状況の中で示されたチーム全員の闘志、献身、そして連帯感は、何よりの誇りです。チーム、スタッフ、メカニック、仲間のライダー、スポンサー、サポートしてくれた皆さん、そして家族に心から感謝します。
最終的に我々は世界耐久選手権で年間ランキング4位という結果を残すことができました。これからは2026年に向けて前進していきます。  

鶴田竜二 チームマネージャー コメント

今回のボルドール24時間耐久レースでは、我々Team Kawasaki Webike Trickstarは全力で戦いましたが、結果は非常に悔しいものとなりました。
レース序盤は好調な走りで表彰台を狙えるポジションにつけていましたが、マイク・ディメリオの不運な転倒と、マシントラブルにより大きく順位を落とす展開となりました。それでもライダーたちは決して諦めることなく、マイクの想いを背負い、ロマン・ラモスとグレゴリー・ルブランが力を合わせて夜を徹してプッシュし続け、驚異的な追い上げを見せてくれました。残念ながら14時間を過ぎた時点で深刻なマシントラブルによりリタイアを余儀なくされましたが、最後まで諦めず戦い抜いた姿勢こそが我々チームの誇りです。
この困難なレースを共に戦い抜いた選手、スタッフ、そして現地・日本から熱い声援を送り続けてくださった多くの皆様に、心より感謝申し上げます。
今シーズンは世界タイトルを争うシーズンであり、鈴鹿8耐を終えた時点でランキング3位につけ、そして最終戦でもチャンピオンの可能性をみせることができました。悔しさは残りますが、この経験を必ず糧にし、さらに強いチームへと成長していきます。
我々の挑戦はこれからも続きます。Team Kawasaki Webike Trickstarは決して立ち止まらず、皆様と共に世界の頂点を目指し続けます。引き続き、変わらぬご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

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情報提供元[ トリックスター ]

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