©Trackhouse Racing

サンマリノGPでは、イタリア人ファンの大きな声援にミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリが包まれる。

今年のサンマリノGPもまた、決勝レース後の表彰式では、ファンがその周辺にぎゅうぎゅうに詰めかけた。彼らを彩るのは、数年前まではほとんどイエローだった。地元の英雄、バレンティーノ・ロッシのカラーである。ロッシが引退した現在では、イエローは健在ではあるものの、ドゥカティを象徴とする赤と勢力を分け合っている。

決勝レースはマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)とマルコ・ベツェッキ(アプリリア・レーシング)が見ごたえある優勝争いを演じ、マルケスが優勝を飾った。次戦の日本GPで、マルケスは2019年以来となるチャンピオン獲得に挑む。

そんなサンマリノGPの日本人ライダーたちの戦いをお届けする。

小椋藍が決勝レースで転倒リタイア

前戦カタルーニャGPで6位を獲得した小椋藍(トラックハウス・MotoGP・チーム)だが、サンマリノGPは厳しい週末になるだろうと考えていた。

カタルーニャGPが開催されるバルセロナ-カタルーニャ・サーキットは、路面のグリップが低い。このため、タイヤをいたわって走ることができる小椋の強みが生きた。しかし、ミサノは路面のグリップがいいサーキットであり、こうしたサーキットの場合、小椋は周りほどタイムを上げることが難しい。これが現在の小椋の課題でもある。

金曜は苦しいスタートとなり、プラクティスで21番手。土曜日のQ1は5番手で、ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)が走らなかったため14番手からスタートしたスプリントレースでは、12位だった。

「今日わかったことを明日につなげるだけです。明日は、今日から明日にかけて『成長できたな』と思える走りができたらいいんじゃないかなと思います」と囲み取材で語っていた。

ただ、決勝レースを15番手からスタートした小椋は、3周目に12コーナーで転倒を喫してリタイアとなった。この日、小椋の囲み取材は行われなかった。チームから提供された情報によると、メディカルセンターで検査を受け、右手首を痛めたという。

翌日の月曜日は公式テストが予定されていたが、小椋は走行を見送った。9月15日時点のチームからの情報によると、月曜日朝に行われた検査により、右手の人差し指、中指、薬指の中手骨基部(中手骨の下の部分)に骨挫傷(骨の内部に炎症や内出血が生じた状態)が確認され、小指を含むすべての指に炎症が見られるとのこと。手首と左足にも腫れがあるということだ。

決勝レースの3周目、転倒リタイアとなった小椋(#79)©Trackhouse Racing

Moto2佐々木歩夢は3戦ぶりにポイントを獲得

佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は12番手から決勝レースをスタートし、14位でゴールした。レース序盤に前のライダーに引っかかり、ブレーキングで苦戦していた佐々木は、抜くのに時間がかかった。その間に前のグループから離れてしまった。とはいえ、前戦、前々戦と転倒リタイアに終わっていただけに、完走してポイントを獲得できたことは大きい。

「ペースはまったく変わらず走れたのですが、序盤に引っかかってしまったのが、尾を引きました。ペースとしては8位から10位くらいのペースがあったとは思います。でも、過去2戦、自分のせいではないけれど転倒で終わっているので、ポイントを獲得できて日本GPを迎えられたのはよかったと思います」

この数戦で佐々木のパフォーマンスは、確実に上がっている。その要因の一つは、チームとの相互理解が進んだことにあるという。

「ここ数戦、チームとのコミュニケーションがさらに進んでバイクのフィーリングもよくなってきています。ベースのセットアップが少しずつ前に進んでいるのは確実です。僕がバイクに求めていることを、チームが理解して提供してくれているのが大きいですね」

3戦ぶりに完走、ポイントを獲得した佐々木(#71)。この流れで母国グランプリに挑みたい© RW-Idrofoglia Racing GP / Rafa Marrodán

一方、國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)は10周目に転倒を喫し、リタイアに終わった。転倒による怪我などはなかった。

「今週末はほんとうにひどくて、何もフィーリングがない状態でした。カタルーニャよりも状況が悪かったんです。フィーリングがないなか、それでも攻めたので転倒につながった。そういう可能性は高い状況でした」

國井にとって、サンマリノGPは総じて厳しい週末となった©Honda Team Asia

Moto3の山中琉聖は8位、古里太陽は12位

昨年、ミサノ・サーキットのバンプに苦しめられた山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)は、「今年はその部分が少し改善されてきました」と語っていた。決勝レースでは8番手からスタートし、8位でゴールしている。

「土曜日のFP2(フリープラクティス2)の時点でトップと比べて0.2、3秒くらいペース差がありました。決勝はそのペースをなるべく埋められるように序盤から取り組んでいたのですが、やっぱり少しペース的な部分で序盤は難しくて、(前と)離れてしまいました」

「ただ、昨年苦戦したサーキットで、今週は走れた部分もありました。そこはよかったけれど、足りないところがあったんじゃないかなと思います」

昨年からの前進を見せた山中は、8位でゴール©MSi Racing Team

前戦カタルーニャGPで今季2度目となる表彰台を獲得した古里太陽(ホンダ・チームアジア)は、サンマリノGPで初日から好感触をつかんでいた。ミサノ・サーキットは古里が得意とするサーキットということもあった。Q2で7番手を獲得し、「今年いちばんいい」というほどだった。

しかし、決勝レースでは苦戦を強いられ、我慢のレースとなった。古里は12位でチェッカーを受けている。

「フロントタイヤのフィーリングに苦戦して攻めきれませんでした。残念です」と、言葉少なにレースを振り返っていた。

初日からいいフィーリングがあっただけに、決勝レースの結果には「残念」と語る©Honda Team Asia

次戦第17戦日本GPは、9月26日から28日にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。

ギャラリーへ (5枚)

この記事にいいねする


コメントを残す