鈴鹿8耐から約20日、今度は全日本ロードレースシリーズが再開!前戦スポーツランド菅生大会から約3カ月、久しぶりのJSB1000クラスでは、とうとうBMWパワーが全日本を制しました!

8耐の勢いをそのままに 金曜のフリー走行から浦本驀進!

灼熱のハチタイから約20日、少し短いインターバルに思えるサマーブレイクを経て、全日本ロードレースが再開されました。6月21~22日に行なわれた第3戦・筑波大会は、JP250クラスとJ-GP3クラスのみの開催だったため、JSB1000クラスの開催は、5月24~25日の第2戦・菅生大会以来、実に3カ月ぶり。ハチタイに出場したチームにとっては、使用マシンを耐久仕様からスプリント仕様に変更しなければならない、忙しい8月になったようです。

再開された全日本ロードレースの舞台は、モビリティリゾートもてぎ。JSB1000クラスは2レース制で行なわれ、8月下旬とはいえ、まだ厳しい暑さが残るコンディションで、まずはレースウィーク初日の金曜日に、フリー走行が行なわれました。
ここでは中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)がトップタイムをマーク、浦本修充(オートレース宇部レーシング)、津田拓也(チームスズキCNチャレンジ)、野佐根航汰(Astemo Pro Honda SIレーシング)、長島哲太(ダンロップレーシングwith YAHAGI)、岩田悟(チームATJ)が続いてのトップ6。中須賀がマークした1分48秒904は、開幕戦・もてぎ大会の初日走り出しと比べて、中須賀個人タイムでも0秒6の遅れ。これが暑さによるデメリットなのでしょう。暑いとエンジンパワーが出しにくく、路面温度が高いからレースタイムもなかなか伸びない、というのがタイム低迷の原因でしょう。
土曜に行なわれた公式予選では、今度は野佐根がトップタイムをマークし、レース1のポールポジションを獲得。2レース制のため、レース2のポールポジションは中須賀が獲りました。ここでも、ポールタイムは開幕戦での水野涼(DUCATIチームカガヤマ)のタイムよりも0秒8、遅れています。

「ポールポジションはヤマハ在籍時代以来、5年ぶり。うまく組み立てられたし、チームが喜んでくれたのがうれしかったですね。ただ、決勝レースはきょう土曜が15周、あす日曜が20周と長いので、とても暑いコンディションで難しいレースになると思います。ペース配分をきちんと、優勝を狙っていきたい」と野佐根。

レース1のスタート。2レースとも野佐根が抜群のスタートでホールショットを獲得

その土曜に行なわれたレース1では、まずポールシッターの野佐根がホールショットを獲得。中須賀、浦本が続き、まずはフロントローの3人が好スタート。その中で2列目4番手スタートの津田がペースを上げ、2コーナーをクリアして2番手に、そして130Rをクリアしたあたりで野佐根をかわしてトップに浮上! 野佐根をはさんで浦本も3番手にポジションをアップし、4番手に中須賀がつけ、90度コーナーで野佐根が再逆転すると、オープニングラップは野佐根、津田、浦本、中須賀、名越鉄平(SDGチームハルクプロホンダ)、岩田の順でクリアします。

ここからペースを上げたのが浦本で、2周目の1コーナーで津田をかわすと、4周目のS字で野佐根をもパス。野佐根と、津田をかわして3番手に上がった中須賀が浦本を逃がすまいとチェイスしますが、浦本は徐々に後続との差を開き、独走体制へ。浦本のM1000RRが、1コーナーや90度コーナーといったストレートエンドはもちろん、S字でも先行のマシンを抜き去るさまは、全日本デビューから半年して、マシンが仕上がってきた証。ストレートが速いのはもちろんですが、決してそれだけではない戦闘力の高さを伺わせます。

レース1もレース2も序盤からトップに立って後方を引き離した浦本

このレース1の優勝争いは、序盤3~4周で勝負あり! 浦本が周回ごとに2番手以降との差を広げ、2位に入った中須賀に大量6秒以上の差をつけてフィニッシュ。2位に中須賀、3位には津田が入りました。4位には2列目5番手スタートから、スタートで大きくポジションを落とした水野、5位にホールショットから順位を落とした野佐根、6位に序盤からトップグループにつけながらも順位を落とした岩田が入ったレースとなりました。

浦本修充

「すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。いいレースができたし、まだ明日もあるので手放しでは喜べないというか、気を引き締めて。予選まで、いい勝負できるんじゃないかなとは思っていて、硬めのタイヤでタイムも出ていたので、後半になってもライダーのほうがタレないように。序盤、(野佐根)航汰が前を走っていて、いったん前に出てみて、中須賀さんが来ると思っていたので、追いつかれるまでは一生懸命走ろうと。マシンは、まずストレートスピードが大きな武器になっていて、8耐も含めてレース展開を組み立てやすいです。制御も、後半にタイヤが消耗しても問題なく走れるので助かっているかんじです」

日本レースデビューから半年でトップに上り詰めた浦本+BMW M1000RR

中須賀克行

「キツい戦いになるだろうなぁとは思っていたんですが、やっぱりこういう展開になって、もう少し自分でも追い込みたかったけど、開幕戦でも(浦本)ナオと戦って、かなり手強いなぁ、と思っていたので、今回もキツいだろうなぁ、とは思ってました。水野くんがまだ本調子じゃないようなので、ナオとふたりか、もうひとり、ナオが最後まで辛抱強く走っていたので、最後は離されてしまった、完敗です。ナオには初優勝、おめでとうと。明日はこうはいかないぞ、って気持ちです。レース中盤、もう少し逃がしたくないあたりで、ナオが速かったですね。僕のスピードが足りていなかったかんじですね。明日への伸びしろは……ちょっと難しいですね」

勝った浦本は、これが全日本ロードレースの最高峰クラス初優勝。浦本の全日本ロードレース優勝は2016年6月の菅生大会以来、9年2カ月ぶり。BMWがJSBクラスで優勝するのは史上初めてで、外国車が優勝するのは2024年のドゥカティ・パニガーレV4R以来。DUCATIチームカガヤマがパニガーレV4Rを日本に持ち込んだ2024年から、優勝したマシンはヤマハとドゥカティ、BMWのみ。ホンダはこれで16戦優勝なし、という状況で、間違いなく日本のロードレースが新しい時代に差し掛かっているのが実感できます。

レース1リザルト

浦本怒涛の2連勝 これぞBMW、Mパワー!

土曜に続いて、いや若干ほど暑さの増した日曜日に開催された、JSB1000クラスのレース2。このレースでも野佐根がホールショットを獲得し、中須賀と津田がアウトから、浦本と岩田がインから前に出て、またも混戦を予感させる出足となります。
3コーナーのブレーキングで長島が前に出て3番手に浮上。長島はそのまま5コーナーで中須賀をパスして2番手へ、130Rで野佐根をかわしてトップに浮上します! これらトップライダーの中では、長島だけがダンロップタイヤを使用していて、ダンロップタイヤはウォームアップ性能がいい半面、タイヤの消耗も早く、どうしてもブリヂストン勢が優勢なレースが続く中、60℃に迫る路面温度のレースに、おそらく硬いタイヤをチョイスし、そういったタイヤでいちばん苦手なはずのスタート周でこのスピードを出せるのが長島なのです。
レースは、一度は野佐根が抜き返すも、長島が再びトップに浮上。オープニングラップは長島、浦本、野佐根、中須賀、津田、水野、岩田、名越といった顔ぶれ。絶対王者・中須賀の前に、ダンロップタイヤの長島、BMWの浦本、ホンダの野佐根がいるという、まさに新時代の全日本ロードレースです。

レース2、先頭で集団を引っ張る長島をパスする浦本

レース2では中盤に転倒。シーズン残り3戦5レースも参戦する津田

2周目のV字コーナーでは浦本がトップに浮上。抜き返したい長島は、ブレーキングを深く深くとって、マシンをブルブル震わせながら、ズルズルに滑らせながら周回。そのやや後方では、津田を水野がかわし、浦本→長島→水野→中須賀→水野→津田の順。浦本は駆け引きなく、とにかく2番手以降を引き離したいレース。後方の4~5台は、序盤から浦本を逃がしたくないとは思いつつ、太刀打ちできない--そんなポジション争いに見えました。
レースは6周目に中須賀が3番手に上がって、これで浦本→長島→中須賀、7周目に中須賀が長島をかわして浦本→中須賀→長島の順になりますが、そのころには浦本がほぼ独走。浦本は、早々とBMWの2連勝を決めてしまいました。
2位に中須賀が入り、このレース2で光ったのは水野の復活。菅生大会前の事前テストで転倒、負傷して長期療養に入っていた水野ですが、復帰戦となったハチタイでも水野本来の走りは見られず、土曜のレース1でも後方からの追い上げで4位になるのが精一杯。

野佐根は引き続き、レース序盤のペースをキープするのが課題か

それでも、このレース2では津田をかわし、野佐根を刺し、長島を仕留めての3位までカムバックしてきました。水野、完全復活までもうひと息、という感じでした。レース中盤の長島vs水野の3番手争いは実に見応えがありましたね。
その水野とバトルを繰り広げた長島も光る走りを見せました。上記のようにダンロップタイヤの特性と戦う長島は、もっとも苦手なはずのこの時期のレースで、最終的に4位フィニッシュ。おそらく長島が開発してきたダンロップタイヤが、ここへきてようやく目標の性能を引き出せるようになったがゆえの、この順位だったのだと思います。

浦本修充

「今日も勝ち切れてホッとしています、すごく嬉しい。でも、疲れすぎました、本当にキツかった。(長島)哲太がすごい勢いで前に来たので、早めに抜いてスピード出しておこう、とトップに立って淡々と走ろうという作戦でした。とにかくキツかったです。

オートレース宇部レーシングにとっても全日本ロードレース初優勝!

中須賀克行

「きのうから少しセッティングを振って、キツくなるとは思ってましたが、このレースはアベレージでペースを作れませんでしたね。昨日のようにトップを独走させずに、もっと詰めようとは思っていたんですが、やっぱり(浦本)修充が速かった。それでも全力で走った結果、走りをセーブしての2位ではない、いまの現状100%で走ったので、次への課題も見つかったレースでした」

2レースとも浦本に「完敗です。この週末はペースが作れなかった」(中須賀)

水野涼

「全日本のレースに戻ってこられてよかった、菅生大会前にケガをして、ケガよりもレースを欠場したことが悔しかったので、ここまで回復できてよかったです。もちろん、出場するからにはケガなんて関係なく、優勝を狙って走っていますから、このウィークのコンディションに合わせられずに、上位ふたりに歯が立たなかったにが悔しい気持ちしかないですね。ケガは、乗るごとに体が動くようになってきていて、周回するごとにタイムが上がってきている状態です」

転倒からの大けがを克服しつつある水野。オートポリスで完全復活!?

ダンロップタイヤの開発を兼ねての実戦で結果を残し始めた長島

レース2では水野vs長島が白熱。水野の復活と長島の本領発揮の戦い

レース2リザルト

残りはもう3戦5レース 浦本は世界耐久出場で2戦を欠場

これで全日本ロードレースは、オートポリス大会で2レース、岡山国際大会で1レース、最終戦MFJグランプリ鈴鹿大会で2レースと3戦5レースを残すのみ。さらに、このオートポリスと岡山大会は、オートレース宇部レーシングの当初の目標「世界耐久への本格参戦への足がかり」どおり、ボルドール24時間耐久出場のため、浦本が欠場。チャンピオン争いは、中須賀の独走となりそうな雰囲気です。
オートレース宇部にとってのオートポリス大会と岡山国際大会は、チーム本拠地にいちばん近いレースという面がありながら、ボルドール24時間耐久へのマシン準備と出場、帰国のために、この2戦を欠場するという本気ぶり。

「もてぎ大会が終わったら鈴鹿のワークショップに戻って、ボルドールに出場するパーツをチェック、今週中にマシンと備品をヨーロッパに送ります。全日本のレースを欠場してまでボルドールに挑戦するからには、24時間耐久をしっかり完走して、最終戦のMFJグランプリに凱旋したいと考えています」(オートレース宇部レーシング 中井チームディレクター)

デビューイヤーで日本の頂点へ昇りつめた浦本とBMW・Mパワーが、世界耐久の本場、フランスの24時間耐久でどうレースしてくるのか、今から楽しみに送り出したいと思います。

ダブルウィンを果たした浦本。BMWは速い、浦本は強い!

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