© MSi Racing Team

2025年シーズンのMotoGP後半戦は、オーストリアGPで幕を開けた。

オーストリアGPの決勝レースは、MotoGPにおける通算1000レース目となった。この記念すべきレースで優勝を飾ったのは、マルク・マルケスである。この優勝は、マルケスにとって、レッドブル・リンクにおける初優勝でもあった。

そんなオーストリアGPの日曜日、日本人ライダーとして表彰台に上がったのが、Moto3ライダーの山中琉聖だ。

Moto3山中琉聖、今季2度目の表彰台獲得

山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)は、オーストリアGPの金曜日から好調だった。予選Q2では転倒を喫したものの、3番手フロントロウを獲得している。フロントロウは、カタールGPのポールポジション以来のことだ。山中自身、土曜日を終えて、Q2の転倒を除けばいい週末になっていると感じていた。

「特に結果にこだわりはありません。いい感じで走れているので、ペースをキープしつつ、後半まで粘れればいいかな、とは思います」

決勝レースは、ほとんど山中が語っていた通りの展開となった、と言っていいだろう。

山中は3番手からスタートして、レース前半は4名のライダーで形成されたトップ集団に加わった。前半、レースをけん引したマキシモ・キレス(CFモト・ガビオタ・アスパーチーム)と山中は、それぞれに速いところ、遅いところが異なっていた。そう理解していた山中は、あえてトップを走るのではなく、2番手付近で終盤に備えた。

残り3、4周になると、後方から追い上げてきた古里太陽(ホンダ・チームアジア)やダビド・ムニョス(リキモリ・ダイナボルト・インタクトGP)がトップ集団に加わり、6、7台のグループとなる。

「走りながらスクリーンを見ていて、なんとなく(後ろから)近づいてきているな、とは思っていました。でも、ラスト数周でいきなり抜かれたので『もう追いついた!?』と、ちょっと驚きではありましたね。予想外でした」

山中は最終ラップ、7コーナーを4番手で立ち上がり、スリップを使って9コーナーのブレーキングで古里とムニョスをかわして2番手に浮上した。そして、チームメイトであるアンヘル・ピケラス(フリンサ-MTヘルメット-MSI)に次ぐ2位でチェッカーを受けた。ピケラスとの差は、わずか0.096秒だった。

「今回は自分の強みが9コーナーしかなかった。そこ以外で抜くのは難しかったと思います。前とは少し離れていましたが、いつもは9コーナーまでに追いつくので、そこまでに抜こうかなとは思っていました」

「(3位表彰台を獲得した)カタールのときはシャンパンファイトができなかったので、(今回)シャンパンファイトができたのはよかったです」

山中は、「もちろんうれしいけれど、悔しい部分もある」とも言う。Moto3初優勝への期待を感じさせる2位表彰台となった。

山中はチームメイトとのワンツーフィニッシュで、自己ベストリザルトの2位© MSi Racing Team

Moto3古里太陽は惜しい6位

古里は、15番手からスタートして見事な追い上げを見せた。3秒以上あったトップとの差は周回を重ねるほどに詰まっていき、レース終盤にトップ集団に追いつく。13周目には1分40秒048を叩き出し、古里は、2024年に鈴木竜生が記録したベスト・レースラップ1分40秒092を更新した。非常にいいペースだったのだ。ただ、これは本人としては想定内だった。

終盤にトップ集団に加わった古里は、最終ラップの7コーナーで2番手に浮上した。しかし、9コーナーの進入で山中にかわされ、ムニョスとの接触もあって後退を余儀なくされた。古里は6位でゴールしている。

「ウイークを通して頑張っていたし、ペースとしてもよかった。もうちょっと前で終わりたかったですけどね」

最終ラップでともに表彰台を争った山中との日本人ダブル・ポディウムは、古里の頭にもよぎっていた。惜しくも6位に終わったが、気概を見せた好レースだった。

古里は15番手から追い上げて表彰台争いに加わった©Honda Team Asia

小椋藍はブレーキングに苦戦も「いい内容」で週末を終える

レッドブル・リンクは、小椋藍(トラックハウス・MotoGP・チーム)が得意とするサーキットである。

金曜日の走り出しは悪くなかった。午後のプラクティスは12番手で、「戦いの中に入っている感じはあります。いつもは関係ないくらい下のポジションだから」と語っていた。12番手といっても、Q2ダイレクト進出となる10番手のブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)までは0.032秒という僅差だったのだ。

しかし、土曜日に状況が変わった。ブレーキングに苦戦したのである。スプリントレースでは19番手スタートで15位でゴールした。

日曜日の決勝レースに向けては、車高を上げてフィーリングを少し改善した。小椋は14位でフィニッシュしている。苦しんでいる週末であっても、小椋はスタートポジションから確実に順位を上げてゴールするのである。

「内容としては、今日はだいぶよかったと思います」

ルーキーの小椋にとっては、ある意味で内容は結果以上に重要だ。小椋が「だいぶよかった」と言うのだから、今後につながるレースとなったのだろう。

土曜日からブレーキングに苦戦した小椋(#79)。それでもレースでポジションを上げてゴールできる強みは変わっていない©Trackhouse Racing

Moto2佐々木歩夢が13位でゴール

佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は15番手からスタートし、スタートで11番手付近にまで浮上したが、他のライダーに接触されてポジションを落とした。それでも、Moto2クラスにおける自己ベストリザルトに次ぐ13位でゴールを果たした。

「接触、後退が3周目だったので、前のグループに逃げられてしまいました。今のMoto2クラスはみんな同じペースなので、一度離れてしまうと追いつくのが難しいんです。その接触がなければ8番手争いはできたと思うのですが。でも、ポイントを獲得できたのはポジティブですね」

國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)は、28番手からスタートして24位だった。國井は、前戦チェコGPの決勝レースにおける佐々木との接触に対してロングラップ・ペナルティを科されており、序盤にこれを消化してのレースだった。

「バイクのフィーリングがまったくなく、攻められる感覚もなかった。ほんとに、とにかく難しかったウイークでした」

いい流れで週末を終えた佐々木(#71)。トップ10入りも近い©RW-Idrofoglia Racing GP / Rafa Marrodán

レッドブル・リンクで厳しい戦いを強いられた國井©Honda Team Asia

次戦第14戦ハンガリーGPは連戦で、8月22日から24日にかけて、ハンガリーのバラトンパークで初開催される。

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