写真・文/中村浩史

鈴鹿8耐も終わり、今週末はすぐに全日本ロードレース第4戦「スーパーバイクinもてぎ」。鈴鹿8耐に出場した人、出場しなかった人、そして活躍した人、そうでなかった人。それぞれのライダーが、今シーズン2度目のモビリティリゾートもてぎに挑む。

※今回使用した写真は2025年の鈴鹿8耐のものを使用しています

注目は2台の外国車、BMWとドゥカティ

日本最大のレースといっていい鈴鹿8耐が終わりました。結果はホンダHRCの4連覇ということになったんですけれど、優勝メンバーはヨハン・ザルコと高橋巧、全日本ロードレースとは関係のないふたりによる優勝となりましたね。

全日本ロードレースは、6月21~22日の筑波大会以来ですが、メインカテゴリーのJSB1000クラスの開催はなし。JSB1000クラスは、5月24~25日の第2戦・スポーツランド菅生大会以来、実に90日ぶり。鈴鹿8耐に出場したチームは、マシンを耐久仕様からスプリント仕様に組み直さなければならない、忙しい夏休みになっただろうと思います。

そのモビリティリゾートもてぎ大会ですが、やはり優勝候補はいつものメンバー。ド本命の絶対王者・中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)に、他メンバーが立ち向かっていく、という構造になりそうです。

その中須賀は、鈴鹿8耐でちょっと元気のないところが見えました。チームを組んだライダーが、MotoGPライダーであるミラーと、WSBKライダーであるロカテッリということもあり、マシンを鈴鹿を走る仕様としてしっかりセットアップして、スピードのあるふたりに託したと考えられますが、やはり日本の中須賀ファンとしてはトップ10トライアルを走る中須賀も見たかったし、決勝レースでもファーストスティントからHRCの高橋とバチバチにやりあう姿も見たかった。

しかし、ミラーとロカテッリのサポートに徹したレースから解き放たれて、自分のレースをする中須賀の爆発力もまた、楽しみにしたいものです。

「2位という成績は、8耐でライダー、チーム全員がベストを尽くしたもの。それだけやってHRCに届かなかったということです。レースでは、チームメイトのふたりに表彰台に連れて来てもらったようなもので、自分がもう少しペースを作れたら、また違う結果になったかもしれない悔しさもあります。もてぎ大会ではしっかり自分の力を出し切っていきます!」(中須賀)

鈴鹿8耐ではMotoGP、WSBKライダーのサポートに徹した中須賀克行

打倒中須賀の一番手は、いつもなら水野涼(DUCATIチームKAGAYAMA)を挙げるところですが、鈴鹿8耐の走りを見ると、まだ菅生大会の事前テストでの負傷が完全に癒え切っていないようで、対抗印を外します。

替わって対抗に推すのは、浦本修充(オートレース宇部レーシング)。浦本は、鈴鹿8耐で6位入賞と、ニューマシン+新チームでの参戦としてはじゅうぶんに及第点を与えられる結果となりましたが、鈴鹿8耐はあくまでも3人ライダーを中心としたチーム戦。ロリス・バズと、レースウィークに急遽起用が決まったデイビー・トッドという3人よりも、浦本個人の戦闘力はもっともっと高いはずです。

その証拠に、計時予選の上位10チームが参加できる、8耐決勝レース前日のトップ10トライアルで、全20人の最後から2番目に出走した浦本は、2分05秒001というタイムをマークし、全日本人ライダーのトップタイムを記録! 浦本は、フリー走行と計時予選でもタイムを2分04秒台に入れていて、計時予選の個人記録では、浦本が全ライダー中のトップだったのです。

結局、トップ10トライアルで浦本より速かったのはMotoGPライダーと、WSBKライダーの2人のみ! なにより、上位2人はホンダとヤマハのワークスマシンであり、浦本のBMW M1000RRは、ワークススペックのエンジンを使用しているとはいえ、マシン全体はオートレース宇部レーシングという、プライベートチームが組んだものなのです。

「新チームとかニューマシンという特別な感じはしなかったし、いつもの8耐という感じでした。6位という結果は、うーん……もっとやれたかなぁ、って悔しさが残ります。初めて8耐を走るロリスとデイビーにはすごく頑張ってもらったから、もっと僕が引っ張っていかなきゃいけなかったですね。僕自身の走りもまだまだ納得のいくものではなかったです」(浦本)

開幕戦も走って2度目のもてぎとなるオートレース宇部、浦本修充

そして、対抗印を外したとはいえ、開幕戦のもてぎ大会を勝った水野も、☆印をつけておきたい存在です。水野は、やはり肩の骨折からいきなりの復帰戦ということで、本来はスタートライダーも務めるはずが、スタートをレオン・ハスラムに譲り、2番手はマーセル・シュロッターに、そして3~4スティント目もハスラム→シュロッターと回して、シュロッターが転倒したあと、5スティント目にようやく登場。この回は24周して、最終スティントにも登場し、23周回。

走行ベストタイムも、5スティント目が2分09秒022と(水野にしては)平凡なもの。しかし路面コンディションも悪化、薄暮から夜になる最終スティントでは2分08秒807とタイムアップしてみせました。

チームKAGAYAMAの結果は、シュロッターの転倒からのマシン修復もあって29位に沈んでしまいましたが、レース終了後にピットロードで号泣していた水野の心情を慮ると、やはりひとつの転倒があとあとのレースまで響いてくる、という当たり前のレース常識を思い知らされた感じでした。

「最後の走行では、ようやく肩が普通に動いた感じでした。この悔しさは、もてぎで優勝するしかないです。もう、全ライダーをぶっちぎって勝つ気でいます」(水野)

負傷箇所の回復具合がそのまま成績を左右しそうな水野涼

上記ふたりの外国車ユーザーのほかは、もてぎを得意とする野佐根航汰(Astemo Pro Honda SIR)、鈴鹿8耐が終わっても参戦を続けてくれる、第2戦・菅生大会で表彰台に登壇した津田拓也(チームスズキCNチャレンジ)も表彰台候補といえるでしょう。名越哲平(SDGチームハルクプロホンダ)は鈴鹿8耐でも元気はなく、菅生大会の転倒で負った負傷がどこまで回復しているか--。

他に楽しみなのは、開幕戦でも光る走りを見せた伊藤和樹(ホンダドリーム桜井ホンダ)、鈴木光来(チームATJ)のホンダ若武者ふたり。それに、おそらくスタートから逃げるであろう、暑い季節や高い路面温度を苦手とするダンロップタイヤを履く長島哲太(ダンロップレーシングwith YAHAGI)がどこまで逃げるかにも注目です。

いつ勝つか、いつ勝つか、もてぎを得意とする野佐根航汰

鈴鹿8耐が終わってもスポット参戦を継続。26年型GSX-R1000R発売への準備か

開幕戦もてぎでも好走を見せた伊藤和輝。ブレイクのきっかけはいつ?

チームメイトの先輩、岩田を脅かす存在になりつつある鈴木光来

ギャラリーへ (8枚)

この記事にいいねする


コメントを残す