昨年のハチタイに突如として参戦したスズキワークスチーム。しかし、単なるワークスチームでのレース活動の復活ではなく、カーボン・ニュートラルを旗頭に、来るべき将来のレースを思い描いたレースでした。

スズキ、2年目のカーボンニュートラルチャレンジに注目!

今大会でもチームの指揮を執る佐原伸一プロジェクトリーダー。もはやスズキのレース活動には欠かせない顔だ。

昨年、バイオ由来燃料や再生&リサイクル素材の比率を向上したブリヂストンタイヤ、サンスター製非熱処理鋼ディスクと東海カーボン製低ダストパッドなどを使用し、ロードレースとカーボンニュートラルの融合に成功してみせたチームスズキ。EWCレギュレーションに合致しない仕様、いやレギュレーションよりも進んだ仕様ということで「エクスペリメンタル」(=実験)クラスでの参戦となりましたが、EWCマシンに割って入っての総合8位(エクスペリメンタルクラス優勝)という結果を残しました。

2025年のハチタイにも早々と参戦を表明し、全日本ロードレースの開幕戦もてぎ大会と第2戦スポーツランド菅生大会に、事前テストを兼ねてのスポット参戦を果たし、第2戦・菅生大会では、津田拓也が3位表彰台に登壇。準備がうまく進んでいるのを伺わせてくれました。

そしてカーボン・ニュートラルチャレンジの2年目としてのテーマが公開されています。これも、前回のヨハン・ザルコインタビューと同じく、EWCのオフィシャルサイトからの紹介とさせていただきます。

2025年ハチタイのチームスタッフ。昨年の大会では、社内各部署から希望者を募ってのチームスタッフ編成だった。(Photo/EWC)

革新的なスズキは2025年100%持続可能燃料でハチタイへ

エクスペリメンタルクラスだけに、ヨシムラEWCマシンには装着されていないウィングレットが見えるGSX-R1000R CNチャレンジ仕様。

スズキ㈱の革新的な取り組み「Team SUZUKI CN Challenge」が2025年の鈴鹿8耐に帰ってきます。昨年は総合8位、クラス優勝を収めたこのプロジェクト、2025年には大きな違いがあります。それが使用燃料。昨年の大会ではバイオ由来燃料40%を含む燃料を使用していましたが、今年度の大会では100%サステナブル燃料を使用する、と発表されました。

この取り組みは、スズキが掲げる「耐久レースという過酷な実走行環境を通じて、環境負荷の低減と高性能の両立を図り、環境性能技術を加速させる」目標に沿ったもので、レース活動を通じて得られる貴重なデータを検証し、今後の製品開発に技術的なフィードバックを行なうものです。

スズキ株式会社 代表取締役社長・鈴木俊宏のコメント

「昨年のハチタイは当社にとってはまったく新しい挑戦でしたが、ヨシムラジャパンをはじめとするパートナー企業や熱心なファンの皆様のおかげで、総合8位という成績を収めることができました。今年も持続可能分野での技術開発の一環として参戦を継続しますが、これは単なる継続ではなく、より高い目標を掲げ、様々な課題を克服していくという意味を持ちます。パートナー企業と一丸となって製品づくりに取り組むことで、より良い未来の実現につながると信じています」

スズキ株式会社 二輪事業本部 本部長・田中剛のコメント
「昨年、Team SUZUKI CN Challengeはハチタイという過酷な耐久レースを走り切りつつ、環境負荷の低減にも成功し、内燃機関とモータースポーツの未来に向けた大きな一歩を踏み出しました。今年は、前回明らかになった課題を克服し、持続可能な素材の使用をさらに拡大し、より高い持続可能性能に挑戦するための技術開発に取り組みます。今年のハチタイでは、カーボンニュートラルの枠を超え、広い視点での環境負荷低減をテーマに挑戦します」

スズキのテストライダー津田選手を軸に、アルバート・アレナス選手、エティエンヌ・マッソン選手を起用!

今年のライダーラインアップで、佐原が真っ先にライダーに起用したかったというエティエンヌ・マッソン。ヨシムラSERTチームの正ライダーだけに、耐久を知り尽くしている。

Team SUZUKI CN Challengeの今年のライダー体制は、スズキのテストライダー津田を軸に、昨年ヨシムラSERTからの参戦で3位表彰台に登壇したアルバート・アレナス、さらにヨシムラSERTの正ライダーのエティエンヌ・マッソンのトリオ。

スズキの狙いは、100%サステナブル燃料という、走行燃費の読めない燃料を使用し、再生・リサイクル素材の比率を向上したブリヂストンタイヤという、タイヤライフの読めないタイヤでハチタイに参戦し、EWCマシンに戦いを挑むというもの。もちろん、クラス優勝だけではなく、(章典外だけれど)優勝を狙っているはずです。

全日本ロードレースには、通常のJSB1000仕様のマシンでスポット参戦した津田拓也。

二輪、四輪にかかわらず、モータースポーツは化石燃料をじゃぶじゃぶ使って、いまだに時代遅れの出力戦争を繰り返している、というネガティブな意見があるのは事実。Team SUZUKI CN Challengeが、EWCマシンと互角に戦うシーンがみられるとなったら、モータースポーツの世界も、もっとステナブルな比率を上げて未来に持続していく--それがスズキの本当の狙いなのです。

第2戦・菅生大会では、2レース制のレースで両レースとも3位入賞。レース1のみ、黄旗無視をとられての降着となった。

マッソン、津田に続いて第3の男に指名されたのはアレナス。現役Moto2ライダーがハチタイでどんな走りを見せるのだろう。

スズキGSX-R1000R CNチャレンジ仕様

・ゼッケン:0
・燃料:TotalEnergies「Excellium Racing 100」(100%認証済み持続可能燃料)
・タイヤ:ブリヂストン 再生・リサイクル素材の比率を向上
・エンジンオイル:バイオ由来ベースオイルを使用したMOTUL製
・カウル:JHI製リサイクルカーボン(プリプレグ)
・フェンダー:Tras Bcomp製 漂白なし天然フラックス繊維複合材
・フロントブレーキ:サンスター製非熱処理鋼ディスク&東海カーボン製低ダストパッド
・バッテリー:ELIIY Power製LFPバッテリー(マシン用&ピット用)
・サイレンサー:ヨシムラジャパン製環境配慮型チタンTran Tixxii Eco
・チームウエア:RSタイチ製100%リサイクル素材使用ポロシャツ

第9回【Road to 8HOURS】Team SUZUKIの鈴鹿8耐! 2年目のカーボン・ニュートラルの全容が判明 ギャラリーへ (7枚)

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