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サイドバイサイドの僅差で#07吉原寅之介優勝 & 渇望し続け初優勝を手にした#05蘇勇太
■2025 MiniGPジャパンシリーズ第3戦
■2025年6月29日(日)
■茨城県 筑波サーキット コース1000
今シーズン2回目の開催となる筑波サーキット コース1000で第3戦を迎えたFIM MiniGPジャパンシリーズ。天気に翻弄された開幕戦とは打って変わって美しい青空が広がる夏日。気温、路面温度が高くタイヤの消耗やフィジカル面などに対して、より負担がかかり高度なコントロールが求められる。
フリー走行
朝のフリー走行3回は前戦使用したタイヤをそのまま使用。フリー走行全てトップタイムを記録したのは第2戦レース2で優勝したランキング2番手につける♯2吉村錬太朗。タイム自体は開幕戦の予選1とほぼ変わらない37秒867ではあるが既に午前中から高い気温と路面温度の中、開幕戦の筑波で苦戦をしていたイメージを払拭する走りを見せる。
フリー走行の時点で全12名が0.6秒の中にひしめき合う状態。4年目のシーズンは途轍もなく高いレベルの争いになっている。
予選 1
予選前に前後NEWタイヤに交換され、そのまま予選を2回。決勝を2回走り切る。先ずは15分間の予選1がスタート。
トップタイムは37秒766を記録した♯7吉原寅之助がレース1のポールポジションを獲得。♯2吉村と同じく開幕の筑波では良い結果を出せなかった♯7吉原。第2戦のウィナーである両名が筑波リベンジに臨む。2番手タイムは開幕筑波でダブルWINを獲得しランキングトップの♯3田中楓人。3番手には♯2吉村。4番手にルーキーながら開幕から両レース表彰台を獲得した♯11相原凛玖がつける。
この予選も前戦予選1と同じくTOP1.2は0.09秒差。全てのライダーが0.6秒以内の僅差となった。
予選 2
インターバルを置いて行われた予選2でもトップタイムは♯7吉原。見事ダブルポールとなる。2番手は0.01秒差で♯2吉村。3番手♯3田中。4番手に開幕筑波の両レースで表彰台に上った♯5蘇勇太。5番手は昨年の第3戦筑波で3位に入った♯8高江洲湊都。ここまでが0.08秒以内。全体は変わらず0.6秒以内に収まる結果となった。
RACE 1
15周で争われる決勝レース1の直前。ウォームアップ走行開始時にエンジンストールしてしまった♯8高江洲に♯4真木來人が接触。これによりマシン修復が必要となりスタートディレイとなる。
修復完了後、再度15時にコースインが行われ15周のレース1がスタート。ポールポジションからスタートした♯7吉原がホールショット。そのすぐ隣にセカンドグリッドの♯3田中が並び2コーナー立ち上がりで前へ。続く3コーナーでは♯7吉原が再度トップへ。2台の後ろに♯2吉村と続いていく。
5周目、1コーナーのアウトから♯3田中を♯2吉村がパスして2番手に浮上。続く3コーナーで5番手付近を走っていた♯11相原凛玖がイン側に飛び込むが曲がれず、2番手を走る♯2吉村に接触し転倒させてしまう。周りの数台もオーバーランなど影響を受けトップグループの内容が大きく変わる。トップは♯7吉原変わらず。2番手には♯5蘇があがり♯7吉原との距離を急激に詰めていく。3番手に♯6田中陸。4番手♯8高江洲。ここまでがトップグループ。
7周目。♯5蘇が3コーナーで♯7吉原のインに入りトップ浮上。トップ争いは37秒台に突入。8周目の3コーナーで♯7吉原がトップを取り戻そうとするが立ち上がりの速度が伸びず♯5蘇が前に出る。その後ろでは4番手を走っていた♯6田中が5コーナーで転倒してしまう。これによりトップ争いは♯5蘇、♯7吉原、♯8高江洲に絞られる。
10周目。トップ♯5蘇の後ろに♯7吉原が張り付く展開は変わらず。3番手の♯8高江洲は前の2台から少し離され始めたところでペースアップ。ファステストラップを記録する。その後も3コーナーをメインに前へ出るチャンスをうかがう♯7吉原だが何度かインに飛び込むものの、次のコーナーでは♯5蘇に躱されてしまう展開が続く。
ファイナルラップとなる15周目。♯7吉原は方法を変えて3コーナーアウトからアプローチ。しかし前には出れず。位置取り変わらず最終コーナーへ。侵入が速い♯7吉原が♯5蘇に並んでいく。一瞬♯7吉原が前に出るが♯5蘇の立ち上がり速度が伸びていく。2人はそのままサイドバイサイドでゴールラインを通過。掲示画面上の差は0.000秒の表示。全くの同着フィニッシュかと思われたが、その後の審議の結果♯7吉原が優勝。今シーズン2勝目を決めることになった。惜しくも第2位は♯蘇。第3位♯8高江洲。第4位には途中アクシデントで順位を落とした♯3田中が入った。♯11相原は他車を巻き込む危険な行為として失格となった。
RACE 2
続く決勝レース2は18周、クイックスタート。フロントローにはレース1と同じくポールポジションからスタートしていく♯7吉原。レース1での悔しさを挽回したい♯2吉村。レース1で4位の♯3田中が並んでいく。
上手いスタートを切ったのは2列目の♯5蘇。♯7吉原をインから抜き去りホールショットを奪う。2番手♯7吉原。3番手♯3田中。3台がトップグループとなり、そのから1秒離れて2つ目の集団を4番手の♯2吉村が率いていく。
2周目の3コーナーで♯7吉原がインに入るが立ち上がりのラインが外に膨らみ♯5蘇がトップをキープする。
4周目には各々少しずつ距離が開きペースの上げやすい状態に。ここで2つ目のグループから4番手♯2吉村と5番手♯9田中倖が抜けだしていく。♯9田中はファステストを記録。
5周目。3コーナーでの一瞬の入れ替わりを含め、展開は変わらず。♯7吉原がインに入ればクロスラインで♯5蘇が元に戻す。その動きを3番手の♯3田中が見ているとう状態。
7周目にそれまで3台だったトップグループに♯2吉村が追いつき4台に。その後ろの♯9田中も含め数台がトップ集団と距離を詰めていく。6番手の♯11相原もファイナルラップを刻んでトップを狙っていく。
8周目。トップ集団に加わった♯2吉村が4コーナーで♯3田中をパスして3番手に浮上。しかし最終コーナーで速度を乗せた♯3田中が9周の1コーナーまでに順位を戻していく。更に♯3田中は10周目の1コーナーで持ち前のストレートスピードを生かし♯7吉原の前へ。2番手にポジションアップ。
11周目の1コーナーでは♯2吉村が♯7吉原をパスして3番手。♯7吉村は4番手まで順位を落としてしまう。トップ4台の後ろからは♯11相原と♯9田中が確実にその距離を詰めてくる。
入れ替わりが激しくなるトップ争い。12周目の3コーナーで♯3田中がインに飛び込み先頭へ。今度は4コーナーで3番手の♯2吉村が一気に2台を抜いてトップを奪取する。このバトルによりペースが少し落ちたことで5番手♯11相原、6番手♯9田中が追いつきトップグループは6台の争いへ。
13周目には1コーナーで♯3田中がトップへ再浮上。14周目3コーナーでは♯5蘇が2番手に上がっていくが15周目1コーナーで♯2吉村が戻す。その後ろでは♯7吉原が前に出る。目まぐるしいトップ争いが繰り広げられていく。16周目コントロールライン上ではトップ♯5蘇。2番手♯2吉村。3番手♯7吉原。4番手♯3田中。5番手♯11相原。6番手♯9田中という順位。
18周目ファイナルラップ。車列はそのまま。誰もが一瞬のチャンスを狙う中、最終コーナーまでその状況は変わらず。大きなプレッシャーの中、トップを守り切った♯5蘇が参戦4年目、渇望し続けた初優勝を手にする。僅差の第2位♯2吉村。第3位♯7吉原。第4位♯3田中。第5位♯11相原。第6位♯9田中という順位で激しいトップ争いは決着した。
表彰式
レース1 表彰
レース2 表彰
ポイントランキング
第3戦終了までのシリーズポイントランキングは、♯3田中が98ポイントで依然トップをキープ。♯5蘇は91ポイントとなり2番手を維持。トップ♯3田中とのポイント差を7Pまで縮めることに成功。♯7吉原は81PでポジションUPの3番手に浮上。
レース1でアクシデントに見舞われた♯2吉村はレース1で再スタートし3P。レース2では20Pを獲得。ランキングは2ポジションDOWNの4番手となってしまったが自身の努力でダメージを出来る限り小さく収めた。レース1で3位表彰台を獲得した♯8高江洲は3ポジションUPの8番手浮上となった。
次戦、第4戦は7月27日(日)。2年目の開催となる『天空のサーキット』京都府の近畿スポーツランド。今シーズンのメンバーで近畿スポーツランドの表彰台経験者は♯3田中2位。♯7吉原3位のみとなる。
■FIM MiniGP Japan Series YouTubeチャンネルはこちらから!
https://www.youtube.com/channel/UC1YZzfzC6pbpJeujUPxhE3w
情報提供元 [ FIM MiniGP ]
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