
いよいよ7月も入り、日本全国で梅雨明け宣言! 2025年の鈴鹿8耐までいよいよ残り1カ月、ここまで「TBA」と記されていたエントリーリストが、ほぼ埋まりました!
現役Moto3ライダーとMotoGPテストライダーも参戦!
ここまでヤマハ、スズキ、ホンダの3大ワークスチームと、DUCATIチームカガヤマ、オートレース宇部レーシングチームというワークスマシンorワークススペックエンジンを使用するチーム、さらに全日本ロードレースレギュラーを軸とした全日本チームのラインアップをお知らせしてきましたが、いよいよ本戦まで1カ月となり、ほぼ全チーム体制が固まったようです。
なかなか「第3の男」の発表がなかったチームが多かった印象ですね。これは、もちろんライダーが3人までOKとなったことで有力ライダーの取り合いが起こるのが原因です。たとえば全日本ロードレースのチームならば、たとえばTeam ATJのように、ライダーをふたり抱えているチームはもうひとり別クラスからピックアップすればいいし、ハルクプロのようにチーム卒業生で3人揃えるチームもありますね。
その「第3の男」を公表していなかったチームとしては、伊藤真一率いるAstemo Pro Honda SIレーシングがあります。このチームは、JSB1000クラスのレギュラー野佐根航汰とST1000クラスのレギュラー荒川晃大のふたりは早々と決まっていたんですが、2度の鈴鹿テストを経て、3人目のライダーをオーディション。結果、現在Moto3世界選手権にフル参戦している山中琉聖の加入が決まりました。

発表されたAstemo Pro Hondaのライダートリオ。3人の平均年齢では明らかに大会ナンバー1の若さでJSB1000/ST1000/Moto3と、本業の違う3人がEWCマシンをどう乗りこなすかに注目です。
山中は現在、MTヘルメッツMSIからMoto3クラスにフル参戦中。つい数日前に行なわれたオランダグランプリでは、予選2列目5番手グリッドから11位フィニッシュ。ここまで10戦を終えてランキング11位につけています。カタールではポールポジションから3位表彰台を獲得と、いまだ一線級のポテンシャルをもっているライダーです。
山中は2001年生まれの23歳。15歳でIDEMITSUアジアタレントカップ→REDBULLルーキーズカップに参戦し、18歳でMoto3世界選手権に初参戦。19歳からフル参戦をはじめ、そこから6年目が今年、というわけです。6年間ずっとMoto3に参戦している山中ですが、この数年かなり体格が大きくなってきていて、そろそろサイズ的に小排気量クラスが大変そうに見えます。事実、山中はシーズン中に帰国すると、よく桶川スポーツランドなどにトレーニングに行くんですが、600ccマシンで走り込んでいる姿もよく見られます。
そして注目のチームがもうひとつ。長くスズキGSX-R1000Rを使ってハチタイに参戦してきたエスパルスドリームレーシング生形秀之が、2025年大会を最後に現役を退く、との発表がありました。生形は今回、昨年ともにスズキCNチャレンジを戦った濱原颯道をチームに引き入れ、第3の男には、なんとヨナス・フォルガーを招聘! フォルガーはご存じのとおり現在、KTMのMotoGPマシン・RC16のテストライダーを続けています。ヤマハのジャック・ミラー、ホンダのヨハン・ザルコに続いて、3人目のMotoGPライダーの鈴鹿登場ですね。
このレースが最後、と発表した生形は、2022年11月の全日本ロードレース最終戦以来の実戦参戦。昨年のハチタイには、スズキCNチャレンジの一員として予選までを戦いましたが、本戦は濱原とエティエンヌ・マッソンが2人で走り、生形の出場はありませんでした。
生形は1999年にGP125クラスでデビューし、ST600、J-GP2を走り、2017年にJSB1000クラスにステップアップ。この数年はケガに悩まされて参戦できる状態ではなかったものの、このハチタイ参戦へ向けてトレーニングを重ね、出場の準備が整ったようです。
それにしても生形、濱原、フォルガーとも実戦から遠ざかっていますから、まずはそこ、レース感覚を取り戻すところからレースウィークを始めることになるのでしょう。
さらに「第3の男」が未発表だったチームとしては、Team SUZUKI CN CHALLENGEが、津田拓也&エティエンヌ・マッソンに加え、現役Moto2ライダーのアルバート・アレナスの起用を発表。これで、ほぼ主要チームの参戦体制が出そろったことになります。
さぁハチタイまで残り1カ月。ライダー、チームスタッフ、関係者の皆さんはもちろん、現地観戦予定のファンのみなさんも、体調管理ラストスパートですよっ!

多くのスズキ系ショップやスタッフのサポートを受けて運営されるエスパルスドリームレーシング。バイクショップのMFDの岡本氏がチーム監督を、チームディレクターを元スズキレースグループの鴨宮保雄氏が務める。
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