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2025 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第2戦 SUPERBIKE RACE in SUGO

■2025年5月24日(土):予選・ST600レース1 天候:くもり コース:ドライ
■2025年5月25日(日):決勝・ST600レース2 天候:雨のちくもり コース:ウエット・ドライ

■宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.6211km)
■観客動員数:8,500人(2日間合計)

ST1000

#23 西村 硝
予選7番手(タイム:1'27"672)
決勝:17位

ST600

#11 小山知良
Race 1 予選5番手(タイム:1'29"662)
決勝:11位
Race 2 予選5番手(タイム:1'29"805)
決勝:8位

#17 大和 颯
Race 1 予選24番手(タイム:1'31"827)
決勝:22位
Race 2 予選24番手(タイム:1'32"039)
決勝:21位

J-GP3

#4 岡崎静夏
予選5番手(タイム:1'34"805)
決勝:9位

#2 若松 怜
予選2番手(タイム:1'33"870)
決勝:優勝

若松怜が独走で堂々優勝!小山知良が奇跡的復活を果たす!!

長いシーズンオフも、ようやく終わり日本郵便Honda RACING TP・日本郵便docomo business TPの2025年シーズン開幕となる、全日本ロードレース選手権第2戦が宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。

昨年、J-GP3クラスで最終戦までタイトル争いを繰り広げた若松は、その悔しさを力に変えトレーニングに励んで来た。7カ月もの長いシーズンオフが終わり、4月の“Round ZERO”もてぎテスト、そして前週に行われた公開テストを経て、レースウイークを迎えた。

若松の調子はよかったが、チャンピオンの尾野選手は、さらに上をいっていた。公式予選では、若松が1分33秒870を出すが、それを1秒以上上回るタイムでコースレコードを更新し、ポールポジションを獲得。若松は2番手となっていたが、何とか食らいついていく覚悟だった。

岡崎も、このオフはトレーニングに励み、若松と協力してタイムを出す作戦をとっていた。公開テストでは、自己ベストを大幅に更新し、新しい走り方にもトライし、いい感触を得ていたが、レースウイークに入りコンディションが変わったためか、調子を崩してしまう。それでも予選は5番手につけ巻き返しを狙っていたのだが・・・。

若松は嬉しい初戦優勝!岡崎は9位でチェッカーを受けた。

日曜日は雨となり、朝のウォームアップ走行を走ってみるとフィーリングはよく、これなら勝負できるかと自信を深めていた。レースが始まると尾野選手がトップに立ちレースをリード。若松は、スタートでやや出遅れ4番手で1コーナーに入るが、馬の背コーナーで一気に2番手に上がると尾野選手の背後につける。オープニングラップから2台が抜け出し一騎打ちになるかと思われた。

若松は尾野選手の走りを見て、前に出てみようと仕掛けていく。3周目の馬の背コーナーで前に出るが、ホームストレートで抜き返される。インフィールドでは明らかに若松に武があり、レインボーコーナーで再びトップに出ると、そのままペースアップ。みるみるうちに差を広げ、独走態勢を築いていく。難しいコンディションの中、安定した走りを見せた若松は、そのままトップでチェッカーフラッグを受けSUGOラウンドを制した。

一方、岡崎は、ウエットになり、ドライで抱えていた問題が大きくなり転ばないで走るのが精一杯という状況ながら、何とか9位でチェッカーフラッグを受けている。

小山は驚異的な走りを見せHonda勢最上位の予選5番手と大健闘。

昨年のケガからの復帰戦となったST600の小山は、まだ身体が癒えない中、驚異的な走りを見せHonda勢最上位の予選5番手と大健闘。2レース制で争われた決勝は、両レースとも痛みをこらえて久しぶりのチェッカーを目指すものの、共に赤旗で終了となってしまう。

レース1は11位、レース2は、2度の赤旗で終わり8位となるが、規定周回数に達していなかったためポイントは通常の2/3となった。大和は、レース1を22位、レース2を21位で終えている。

新加入の西村は苦い開幕戦 ショータイムは次戦へ!

新加入の西村は、このチームでの初レースであり、全日本ST1000クラス初参戦でもあった。公開テストから足踏みはあったものの、着実に前進。予選では、1分27秒672まで縮め7番手と、まずまずのポジションにつけていた。

決勝は、雨は上がったものの路面はウエット。乾くと判断し、上位陣がレインタイヤを選ぶ中、西村はスリックタイヤをチョイス。結果的にこの選択は間違ったものとなった。改修された新路面は思いのほか乾くのが遅く、厳しい状況の中、何とか完走を果たしたのだった。

日本郵便Honda RACING 選手コメント

ST1000クラス #23 西村硝コメント

難しいコンディションでした。結果から言うとスリックタイヤで走るという決断をして、それが思ったより路面改修をしたコースでは中々乾かず、タイヤを使うことができませんでした。後半追い上げて行くことを見込んでいたのですが・・・

最後まで路面は乾かず本当に苦しく、悲しく、辛い気持ちでしたし、走っていて怖かったです。コーナー入口は乾いてきている部分もありましたが、立ち上がりは濡れていたのでバンクさせるだけでも転倒しそうな状況でした。序盤はストレートでも滑ってしまう状態で、そこを耐えればと思っていたのですが、本当に厳しい状況でした。応援してくださった皆様には本当に申し訳ない気持ちです。

皆さんの応援をすごく感じていたので、表彰台に乗りたいという思いを強く持っていました。こんなレースをした後でも『まだ次があるよ』と励ましていただき、僕のレースで何かを届けたいと思っていたのに与えられてばかりで、それに応えられなかったのが悔しいです。ただ自分のフィジカルの面やこのオフにやってきたことは間違いなかったと言えるので、バイクのセッティングを含め、チームともっと協力をして絶対にやり返したいという気持ちしかないです。

このどん底から、次は笑顔を皆さんに見せられるように100%以上で取り組もうと思っています。僕とチームのポテンシャルはこんなものではないと思っているので、それを結果として皆さんの前で魅せられるように頑張って行きます。懲りずに応援していただけると本当にうれしいです。ありがとうございました。

ST600クラス #11 小山知良コメント

序盤スタートをうまく決めて上位陣についていければ、トップ6でチェッカーを受けることができると思い、フルプッシュをしました。後方とも距離があったので、これなら行けると思っていたところ赤旗中断になり、その時点で既に膝が結構痛かったです。一回集中力が切れたら更に痛みも酷く、座っているだけで何もしていなくても激痛でした。

再スタート後、痛みはぬけませんでしたが、覚悟を決めて頑張って、そしたらまた一発集中できたので、またしっかりペースも上げることが出来ました。トップ集団がバトルをしてガチャガチャしていたので、自分のペースからして、追いついて集団の後ろで見ていれば最後にチャンスがあると思っていました。残念ながら2ヒート目も赤旗中断でレースは終わってしまったので、またしてもチェッカーを見ることができませんでした。

その中でも一番のポジティブはテストとレースウイークの全日程を通して、転倒をしなかったことは過去5年ではなかったことなので、無事終われたことは個人的にすごく良かったと思っています。一発の速さもそれなりにあったので自信もつきました。

2ヒート目のグリッドにつくことができないと思うくらい痛さと戦っていた中、グランドスタンドを見た時に、赤いTシャツを着たファンの方がたくさんいたので、もう一回気持ちを振り絞り、頑張っている姿を伝えたい、届けたいと強く思い、皆さんに後押しされて、歯を喰い縛しばることができたレースでした。

次戦のもてぎや後半戦に入ってもこの厳しい状況が続くと思いますが、皆さんの応援が僕の力となっています。ぜひ後半戦も引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。

J-GP3クラス #4 岡崎静夏コメント

初戦からしっかりトップ争いをして表彰台に乗りたいと思っていたのですが、レースウイークが始まってからずっと調子を良くすることができませんでした。自分の走りもそうですが、車両もあまりうまく作り込めず、決勝がウエットになってしまった時にドライで問題を抱えていた部分が大きく出てしまいました。

そのため転倒せずにチェッカーを受けるのが精一杯のレースとなりました。悔しい気持ちももちろんありますが、次戦に向けて改善点が明確にわかったレースでもあったので、年間のポイントランキングを考えたら、今後しっかりトップ争いをすれば良いのかなと考えています。

また今年は『ぽすくまの親子バイク教室』10周年を記念して、念願だった“ぽすくま”のデザインがされたカラーリングのマシンで走ることになりました。最初はバイクに乗ることを怖がっていた子どもたちが最後は笑顔で楽しかったと言ってくれる教室を各地で開催しています。そのバイク教室の活動を私もお手伝いさせていただいていますが、私がぽすくまデザインのマシンで走ることで、子どもたちへ夢を与え、目指してもらえるような走りをしたいと思っています。

本当にたくさんの日本郵便の社員の皆様や応援に来てくださった方がいてうれしかったです。ありがとうございました。次戦まで時間が長くあるわけではないですが、出来る限りの準備をして、次戦に挑みたいと思います。筑波にも来ていただけたらうれしいです。応援ありがとうございました。

日本郵便docomo business 選手コメント

ST600クラス #17 大和颯コメント

自分の得意なSUGOでのレースで、タイムだけでも昨年の自分を越えることができない苦しいレースウイークとなりました。タイム以外で得ることはたくさんありましたが、自分の思うような走りができず、言葉にすることができないくらい悔しいです。日本郵便の方や東北の方がスタンドから応援してくださったので最後まで走り切ることができました。

一つでも前の順位で終えられるように、そのような姿を皆さんに届けたいと思っていたので、後から迫られているのもわかっていましたが、耐えることができました。それは皆さんの応援のおかげなので、本当に感謝しています。

自分はこの東北の地に縁があり、SUGOは得意なサーキットなのですが、ここで自分の強さや速さを見せられなかったことが本当に悔しいです。この悔しい気持ちを忘れることなく、次の夏のもてぎまで歯を喰い縛ってトレーニングや考え方自体を変えて行きたいと思っています。

J-GP3クラス #2 若松怜コメント

本当に“うれしい”という言葉しかないです。独走体制に入ってから、チェッカー後どんなふうにファンの皆さんに表現しようかと考えることができるくらい独走することができました。昨年の最終戦が終わってから、本当に長い辛い日々を乗り越えてきて、その結果が今日の結果だと思っています。予選までの悪い流れをレースで覆せてめちゃくちゃうれしいです。

朝起きて、天気予報通り雨が降っていて、サーキットに来た時に徐々に乾いてくるかなと思っていたので、朝フリーを走っていた時も決勝を想定して走っていました。メカニックやサスペンションメーカーの方も必死にセッティングを考えてくださったおかげで優勝できましたが、レースは本当に難しいコンディションでした。

レース直前まで雨が続く中での観戦はファンの皆さんにとって嫌だろうと思っていましたが、その中でも、コースサイドやグランドスタンドから歓声をいただき、来てくださった方のために僕が結果を出すしかないと思いました。絶対に優勝しようと思っていたので、それを有言実行できてうれしいです。

何よりも開幕戦から僕が初めて独走優勝できたのは皆さんのおかげだと思っているので、次戦以降も会場に来て応援していただけるとうれしいです。次の筑波もサーキットに来て応援よろしくお願いいたします。多くの応援ありがとうございました!

手島雄介監督コメント

日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社様、Honda様、NTTコミュニケーションズ様の皆さまをはじめ、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。また、2025年シーズンの開幕を無事にSUGOで迎えられたことを応援いただいている皆様に重ねて感謝申し上げます。

今回のSUGOは非常に肌寒かったのですが、日本郵便株式会社の社員の皆様をはじめ、多くの方々にサーキットまで足を運んでいただきました。その応援のおかげでJ-GP3クラスで若松怜選手が2年連続で開幕戦での優勝を獲得しました。さらにうれしいことに昨年のSUGO大会で大きな事故に遭い、右脚の靱帯を負傷した小山知良選手が見事復帰し、RACE1では11位、RACE2では8位と無事に完走をし、素晴らしい結果で終えることができました。

これも長期に渡るリハビリ期間の中、多くの皆様が小山選手へ常に心を寄せていただいたおかげだと思います。レース後の小山選手は非常に満足な顔をしていました。

我々のチームはこのモータースポーツを通して、世の中を豊にして行くことを目指しています。サーキットに来てくださるファンや応援者の皆様、関係者の皆様とその瞬間に何を感じ取り、何を自分ごとのように明日から使っていただき、世の中を豊にして行けるのか、それこそが本来我々がレースに参戦している目的です。

そのような意味では、昨年から若松選手が新シーズンに向けて準備をしてきたことや、小山選手がリベンジをするためにリハビリに励んできたこと、また新加入の西村硝選手も今回は悔しい結果にはなりましたが、様々な抵抗値にトライする人間たちが起こす奇跡みたいなものは必ず一つのエネルギーになります。

そして、それが新たな“信Believe”を生んでいくということを改めて感じ取りました。

今シーズンはまだ始まったばかりですが、一戦一戦、戦っていく中で皆様との時間を大切に過ごして行けるよう、お互いを信じて進んでいけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。最後に今年が終わる頃には2025年としてのOne Teamを創りましょう。

One Team!

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