
今日5月19日で、鈴鹿8時間耐久ロードレースまであと77日! 早くも参戦を表明したチーム、参戦が予定されているチーム、当然出てくるであろうチームを含め、まずは今年の猛暑の祭典、注目チームを紹介します。
久々に3大ワークスチームが激突!
2025年に「第46回大会」を迎える“ハチタイ"こと鈴鹿8時間耐久ロードレース。今年の決勝レースは8月3日・日曜日。スタート時刻は、いつものように午前11時30分。すでにハチタイへの戦いは始まっていて、まずはいち早く参戦を表明したチームをはじめ、今大会最大の注目になりそうなトップチームの戦いを占ってみましょう。
いち早く参戦を表明したのはヤマハのワークスチーム「ヤマハレーシングチーム」。これまで世界耐久選手権でのヤマハのトップチームは、24年のハチタイで2位に入った「YARTヤマハ」。しかしYARTはワークスチームではなく、ヤマハオーストリアが運営するセミワークスチームのような扱いで、今回参戦発表したのは、YARTとは別のワークスチーム。ライダーにはまず、中須賀克行の名前が上がりました。つまり、日本のヤマハ本社が運営するワークスチームです。
ヤマハのワークスチームがハチタイに帰ってくるのは、2019年以来のこと。いうまでもなく、2015年から18年まで4連覇を飾ったチームで、正式チーム名は「ヤマハレーシングチーム」。発表されたマシンは、2000年代初頭の0W-01やYZF-R7を彷彿とさせるカラーリングです。
チーム体制は中須賀克行を中心に、MotoGPやワールドスーパーバイクから選抜するとのことで、中須賀+ファビオ・クアルタラロ+ジョナサン・レイ組が想定最高チームでしょうか。
次に発表されたのは、昨年の大会でも大きな話題を呼んだ「チームスズキCNチャレンジ」。ご存知のように総合優勝争いをするEWCクラスではなく、プロトタイプマシンが出場できる「エクスペリメンタルクラス」に出場する、CN=カーボンニュートラルを目指したチャレンジチームです。
マシンは昨年同様のGSX-R1000R_CNチャレンジ。チームスズキは今シーズン、全日本選手権の開幕戦・もてぎ大会からスポット参戦を果たし、第2戦菅生大会への参戦も発表されました。
「昨年の総合8位という結果から、もう少し時間があってマシンを仕上げられたら、もっと上に行けるな、という手応えがありました。今年ももちろんカーボンニュートラルなレースをアピールできるハチタイにしたいです」とは、昨年同様、チームの指揮を執ることが発表された佐原伸一さん。形は違えど、ワークスチームとしての参戦では、ひとつでも上の順位を狙いにくるでしょう。
チーム体制は、オートレース宇部レーシングチームから、再びスズキブルーに身を包んだ津田拓也に、昨年の参戦で超高評価を得たエティエンヌ・マッソンが有力。3人目は誰になるでしょう。
国内のワークスチームでは、ホンダもチームHRCをハチタイに参戦させます。まだ正式発表はありませんが、全日本ロードレースの開幕戦に、今シーズンのフル参戦を断念した高橋巧がエントリー。参戦チーム名が「ホンダHRCテストチーム」で、これはハチタイへ向けてのテストチームであることは明白です。ただし、チームスズキと違って、第2戦菅生大会への参戦は見送り。これは菅生大会の翌日から、HRCが鈴鹿サーキット貸切でテストを行なうためではないか、と言われています。
チーム体制は、高橋巧を中心に、昨年大会の優勝メンバーのひとりで、さきのMotoGPフランスグランプリで歓喜の優勝を飾ったヨハン・ザルコを日本人ファンは待ち望んでいますし、ここもヤマハワークスチーム同様、MotoGPとワールドスーパーバイクからの選抜となるでしょう。
さらに世界耐久選手権レギュラーチームにもBMWモトラッド、ヨシムラSERTというワークスチームがあり、この世界耐久レギュラーチームについては、今後のポストで紹介できると思います。
3大ワークスチームに続く2台のワークスマシン
ホンダ、ヤマハ、スズキの3大ワークスチームに続くのは、全日本ロードレースにも参戦しているドゥカティ、BMWのワークスマシンです。
ドゥカティは、2024年から全日本ロードレースにフル参戦を開始し、「黒船旋風」を巻き起こしたTEAM KAGAYAMAのドゥカティ・パニガーレV4Rで、TEAM KAGAYAMAは昨年のハチタイでも、最後の最後まで表彰台争いを繰り広げ、僅差の4位入賞を果たしました。
チーム体制は、全日本ロードレースのレギュラーである水野涼を中心に、加賀山就臣監督の意外な人脈が、いったいどんなライダーを連れてくるのかに注目です。ここでも、想定最高チームは水野+フランチェスコ・バニャイア+アルバロ・バウティスタでしょうか。
BMWとは、厳密にはワークスマシンではありませんが、2025年から全日本ロードレースに参戦を開始したオートレース宇部のBMW M1000RRで、このマシンにはワールドスーパーバイクを走るBMWワークスマシンと同等のエンジンが搭載されています。開幕戦では浦本修充がいきなり3位表彰台に登壇し、そのパフォーマンスを証明してくれました。
チーム体制は、これも浦本を軸に誰を連れてくるのか、まったく未定。まさかトプラック・ラズガットリオグル+マイケル・vd・マークを連れてくるとなると、本命印を打たなければなりませんね。
日本の本社チームが運営する3つのワークスチームと、世界耐久選手権レギュラーチーム、そしてドゥカティ&BMWワークスマシンが激突するのが2025年のハチタイです。
次回の第2回では、出揃い始めているエントリーリーストを紹介して行けそうです。
<次回へつづく>
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