
はじめに……
この記事は、タイGPでの取材をもとに、アルゼンチンGPまでの間に掲載しようと思っていたものです。しかし(言い訳になってしまうのですが)、各メディア寄稿と確定申告に追われているうちに時が流れ、タイミングを逸してしまいました。
悩みましたが、アルゼンチンGPを終えた今でも(2025年3月24日時点)、興味深い内容になるのではないかな、と思いましたので、無料記事として掲載します。というわけで、タイトルに【蔵出し】と付けました……。
繰り返しますが、この記事は、タイGPでの取材をもとにして書いた、タイGPについてのものです。ご了承ください。
今年のバイクは弱点が少なくなったが、大きな弱点が残っている
開幕戦タイGPのホンダは、期待以上のパフォーマンスを見せた、と言っていいのではないだろうか。確かに、今季のいつか見せるだろうと思われていたパフォーマンスではあったが、その時期はおそらく大方の予想よりも早かったはずだ。
Q2にはジョアン・ミルとヨハン・ザルコが進出した。Q2をホンダのライダーが二人も走るのは、2023年インドGP以来のことである。ミルにとっても、2023年のインドGP以来となるQ2進出だった。スプリントレースではミルが9位、ザルコが10位。決勝レースではザルコが7位。残念ながら、ミルは15周目に転倒を喫してリタイアとなったが、それまでは7番手を走っていた。トップ10圏内を走行していたのである。
2024年シーズン、特に前半戦ではホンダ勢が最下位を占めることが当たり前で、ジャーナリストやホンダライダー自らでさえ「ホンダ・カップ」と表現していたほどなのだ。躍進と言っていい。
この要因としては、開幕前の2回(マレーシア・セパン、タイ・ブリーラム)のテストと開幕戦のライダーたちのコメントを踏まえると、「何かが一つ、大きく改善したために状況が好転した」というよりも、「弱点が少なくなった」ことが挙げられる。
情報提供元 [ GP Journal ]
この記事にいいねする