写真・文/中村浩史
今シーズン、全日本ロードレースの開幕は例年よりも遅い4月中旬。しかも開幕戦のもてぎ大会は2&4スタイルとなり、JSB1000クラスのみの開催だ。昨年の最終戦が10月下旬に開催されたから、約5カ月ものレーシング・ブランクを生むことになってしまう。そのレースロスを解消するために開催されたのが「ピットウォークフェス」だ。
レース人気のためには、まず推しをつくろう!
この「ピットウォークフェスティバル」開催を思いついたのは、レースアナウンサーでおなじみの、MCシモこと和田鉄平さんのオフィス「ワックアモール」。鈴鹿8耐や全日本ロードレースのレースアナウンスを担当しているシモさんにしてみれば、いつもレース人気を盛り上げたい、それにしても24→25年のシーズンオフって長すぎなんじゃない?――というところから、シーズンオフのファンイベントを企画。チーム関係者やライダー個人たちに粘り強く交渉して、このピットウォークフェス開催にこぎつけたのだ。
レース人気を盛り上げていくならば、レースのド迫力はもちろん、ライダーの人間的なところも知ってほしい――それが、いまで言う「推し活」。だから、ピットウォークフェスは、参加してくれたライダーたちのキャラクターを、もっともっとファンのみんなに知らせたい、そういうイベント。
控室からピットまで引かれたレッドカーペット。歩くは、この日19歳の誕生日だった若松怜!今年も日本郵便ホンダレーシングからJ-GP3クラスを走ります!
Astemo Pro-Honda SIRレーシングからST1000クラスに参戦する荒川晃大も、チーム準備が整わないままだったけど、個人的に来場してくれました。
シモさんが身近にいる、いつもの全日本ロードレースも、もちろんピットウォークや走行時間終了後に、ファンのみんながライダーと触れ合える時間はあるけれど、レース中にタイムスケジュールが割り振られているピットウォークは、ピット前の列に並んで、サインしてもらったり、写真を撮ったり。ちょっと物足りない、と思うファンがほとんどかもしれない。
もちろん、ライダーやチーム関係者にしてみても、ファンのみんなと触れ合いたいけれど、レース前だったり、チームとミーティングしなきゃいけなかったり。とにかくレースウィークの演者たちは忙しいのです。
だから、ライダーのためにもファンのためにも、1日たっぷりふれあいの時間をつくりたい、というのがピットウォークフェス。開会前の主催者挨拶では、シモさんがこのイベントのことをよく表わすコメントを発してくれました。
「きょうのイベントに対して、来て下さったファンのみなさんにひとことだけ注意を。それは……1日中ライダーのみんなに大きな声援を送ってください!ってことだけです」と。これには、千葉県・茂原ツインサーキットに来てくれたお客さんも大歓声でした。
「ちょっとだけですよ」と、このイベントに協賛金を申し出たTN45の長島哲太。チーム発表会の模様は下に記してあります。
マシンを展示していたチーム、ライダーもたくさん。左下のドッグファイトレーシングの豊島怜は、デリバリーされたばかりの2025年型YZF-R1を持ってきてくれました!
憧れのライダー達が至近距離の「激観」で迫力の走りを見せる ミニバイクレースや体験走行会も
イベントは、参加してくれたライダー紹介からスタート。それも!控室からレッドカーペットがサーッと引かれて、そこをライダーがひとりずつゆっくりと登場してくるのです。レッドカーペットの両サイドには、来場したファンがアーチを作ってくれていて、ハイタッチしながらの入場。これ、サーキットでコースインのときにやったらちょっとやりすぎだけれど、こういうイベントにはぴったり。ハイタッチで迎えられるライダーたちも、まんざらでもない表情です。
イベント内容は、茂原ツインサーキットのパドック部分に、いわばサーキットのピットが再現されていて、テントを出しているチームも。マシンの用意が間に合っているチームは、ここに2025年仕様のマシンを展示していました。こういう、新シーズンの体制発表にも適しているイベントですね。
ちなみに、このイベントの開催を知った、長島哲太率いる「TN45」は、2025年のチーム体制の発表も行なっていましたしね。
コースが2か所に分かれている茂原ツインの特徴を生かして、ショートコースの方は来場者駐車場に、ロングコースの方は走行に充てられていました。ちなみに駐車料金はクルマ500円/バイク無料です。
ロングコースでは、参加ライダーたちによるミニバイク&ミドルクラスのフリー走行があって、その後にはエキシビジョンレースもあり。デモレースではあるんですが、ライダーたちってすぐ闘志に火がついちゃうからね、全日本ライダーがミニバイクでわりとガチバトル、なんてシーンも見られました。しかもこれ「激観エリア」も設けられていて、あちこちのコーナーの安全な場所まで立ち入ってOK! 目の前で全日本ライダーのヒザスリがみられるなんてイベント、なかなかアリマセンよね。
こんな近い位置でレースが見られたのもピットウォークフェスのいいところ。もっとコース内に入って、ヘアピンの内側から見られるコースなんかも用意されていました。
表彰台とお客さんもこんな距離。ちなみにミニバイクの模擬レースではTN45のキッズを、J-GP3クラスチャンピオンの尾野弘樹がおとなげなく撃破しました(笑)。
これは障害物競走のスタートシーン。全ライダーが4チームに分かれて、ぐるぐるバット10回転→コース1周→土嚢袋でぴょんぴょん→コース1周→ピンポン玉お玉すくいとリレーしました。
最後はファン代表と二人三脚でゴールへ。このゲームでいちばんスゴかったのは、荒川晃大のぐるぐるバットの強さ! 同時スタートの長島哲太がふらふらと走れない横を直線ダッシュ!
今シーズンも日本郵便ホンダレーシングからJ-GP3クラスに参戦する岡崎静夏も、私服体験走行会を先導。他に関口太郎も岡谷雄太も先導してくれました。
来場したファンのみんなのためには「私服で走れる」体験走行会があって、これも全日本ライダーが先導してくれる、めったにない機会です。
バイクを離れたイベントとしては、紙飛行機飛ばしや障害物競走があったり、トライアルマシンを使ってのスタンディングスティルのタイム計測があったり。観るも走るも、ファンのみんなとライダーが、すごく近い距離で一日を過ごしている姿が印象的なイベントでした。
「こういうイベントは1回で終わらせちゃったらもったいない。ファンのみんなも、ライダーやチームの方も『楽しかった』って喜んでくれたので、またやりたいです! 茂原ツインはもちろん、たとえば来年は関西でもやったり、広げていきたいです。そのためには、ファンのみなさんにもっともっと来場いただきたい!」とシモさん。
ウィンタートレーニングで今回は参加できなかったチームやライダーさんも、来年もっとたくさん参加してもらって、全日本ロードのレースロスを埋める、シーズンオフのイベントとして定着してほしいです!
このイベントを発案・主催したワックアモールの代表、MCシモさんこと和田鉄平さん。おとなりは最近チョー売れっ子の竹内さくらさん。本当に素敵なイベントでした。ありがとう!
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