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レース概要
■日時:2024年10月26~27日
■場所:鈴鹿サーキット国際レーシングコース (5,821m)
■天候:晴れ
■観客数:土曜:6,800人、日曜:7,800人
■監督:加賀山就臣
■ライダー:#3 水野涼
■リザルト:<レース1>14Lap 予選:2位 決勝:優勝、<レース2>16Lap 予選:3位 決勝:優勝
レース レポート
最終戦鈴鹿でドゥカティがダブルウィン達成!水野涼はランキング3位でシーズンを締めくくる
全日本ロードレース選手権シリーズ最終決戦の地は三重県鈴鹿サーキット。DUCATI team KAGAYAMA水野涼は、開幕戦鈴鹿を2位、第2戦もてぎでは2位、3位。スポーツランドSUGOで3位、2位。第5戦もてぎ2×4ではドゥカティにスイッチして初優勝を遂げる。これは全日本最高峰クラス参戦の外国車としても初の栄冠。第6戦オートポリスではレース1を3位、レース2は惜しくも転倒となるが、第7戦岡山では2位でフィニッシュと着実に力をつけ、獲得ポイントは153と積み重ね、シリーズランキング3位で最終戦に挑む。
レースウィークは木曜に2セッションの合同走行から始まり。金曜日の午後のスポーツ走行で自己ベストの2,04.856をマークした。
土曜日は午前中に計時予選、午後から決勝レース1(14ラップ)が行われた。40分間のセッション中盤に、自己ベストを更新する2,04.135を計測し、全体の2番手タイムで2番手グリッド、フロントローを獲得。レース2のグリッド位置を決めるセカンドベストタイムは、4ラップ目に記録した2,04.932が採用され、3番グリッドからのスタートとなった。同日午後に決勝レース1(14ラップ)が行われた。水野は2番手で1周目をクリアし、トップグループは4台の争い。
14ラップのレース序盤、水野はヤマハの2台の争いの背後につけ、慎重にラップを重ねる。レースが動いた後半、水野は11周目のホームストレートで中須賀をパスし、岡本に迫るとストレートスピードの速さを生かしてバックストレートでトップに立つ。三つ巴のバトルは水野を前にラストラップまでもつれ込む。スプーンコーナーで中須賀が水野を刺すが、DUCATIバックパニガーレV4Rのポテンシャルを発揮、ストレートから130Rにかけ、圧倒的な速さで水野が前に出るとヤマハファクトリー2台を従えてトップでチェッカーを受け今シーズン2勝目を挙げた。
レース2は16ラップでスタートした。岡本を先頭に中須賀、水野、野左根で4台でトップグループを形成。水野は5周目に中須賀を抜いて2番手に。トップの岡本を追い、次第に2台でのトップ争いとなるが、7ラップ目に起きたクラッシュにより残り5周でセーフティカーが導入される。レースは3周で再開、1コーナーをトップで入っていく水野の背後で中須賀が転倒、続くS字ですこし膨らんだところで野左根と岡本に前を譲るかたちになるが、水野は落ち着いてバックストレートからシケインで前に出てトップに立つ。ラストラップまでトップを守りきって最終コーナーを駆け抜け、鈴鹿最終戦を2連勝、今季3勝目を飾った。
DUCATI team KAGAYAMAは、発足初年度で海外車両初の全日本最高峰クラス優勝を果たし、初シーズンをランキング3位で終え、また鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいても表彰台に迫る4位の成績で「黒船襲来」の痕跡を刻み、これからも国内メーカーに挑み続けます。今シーズンの熱い応援、サポート、ありがとうございました。
加賀山就臣 監督 コメント
最終戦鈴鹿は、開幕戦と鈴鹿8耐久で走りこんだことで、高いレベルから木曜日の走行をスタートすることができました。水野も好タイム出してくれ、セットアップも進みドゥカティの100パーセントに近い能力を発揮させることができた。レース展開は、後ろを引き離すことができないようなら後ろで耐えて、最後に前に出ようという作戦通りのレースになり、最後はライダーが頑張ってくれた。
レース2は、レース1の経験を踏まえて、いいレースができました。実は昨日のレースもトラブルを抱えていて、今朝も対策をしたのですがこの時点で直せないと決断し、急遽2台目のバイクで挑みました。ライダーにとっては乗り込んでいない方のバイクなので違和感がある状態で挑ませたレースでした。好みではない方のバイクでレースをさせることになってしまい、メカニック、我々は申し訳ない気持ちで送り出したのですが、バイクが変わっても最初の数周でフィーリングをつかみ、レース後半にはちゃんと追い上げて優勝してくれた。まさに2レース目が、ライダー水野が成長が見られたレースでした。優勝できたこと、ダブルウィン出来たこと、ドゥカティを選んだことは間違いではなかった。今週は200点の4日間でした。
チャンピオン獲得はなりませんでしたが、2回目のサーキットは勝率100パーセント(もてぎ、鈴鹿)。3勝を成し遂げられ、ドゥカティ、ライダーのポテンシャルを示すことができました。スタッフ、メカニックは、リタイヤになりそうなトラブルを起こさず臨機応変に応えて支ええてくれ、そこに水野の能力か重なって本当にいいシーズンだったと思います。ヤマハのそれぞれ4勝に次ぐ3勝で終えることができ、勝率でいえば大きな差がなく終えられ、国内メーカーにも脅威となり、来年凄く楽しみなシーズンになると思います。
今シーズンも熱い応援、多大なるご支援に、チーム一同大変感謝しております。ありがとうございました。
水野涼選手 コメント
レースウィークのスタートから調子が良く予選は硬いタイヤと柔らかいタイヤを両方試し、どちらのタイヤでもいいタイムを持てたので自信をもって決勝に挑みました。レース1は、序盤に離されなければ有利な展開に持ち込めると確信していたので、無理に前に出ずに落ち着いてついていきました。選択したタイヤ的に、自分はコース後半のほうに強みのある選択だったので、最終のブレーキングや裏ストレートのパッシングも容易にできましたし、前に出るタイミングだったり、前に出てからの処理にもミスなく優勝することができました。レース2は序盤は思ったよりペースが上がらなくて、ついていくのがやっとでした。タイヤが温まってペースを作れてからは野左根選手、中須賀選手を抜くことができ、岡本選手についたところでSCでした。今週はレースがスタートする前から調子がよく、両レースとも自信をもって挑めていたので、SCが入っても落ち着いて残り3周を戦うことができました。チャンピオン獲得できなかったことは心残りですが、自信をもって挑んだウィークで2連勝できたことは自分を褒めたい。
今シーズンは初のドゥカティでの挑戦となりました。チャンピオンマシンなら当たり前のように思われていたけど、振り返るとあの位置で走れていることが当たり前ではなく、初のサーキットでは自分たちでデータを積み重ねていかないと勝つことはできないんだと悔しい思いもしました。自分が転倒した1戦をのぞいて表彰台を落としたレースはなく、ドゥカティのポテンシャルをアピールでき結果的には良い一年になりました。ホンダから移籍して初年度、ホンダの結果以上の結果を出さないといけない年でした。勝利数もレース内容も、シーズン通してチャンピオンのヤマハに挑戦し続け、3勝でき、ドゥカティを選択したことは自分にとって本当に良かった。今年はいつも応援してくださる方々に加え、新規のファンがたくさん訪れてくれました。ドゥカティでの活動を応援してくれる方々が増えて、改めてドゥカティの影響力を実感し感謝しています。来年はさらに良い結果でお返ししたいと思います。今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました。
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【画像】【TeamKAGAYAMA】2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第8戦第56回MFJグランプリスーパーバイクレースin 鈴鹿 (13枚)この記事にいいねする