第5戦MOTEGI2&4レースで、ついに勝利を手に入れたDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼。予選では、今季2回目のポールポジションを獲得。1回目のポールポジションは、第2戦もてぎのレース2だったが、セカンドラップタイムで獲ったものだったため、トップタイムでのポールポジションは初めてだった。金曜日の走り出しから高いアベレージを刻んでおり、予選が終えた時点で「自分のペースで走ることができれば勝てる」と自信をのぞかせていた。そして、レースでは、その通り独走で優勝を果たした。この勝利は、全日本最高峰クラスでは外国車初という歴史的なものとなった。鈴鹿8耐に参戦したことにより、DUCATI Panigale V4Rの理解度が進んだことが大きかったが、その成果を早くも結果で表した。DUCATI Panigale V4Rでオートポリスを走るのは初めて。台風10号の影響で、事前公開テストは中止となり、レースウイークからの走行となるが、オートポリスの長いホームストレートを始め、今回も速さを見せそうだ。
苦汁を舐めたYAMAHA FACTORY RACING TEAMは流れを引き戻せるか!?
一方、水野を追えず苦汁を舐めたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と岡本裕生は、オートポリスで流れを引き戻したいところだ。中須賀にとっては地元九州でのレースとなり、高い勝率を誇るコースでもある。レース毎に速さを増すライバルを抑え込んでタイトル防衛につなげていきたいだろう。岡本も前戦は、初日こそ調子はよかったが、「レースでは何もできなかった」と悔しさをあらわにした。昨年のオートポリスラウンドは、YAMAHA FACTORY RACING TEAMがチームメイト同士でトップ争いを繰り広げただけに、SUGO以外のコースでも勝てることを証明したいところだ。
Honda、SUZUKI、BMW勢も虎視眈々と表彰台を狙う
第5戦MOTEGI2&4レースで、3台のファクトリーマシンに肉薄したのがAstemo Honda Dream SI Racingの野左根航汰だった。チームとしては、3カ月のインターバルで軽量化などマシンをアップデート。予選では、水野をピタリとマークし予選2番手につけ、決勝でもホールショットを奪いレース序盤はトップ争いを繰り広げた。今回こそファクトリーマシンの牙城を崩し、表彰台に上がりたいだろう。ただ、野左根もHondaでオートポリスを走るのは初めてとなるだけに、限られた時間の中で、どうまとめるかがカギとなる。
日本郵便Honda Dream TPの高橋巧、SDG Honda Racingの名越哲平も野左根と同じことが言えるだろう。2人は、Team HRC with JAPAN POSTから鈴鹿8耐に出場し見事優勝を果たしているが、全日本では苦戦している。日本郵便Honda Dream TPとしてJSB1000初参戦だけに、データが少ないところから始めなければならないからだ。名越は、マシンが鈴鹿8耐で仕様変更されたが、前戦のもてぎで初めて乗り、まとめるのに時間がかかってしまった。オートポリスは公開テストでマシンセットを進めたいところだったが、中止となってしまったのは痛いところ。
スズキで孤軍奮闘のAutoRace Ube Racing Teamの津田拓也も調子を取り戻してきている。昨年のレース1では3位表彰台を獲得しているだけに、その再現と行きたいところだ。
第5戦MOTEGI2&4レースで、名越の後ろでチェッカーフラッグを受けたのがBMW M1000RRを駆るSANMEI Team TARO PLUSONEの関口太郎だった。関口は、レースウイーク初日はトラブルで、ほとんど走ることができなかったが、予選で10番手につけると、決勝は8位でゴールしてみせた。今回もレースウイークでまとめる力はピカイチだけに、どこまで上位に顔を出せるか!?
今シーズンは、DUCATI効果もあり、さらにレベルが上がっているJSB1000クラス。前戦では、4位の野左根でさえ、昨年の優勝タイムに匹敵している。オートポリスでもDUCATI Team KAGAYAMAの水野、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀と岡本がセッションをリードするだろう。ここにHonda勢、津田拓也などが、どこまで絡めるかによってレース展開が見えてくるだろう。
5月の第3戦以来のレースとなるST1000クラスは、今回のオートポリスラウンドは2レース制で行われるため、5戦6レースで争われるシーズンを考えても重要な一戦となる。ここまでSDG Team HARC-PRO.の國井勇輝が2戦中2勝を挙げて速さを見せている。今回のオートポリスラウンドでも連勝記録を伸ばし、タイトル争いを有利に進めたいだろう。
その國井を追うのがKawasaki Plaza Racing Teamの岩戸亮介だ。オートポリスは岩戸にとってもカワサキにとってもホームコース。ここで國井の勢いを止め流れを引き寄せたいところだ。
暫定ランキング3位と健闘を見せるMOTO BUM HONDAの伊藤元治、速さに安定感が加わって来たDOG FIGHT RACING JDSの豊島怜、九州出身のAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介、アプリリアを駆るTeam TATARA apriliaの和田留佳なども上位を狙って来る。
ここまで思うようなレースができていないMOTOBUM HONDAの荒川晃大、TOHO Racingの國峰啄磨、AKENO SPEEDの井手翔太、Team TITAN-TKR SUZUKIの村瀬健琉もここから巻き返したいところ。さらに、今回は渡辺一馬の代役としてAstemo Honda Dream SI Racingから羽田太河が出場する。全日本ST1000クラスへの参戦は初めてとなるが、先の鈴鹿8耐での走り、Moto2での経験もあるだけに、レースをかき回す存在になるかもしれない。スポット参戦する西村硝の走りにも注目したいところだ。
ST600、J-GP3も見逃せない!
ST600クラスは、SQUADRA TIGRE TAIRA PROMOTE の阿部恵斗が開幕3連勝を飾り、昨年以上の速さを見せている。このまま最終戦まで突っ走る可能性も高い。暫定ランキング2位につけるのは、3戦連続2位のTEAMKENKEN Ytchの長尾健吾。長尾はオートポリスを得意としているだけに阿部の勢いを止めることができるか!? ケガから復帰の日本郵便Honda Dream TPの小山知良、AKENO SPEED・MAVERICKの伊達悠太、MOTOBUM HONDAの鈴木光来、GarageL8 Racing Teamの菅原陸、ITORACING SHOTA BORG CUSTOMの中山耀介、TN45withMotoUPRacingの藤田哲弥なども上位に顔を出しそうだ。
J-GP3クラスは、ディフェンディングチャンピオンのP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹の速さは変わらないが、日本郵便docomo business TPの若松怜が成長。タイトル争いは、2人の一騎打ちの様相を呈してきている。ポイントをリードする若松にとっては、ここを制して後半戦の勢いをつけたいところ。一方、尾野は、その勢いを止め逆転したいだろう。意地と意地のぶつかり合いは必見だ。
オートポリスでも速さを見せそうな水野涼+ドゥカティ 流れを引き戻したいヤマハファクトリー ギャラリーへ (9枚)この記事にいいねする
ST1000のレース1、ラストラップ凄かった。
ハラタイラに1000点