
今週末に差し迫った真夏の祭典「鈴鹿8耐」! 今年は一体、どんなドラマが待っているのか、今から楽しみという方も多いのではないだろうか。そこでレースの楽しみ方や見どころが分からない人のために、今年の注目ポイントをウェビックきっての8耐好き社員・ホリウチが昨年に引き続き、独断と偏見を交えて解説!予想が当たるかどうかはさておき、子供のころから8耐を見てきただけあって、その視点はなかなかのものです。ぜひ、彼の持論を温かい目で見てやってください!
目次
過去30年分の優勝チームを暗記する8耐オタク社員ホリウチが解説!
こんにちは! 新卒3年目のウェビックスタッフ・ホリウチです。自分は、社内でも自他共に認めるモータースポーツ観戦好き。MotoGPや全日本ロードレースはもちろんですが、なかでも鈴鹿8耐は自分で言うのもなんですが、超がつくほどのオタクだと自覚しています。
というのも、両親の影響で0歳の頃から鈴鹿サーキットに連れてこられ、8耐は2009年、小学6年生から絶えず現地観戦。中学3年のときは、部活でどうしても外せない試合と8耐が被った際も、試合を地元大阪で終えてから「最後の2時間だけでも」と観戦に向かうほど執着ぶりを発揮しました。いま、27歳になりますが、鈴鹿8耐の現地観戦は今年で15年目を迎えます(連続観戦記録は現在も継続中!)。そして、足で稼いだ知識は血となり肉になったかは分かりませんが、過去30年の優勝チームやライダーは暗記するまでに至っています。
これほど8耐を見ているファンもそう多くはないでしょう!バイク好きが集まるウェビックの中でも、8耐に特化していいなら、自分の右に出るものはいない!そう自負しております(笑)。
というわけで、今回、熱狂的8耐ファンである私がレース展開や注目チーム、そして見どころを解説(あくまでも個人的見解です・・・)させていただきます。
- 2007年の中須賀さんのマシンに乗る小学2年か3年の自分。
- 鈴鹿サーキットにて。左の子供が私、母親と弟が写ってます。
注目チームと考え方(2024年Ver.)
8耐参戦チームにはそれぞれの目標があります。それを整理して見ることでチームの戦略や判断の背景を知ることに繋がると思います。
そして、注目チームは大きく分けると3つにタイプがカテゴリー分けできます。8耐を初めて観戦する方は、まずはここから押さえておきましょう!
①8耐スペシャルワークスチーム
→メーカーの威信を賭け、優勝を目指す最強チーム群
#30 Team HRC
ワークスチームとはメーカーが直接チームを運営してレースに参戦する形態を指しますが、「鈴鹿8耐で勝つ」ことを至上命題に掲げて参戦するのですから気合が違います。さらに、この一戦のためにチームが組織されるのですから、下で紹介されるEWCのトップチームよりも8耐に賭ける熱量は上でしょう。
しかし・・・。2019年はホンダ、ヤマハ、カワサキと3メーカーが揃っていましたが、2019年をもってヤマハワークスが、2022年をもってカワサキワークスが参戦を休止(泣)。現在、8耐スペシャルのワークスはホンダのみという状況です。
②EWCトップチーム
→EWC年間タイトル獲得を最大の目標に掲げているチーム群
#1 YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC
#5 F.C.C. TSR Honda France
#11 Team Kawasaki Webike Trickstar
#12 Yoshimura SERT Motul
#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
など
メーカーから直接支援を受ける準ワークスチームと呼べる体制でいずれも強力です(BMWはワークス体制)。耐久レースを知り尽くしたスペシャリストとして、十分優勝争いに絡んでくるポテンシャルがあると思います。
ただ、彼らの最終的な目標はあくまでEWC年間タイトル。8耐のみ参加のチームと比較すると無理をする走りは出来ないという点は覚えておきたいですね。
③国内全日本有力チーム
→優勝・表彰台の獲得を目指しているチーム群
#2 DUCATI Team KAGAYAMA
#17 Astemo Honda Dream SI Racing
#71 Honda Dream RT SAKURAI Honda
#73 SDG Honda Racing
#76 AutoRace Ube Racing Team
#104 TOHO Racing
など
国内で戦うライダーを中心に組織されるので、地の利がはたらきます。
メーカーからの手厚い援助を受けるチームやファクトリー製パーツを組み込む車両もあるなど準ワークスと呼べるチームも含まれています。鈴鹿サーキットの走り込みの量も多く、チームによっては充分優勝争いに絡んでくることが予想されます。
今年の注目ポイントは?
Team HRC。左から
名越哲平選手、高橋巧選手、ヨハン・ザルコ選手。
・高橋巧選手が単独最多となる6勝目を記録できるか
・6年ぶりの現役MotoGPライダー参戦
・鈴鹿8耐初登場となるドゥカティファクトリー車の実力は?
昨年の大会で宇川徹氏の持つ「8耐で5勝」の記録に並んだ巧選手。つまり今年勝てば単独最多となる6勝目となります。
また今年は海外からの新たな刺客にも注目です。まずは高橋巧とチームメイトとなる現役MotoGPライダーのヨハン・ザルコです。2015,2016年と2年連続でmoto2世界チャンピオンを獲得。
その後はヤマハ-KTM-ドゥカティ-ホンダと様々なメーカーを経験し、昨年は優勝も達成している実力派のライダーが初登場!耐久の本場フランス出身の彼は一度出てみたかったとのこと。どんな走りを披露してくれるか今から楽しみです。
そして、もう一つの刺客はドゥカティのワークスマシンではないでしょうか?今年、TeamKAGAYAMAは昨年のSBKマシンをイタリアから持ち込み全日本ロードに参戦。ホンダから移籍をした水野選手がヤマハファクトリー相手に肉薄する走りを見せているのはご存知かと思います。
そのマシンが鈴鹿に見参。世界でも最も過酷なレースと言われる鈴鹿8耐をどう戦い抜くか注目しましよう。
今年もホンダ優勢だが、伏兵も健在!
やはり今年も、唯一、強力なワークスチームを展開するホンダが優勝だと予想します。
これまでエースとしてチームを引っ張った長島選手が不在ではありますが。安定感のある高橋、 MotoGPライダーのザルコ、全日本で活躍中の名越と豪華な顔ぶれです。
ノートラブルであればイチバン速さを持っているHRCが3連覇を達成するというシナリオが真っ先に浮かびます。
しかし、8耐の歴史を紐解けば、いくら圧倒的な力を持っていても、予想外のトラブルに見舞われて涙を見る・・・こんな展開だって星の数ほどありました。
その場合に後ろに控えていそうな有力チームもメーカー別にまとめてみました。
ホンダ
#5 F.C.C. TSR Honda France
#17 Astemo Honda Dream SI Racing
#73 SDG Honda Racing
#104 TOHO Racing
やはり、チーム層がイチバン厚いのはホンダですね。
中でも今年はTOHO Racingに注目です。昨年は失格になってしまったとはいえ。2位フィニッシュできるほどの速さをみせたこのチームに国内でもトップクラスの速さを持つ渡辺一樹選手が加入しています!鈴鹿8耐4勝を誇るベテラン清成選手や昨年全日本ST1000でチャンピオン争いを演じた榎戸選手と共に昨年の忘れ物を取り返しにいく走りに注目です。
ヤマハ
#1 YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC
#1 YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC
昨年はEWCチャンピオンを獲得したYARTチームが今年もヤマハトップチームとして参戦です。昨年はトラブルに泣かされましたが今年はチームにとって初の鈴鹿8耐表彰台を獲得したいところでしょう。
スズキ
#12 Yoshimura SERT Motul
#76 AutoRace Ube Racing Team
今年70周年を迎えたヨシムラは渥美心選手が加入!3月の全日本でも表彰台を争う戦いを披露していただけに期待大です。さらに世界GPのmoto2クラスからアルベルト・アレナス選手が負傷したグレッグ・ブラック選手の代役として急遽加入となります。2020年には日本の小椋藍を下しmoto3年間王者になった実力者がEWCトップチームで鈴鹿でどんな走りを披露するか楽しみです。
カワサキ
#11 Team Kawasaki Webike Trickstar
#11 Team Kawasaki Webike Trickstar
現体制となって2年目を迎えるKWT。今年はライダーラインナップを一新し、耐久で重要な”安定感”をより強化している印象のチーム。カワサキファクトリー不在の中EWCクラス唯一のメーカー系チームとして表彰台獲得を狙います。
ドゥカティ
#2 DUCATI Team KAGAYAMA
全日本では開幕から王者中須賀に肉薄する走りを見せた、ドゥカティファクトリー機×水野が鈴鹿8耐に登場!
現在ドゥカティマシンでレースを戦う2人の外人ライダーを呼び寄せて国内メーカーに真っ向勝負です。
各メーカーから表彰台を狙える有力チームが盛りだくさん。14年間見てきたキャリアをもってしても、まったく予想がつきません!(汗)
現地観戦なら西コースがオススメ!
コースとの距離が近い&低速コーナなのでじっくりマシンを観るのに最適!
決勝レース時間が長い8耐は色々なスポットでマシンの走りを観察できるチャンスです。
全日本などのスプリントレースではレース時間が短いため、どうしても東コースで観戦が完結していることが多いと思います。
その点、時間がたっぷりある8耐では西コースに行くチャンスなのです。
特に魅力的なのが低速コーナーであるヘアピンです。
バイクのフルブレーキングとフル加速が至近距離で観察できます。特に決勝レース中はヘアピンでのコーナーリングラインのシビアさから素人目でもライダーの疲労度が分かったりします。午後2時などの最も暑い時間などにライダーがバイクや暑さと格闘する様子をぜひ間近で確認してみて下さい。
Webikeの順位予想企画もオススメです!
手前味噌で恐縮ですが、ウェビックでは8耐の順位予想企画も開催中!ウェビックでお買い物に使えるウェビックポイント20万円相当を山分けする企画もあるので、こちらも要チェックです。せっかくなので、皆さんもぜひご活用ください!
お題は以下です。
①鈴鹿8耐の推しチームを決めよう!
②決勝レース「優勝」のチームを当てよう
せっかくなので、私の予想もお知らせしましょう(情報は2024/07/19現在)。あくまでも私個人の予想ですので、外れても責任は持てません(笑)。
①鈴鹿8耐の推しチームを決めよう!

昨年は2位表彰台に登壇したものの、車両規定違反による失格となり幻の表彰台となってしまいました。
今年は渡辺一樹選手という新戦力を獲得。8耐4勝を誇るベテランの清成選手、そして引退発表したはずがまだまだ活躍中(ファンとしては嬉しい)の榎戸選手という3名で表彰台を!という展開を期待しています。
②決勝レース「優勝」のチームを当てよう

特に名越選手の活躍に注目しています。全日本では2021年よりホンダのエースライダーとして活躍していますが、2022年の大怪我を乗り越えやっと掴んだファクトリーライダーとして迎えるレースです。ぜひ実力を発揮してチームに貢献してほしいです。
終わりに
今年は自身にとって15回目の8耐になります。今年は残念ながらSBKライダーの参戦はありませんが、MotoGPライダーの参戦など注目したいポイントが豊富なのは変わりません。
今年も世界トップクラスのライダーの惚れ惚れするようなライディングを鈴鹿で観戦しませんか?
この記事にいいねする