6月8日(土)のFIM世界耐久選手権(EWC)第2戦「スパ8時間耐久ロードレース」。日本で7月に開催される第3戦「鈴鹿8耐」を含むEWCシリーズの戦いだが、このラウンドでフル参戦チームの勢力図も見えてくるだろう。そんなスパ8時間の開催直前の今、レースの見どころや注目チームをピックアップしてレポートしたい。

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スパラウンドの基本情報とレースの見どころ

開催地はベルギーのスパ・フランコルシャン。二輪レースのコースは一周が6.985km(四輪レースは7.004km)、コーナー数が20あり、アップダウンが激しいレイアウトで高速コースなだけに攻略が難しいサーキットだ。

四輪レースでは馴染み深いスパ24時間レースやF1ベルギーGPが開催される地だが、EWCのスパラウンドは2022年から10年契約でカレンダーに復帰を果たした。また、2022~2023年の2年間は24時間レースとして開催されたが、今年は24時間から8時間に短縮。シリーズはル・マンとボルドールは24時間、鈴鹿は8時間と変わりはない。

また、EWCとしては1973年から2001年までリエージュ24時間として同地で行われていた過去があり、シリーズから外れてもレースは2003年まで続けらていた。しかし、現代のマシンでは直近2年間のデータしかなく、さらに今年は24時間から8時間と変わったためにレースペースも異なるため、別の戦略が必要になることだろう。

タイムスケジュールは6月6日(木)にプライベートプラクティス、6月7日(金)にフリー走行、予選1回目、予選2回目、6月8日(土)に決勝レースがあり、走行は3日のみ。公式セッションとしては金土の2日のみという短いレースウイークとなる。上述の通り決勝は土曜日開催のため、観戦日はお間違えのないように。

ワークス勢のエントリーは変わらず。過去2年のポールはYAMAHA、優勝はBMWとYAMAHA

ポールポジションは2年連続でYART YAMAHAが獲得しており、2番手がBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、3番手はYOSHIMURA SERT MOTUL、4番手はF.C.C. TSR HONDA Franceとトップ4まで同一の並びだ。

決勝においては2022年のトップ3がBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、TATI TEAM BERINGER RACING、F.C.C. TSR Honda France。2023年はYART Yamaha Official EWC Team、F.C.C. TSR Honda France、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMだ。そのため、予選でも決勝でもYAMAHAとBMWが速いことが今年も予想される。

第2戦スパ8時間のエントリーは全37チームで、34チームが年間エントリーチームだ。ワークス勢のライダーラインアップに変更はなく、開幕戦ル・マン24時間を制したYOSHIMURA SERT MOTULはグレッグ・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフットを擁する。

YART YAMAHAはニッコロ・カネパ、マービン・フリッツ、カレル・ハニカ。F.C.C. TSR HONDA Franceはジョシュ・フック、マイク・ディ・メリオ、アラン・テシェ。KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARはグレゴリー・ルブラン、クリスチャン・ガマリノ、ロマン・ラモス。BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMはマーカス・ライターバーガー、シルバン・ギュントーリ、イリヤ・ミハルチクだが、登録順が変わりライターバーガーがブルー、ミハルチクがレッドの腕章をつける。

補足しておくと、8時間レースのため第4ライダーの登録はない。

使用されるバイクは1000ccのスーパースポーツでヤマハ、ホンダ、スズキ、カワサキといった日本国内メーカー。そしてBMW、アプリリアといった海外メーカーのマシンだが、今回はドゥカティを使用するチームはエントリーしなかった。

TEAM ETOILEはレギュラー陣が集結。YOSHIMURA SERT Motulは2連勝なるか

SSTクラスに参戦しているTEAM ETOILEは亀井雄大、大久保光、渡辺一樹のレギュラーライダーが揃った。開幕戦ル・マン24時間では大久保が他の選手権に参戦、渡辺は怪我により出場できず、亀井が2名の代役ライダーを引っ張った。

ル・マンでは決勝でSSTクラス3番手を走るパフォーマンスを見せたが、2度の転倒でリタイア。スパでは完走を目指すが、2戦目の亀井、世界選手権を多く経験している大久保と渡辺が加わったことにより結果的に上位に食い込むことが期待される。

前回のプレビューでもお伝えしたが、2016年から参戦しているF.C.C. TSR HONDA Franceは日本チームとしての登録だ。YOSHIMURA SERT Motulは開幕戦ル・マン24時間は日本チームとして登録されたが、第2戦スパ24時間はフランスチームとなっている。

第4ライダーの走行はないが、渥美心もレースウイークから現地入りの予定。昨年の最終戦ボルドール24時間から数えて3連勝、開幕2連勝なるだろうか。

そのほか、MACO RACING TEAMから石塚健、3 ART BEST OF BIKEから綿貫舞空がエントリーしていることに変わりはない。

今年は8時間のため過去2年間よりハイペースなレースとなることが予想されるが、もちろん転倒のリスクもあり、コースの攻略も難しい場所だ。急に雨が降り出すスパウェザーに翻弄される可能性もある。そんなスパ8時間のポールポジションを獲得するのは、そして表彰台に上る3チームはどこになるのか予想してみて欲しい。

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2024年のスパは8時間のスプリント耐久に! レギュラー陣集結のTEAM ETOILEは表彰台なるか ギャラリーへ (8枚)

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