
Webikeもサポートする「日本郵便HondaDreamTP」全日本ロードレースレポートをお届けします!
目次
2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第2 SUPERBIKE RACE in MOTEGI
2024年4月13日(土)
公式予選・JSB1000レース1 天候:晴れ コース:ドライ
2024年4月14日(日)
決勝・JSB1000レース2 天候:晴れ コース:ドライ
栃木県・モビリティリゾートもてぎ(1周=4.801379km)
観客動員数:13,000人(2日間合計)
JSB1000
#33 高橋 巧
Race 1 予選10番手(1'48"540)決勝:8位
Race 2 予選10番手(1'48"559)決勝:7位
ST600
#5 小山知良
予選6番手(1'52"832)決勝:5位
#27 大和 颯
予選18番手(1'55"065)決勝:DNF
J-GP3
#12 岡崎静夏
予選11番手(2'01"985)決勝:6位
#3 若松 怜
予選2番手(1'59"864)決勝:優勝
J-GP3若松が激戦を制し優勝!小山が5位、岡崎が6位に入賞!!
3月に行われた開幕戦鈴鹿2&4レースから約一カ月のインターバルを経て全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦が栃木県・モビリティリゾートもてぎで開催された。
全クラスがそろい本格的なシーズン開幕とも言えるレース。
JSB1000クラスの高橋巧は2戦目となるが、ST600クラスの小山知良、大和颯、J-GP3クラスの岡崎静夏、若松怜にとっては今回がシーズン初戦となるだけに、前週に行われた公開テストから精力的にマシンをセットアップし走り込んだ。
レースウイークは、木曜日の特別スポーツ走行から始まり、金曜日まで、あまり気温は上がらなかったが、土曜日、日曜日と天気もよく日中は汗ばむほどの暑さとなった。
J-GP3クラスでは、昨年1勝を挙げランキング3位となった若松が、今シーズンはタイトル獲りに挑む。公式予選では、ポールポジションを狙うべくアタックしていたが、2コーナーでハイサイド転倒。
大きなケガはなく、転倒前に出していたタイムで2番手につけた。このとき岡崎を引っ張る予定だったが、転倒してしまったため、岡崎は自力でアタックし11番手につけた。
18周で争われたJ-GP3クラスの決勝。
スタート直後の3コーナーで中団グループで多重クラッシュが発生。若松と岡崎は、これに巻き込まれずレースを続行。若松は5台によるトップ争いの後方につけ様子を伺う。
岡崎はセカンドグループとなる6位争いにつけ、こちらは4台から3台の集団になっていく。
若松はレース中盤にトップに出てみるが、逃げることは難しいと判断。レース終盤に勝負をかけることに決めていた。
そして残り4周を切ったところで再びトップに立つが、残り2周でゼッケン1をつける尾野選手、木内選手といった速さもうまさを持っているライダーが前に出ていく。
最終ラップには、3番手で入ると3コーナー進入で尾野選手が振られたすきに2番手に浮上。5コーナーで木内選手をかわしてトップに立つが、S字コーナー進入で抜き返される。さらにV字コーナー進入で前に出るがヘアピンで2番手に下がる。
そして最後の勝負所とも言える90度コーナーを迎える。ここで若松は、見事なハードブレーキでトップに立つと、そのままゴール。
2024年シーズン初戦を制した。岡崎もセカンドグループを制し6位でチェッカーフラッグを受けた。
小山は悔しい5位でゴール!
ST600クラスの小山は、昨年、血液の病気が判明し克服。今シーズンは、フィジカル面は今までにないくらい仕上がっており、ライディング面でも様々なトライをしてきた。予選は自己ベストを更新し6番手と2列目を確保していた。
一方、今回がST600初レースとなる大和は、小山を始めチームのアドバイスを聞きながら、着実にタイムアップしてきたいたが、まだまだマシンを理解している真っ最中。
決勝では、トップ2が逃げていき小山は序盤の混戦の中、3位争いの集団につけ周回を重ねる。10周目に前を走っていたライダーが転倒し、レース終盤にポジションを上げたいところだったが、前を走るライダーの動きが大きく、かわすことができない。
マシンセットの問題もあり、勝負できずに悔しい5位でゴール。
大和は、前のライダーをかわしにいった2周目のS字コーナー進入で痛恨の転倒。ST600デビューレースを走り切るという目標を果たせなかった。
JSB1000クラスの高橋は、公開テストから試行錯誤を繰り返したが、なかなかいい方向が見えないままレース1は8位、レース2は7位と悔しい結果となっている。
日本郵便HondaDream コメント
JSB1000クラス #33 高橋巧選手コメント
なかなかうまくいかないですね・・・レースはマイナートラブルを抱えていましたし、レース2では、その部分は解決したのですが、まだまだ自分の思うような状態になっていないので、力を出し切れない状態です。
色々なことを試していて、いいところも見つかってきてはいますが、ステップの幅が狭いのが現状です。次戦SUGOではテストを含めて有意義な時間の使い方をし、大きなステップアップを見つけられるようにしたいと思っています。
今大会は昨年にも増して、多くの方が現地に来てくださり、いい結果を出して皆様の期待に応えたかったです。少しでも早くいい結果を残せるように頑張ります。懲りずに応援していただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
ST600クラス #5 小山知良選手コメント
YAMAHA勢が強いことは分かっていたので、色々と新しいトライを進めてきました。その上で今回は少し苦戦をするところもあり、使える部分を吟味してきました。
予選では昨シーズンのタイムを上回ることができ、自分自身がいつも掲げている“去年の自分を上回る”という目標は達成できました。決勝に向けて新しいトライをしているサスペンションを使用し、よかれと思ってやったことが全く機能せず、非常に苦しいレースとなりました。それでも全然使えないということもないとわかったので、次戦に向けてしっかりと組み直していきます。
苦しい時こそ笑顔でチーム一丸となって乗り越えていけると思っているので、SUGO大会ではバッチリとトップ争いができるように準備をしていきます。引き続き応援よろしくお願いいたします。
J-GP3クラス #12 岡崎静夏選手コメント
このチームに加入してからのベストリザルトを残すことができて、ひとまず安心しています。
しかし、レース展開を考えると前での転倒があった上での6位という結果なので、次戦はしっかり自力でトップグループについていけるように準備をしていきたいです。
グループの中ではペースが一番速い自信もあったので、前でチェッカーを受けるのは最低限だと思っていました。本当はグループの先頭に出て、単独で安定して走ることを望んでいましたが、そこまでの実力は足りませんでした。自分のペースを上げていけるようにタイヤの使い方など勉強しなければいけないことがたくさんあると思っています。
次戦以降は今回の結果が最低ラインになっていきます。常に上を目指し、全サーキットでベストタイムを更新できるように頑張っていきます。レースで走りながら、One Teamで戦っていることを意識しトップを獲ろうと強く思えました。
本当にたくさんの応援が力になります。今後も応援よろしくお願いいたします。
日本郵便docomo business コメント
ST600クラス #27 大和颯選手コメント
レースウイークは少しずつではありますが、毎セッション進化があり、走り方もマシンもよくなっていくことができました。ST600への乗り換えとなった今シーズンですが、マシンの特性に対しては慣れてきているものの、あだまだ追いついていないところもあります。
ウイークで詰めてきたものを決勝の16周を使い勉強をし、自分のものにするとチームと約束をしていたのですが、前車を抜きたいという気持ちが先行し転倒してしまいました。わずか2周でレースを終えるという、やってはいけないことをしてしまい本当に悔しい気持ちで一杯です。
応援いただいている皆様には、初戦のレースを2周しかお見せできず申し訳ありません。次戦は2レースあるので多く見ていただけるようにトレーニングに臨みます。引き続き応援よろしくお願いいたします。
J-GP3クラス #3 若松怜選手コメント
予選ではポールポジションを逃してしまいましたが、ウィーク初日から調子が良く最後は優勝をすることができました。反省もしていきますが、結果良ければ全て良しということで、まずは今回成功したことを次に活かしていきたいです。
本当は逃げ切って単独で優勝を飾りたかったのでレース中にペースを上げて引き離そうと試みましたが、上手くいきませんでした。そこで最終コーナー立ち上がりに勝負のポイントを絞り、毎周戦略を考えて走ることに切り替えました。ブレーキングには自信があったので、その強みを活かし前に出ることができて最後に優勝できたのは、作戦がうまくいった証だと思います。
次戦SUGO大会は好きなサーキットなので絶対に逃せない一戦になります。今回久々に優勝をして、皆様が喜んでいる姿を見られて嬉しかったです。次も最後にチェッカーを受けた時に、応援いただく皆様が喜んでいる姿を見られるように頑張ります。
引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。
手島雄介監督コメント
日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまをはじめ、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。
今大会は初めて5選手が揃い、第2戦もてぎ大会を無事に終えられたことに感謝致します。
昨シーズンより5台体制でチームを組ませていただき、チームをまとめることの難しさを痛感した中で、オフシーズンを通じてチーム編成を整理してきました。
また今シーズンは若手育成チームの立ち上げをし『日本郵便docomo business』から大和選手と若松選手を起用した新たなチャレンジを行なっています。もう一方では今までの『日本郵便Honda Dream』に世界を経験してきた3選手(高橋巧/小山知良/岡崎静夏)を入れる構図を取りました。個々の力が強くてもバラバラでは一つのエネルギーにはなりません。
今年は各チームが成長しやすい環境作りとコミュニケーションを取りやすい場を作るためにこのような2チーム構成としました。今大会の若松選手の優勝は本人の努力が一番だとは思いますが、このチーム編成が効果を発揮したとも捉えています。岡崎選手もチーム加入後初の6位入賞ということで非常に嬉しいスタートとなりました。2選手が我々に教えてくれたことは成長だと思っています。
高橋選手、小山選手、大和選手としては苦戦をしたレースとなりましたが、視点を変えれば成長の機会がまだまだあると捉え、私たちが自分自身を信じて、一つ一つのチームが形となり、最後にOne Teamになった時には絶対に強くなれます。また成長することもできると今回気づかせていただきました。
ただし、我々のチームが成長したとしても本当の目的にはなりません。
それは真っ赤に染まる応援団の皆様の光景を若松選手の表彰台の上から見た時に、応援いただく皆様と一つになり成長することが本当の目的だと思ったからです。
成長の形は様々あれど、レースの世界で出す結果を通じて社会へ貢献出来るものを創りあげてこそ成長だと私は思います。この“成長心”というものを今後も意識しながら次のSUGO大会に向かっていきます。
是非、SUGO大会も一緒に戦いましょう。
ティー・プロ・イノベーション
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