極寒の開幕戦鈴鹿2&4レースから3週間半のインターバルで第2戦モビリティリゾートもてぎに向けた公開テストが4月3日(水)から3日間行われた。公開テストは、初日が4メーカー枠とST600クラスのセッションが行われ、2日目は各クラスに分かれて2本ずつ、3日目はタイヤメーカー枠とJSB1000・ST1000の参加者向け走行、J-GP3クラスの2セッションが行われるスケジュールとなっている。4メーカー枠を走ったライダーは、タイヤメーカー枠を走ることができないというルールがある。JSB1000のトップチームの多くは、4メーカー枠に参加しているが、Honda系チームは数が多いことから走れないライダーもいる。今シーズン、最大の話題となっているDUCATI Team KAGAYAMAは、国内4メーカーではないので、テスト2日目からの参加となった。

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ハードコンディションの中、クラストップタイムを水野がマーク

公開テスト期間の天気は、初日が曇り空で、あまり気温も上がらない状態からスタートし、午後が雨、2日目は、前日の雨のため最初のセッションは中途半端な状態だったが、その後、気温も上がり、陽も差してくると気温も上昇し暖かい1日となった。しかし3日目は朝まで雨が降り、徐々に乾いていくものの気温は上がらず、肌寒い1日となった。この一番コンディションの悪い3日目に、JSB1000クラスのトップタイムが記録された。

1分47秒494。このタイムをマークしたのは、DUCATI Team KAGAYAMAの水野涼だった。テスト2日目からの参加となったが、この日は、45分のセッションが2本しかなく、しかも1本目はウエットパッチの残るコンディションだった。もてぎを走らすのは、このときが初めて。ファイナルの確認などデータも全くない中から走り始めたにも関わらず1分48秒455をマークし3番手につけていた。ETS製CN燃料にも、しっかり対応できているのもドゥカティのすごさと共にチーム力の高さを証明している。

3日目は気温が上がらず、朝方まで雨が降ったため、ラバーが流れてしまい路面のグリップは悪かった。水野も前日のタイムを上回ればいいかと思っていたが、2本目の走行で1分47秒494をマークした。

「予想以上に速いタイムが出たので午後はレースウイークを見据えたセットアップを進めることができました。ロングランというほどではないのですが、長く周回もできましたし、いいアベレージで走ることができたので、レースが楽しみですね」と水野。

ロングラン中にも1分47秒台に入っており、予選では1分46秒台に入れたいと意気込む。コースレコードは、2019年に中須賀克行が記録した1分46秒878。昨年は、CN燃料になって最初のレースということ、さらに気温が低かったこともあり、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの岡本裕生が記録したポールタイムは1分47秒338というものだった。

各選手も意気込み充分 転倒の中須賀は回復具合に注目

岡本は今回の公開テストでは、2日目のトップタイムとなる1分47秒749を記録。開幕戦鈴鹿は攻めきれず不甲斐ないレースになってしまったと語っていたが、その悔しさを晴らすためにもレースウイークにどこまで詰めていけるかが課題となる。一方、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は、テスト初日にドライでトップタイムをマークするものの、雨の中で転倒し右肩を負傷。2日目は1本目をキャンセルし、2本目は身体とマシンを確認。レースウイークは大丈夫と語っていたが、回復具合がカギを握りそうだ。

開幕戦鈴鹿で目覚ましい走りを見せたDUNLOP Racing Team with YAHAGIの長島哲太は、1分48秒205でテスト総合では3番手タイムを記録。今回もレースをかき回してくれそうだ。Astemo Honda Dream SI Racingの野左根航汰は、Honda CBR1000RR-Rの理解度も進み1分48秒492までタイムを縮めて来ている。もちろん、まだまだ本気のアタックはしていない状況だけに、レースウイークが楽しみなところだ。

ドゥカティともてぎの相性はよさそうと鈴鹿で語っていた水野。実際に走って見ても、その印象は変わらず確信に変わって来ている。この流れでいくと第2戦もてぎでドゥカティが全日本JSB1000クラスで初優勝を飾る可能性は高いと言えるだろう。土曜に行われるレース1は15周、日曜日のレース2は20周で争われる。ぜひ現地に駆けつけて歴史の証人になっていただきたい。

ヤマハファクトリーの中須賀と岡本がドゥカティ+水野の勢いを封じ込めることができるか!? 長島、野左根、SDG Honda Racingの名越哲平、Honda Dream RT SAKURAI HONDAの伊藤和輝、TOHO Racingから代役参戦する榎戸育寛、JAPAN POST Honda Dream TPの高橋巧と層の厚いHonda勢が、どこまで上位に食い込むことができるか!? スズキの雄、AutoRace Ube Racing Teamの津田拓也も開幕戦鈴鹿は苦戦しただけに、ここから仕切り直しとなる。

ST1000はチャンピオン不在の初戦に

ST1000クラスは、公開テスト初日にゼッケン1をつけるAstemo Honda Dream SI Racingの渡辺一馬がV字コーナーで転倒し負傷。残念ながら、第2戦もてぎは欠場することが発表されている。

ディフェンディングチャンピオン不在で迎える初戦。公開テストでは、SDG Team HARC-PRO.の國井勇輝がセッションをリード。國井は、今シーズンは、アジアロードレース選手権(ARRC)ASB1000とダブルエントリー。昨年はケガに泣かされたが、3月中旬に行われたARRC開幕戦タイでは、トップ争いを繰り広げフィジカル面は問題ないことを証明。ARRCは昨年モデルを使っており、第2戦もてぎの翌週がARRC第2戦中国となるため、全日本も、まだ新型Honda CBR1000RR-Rは投入せずに臨む。一方、MOTOBUN HONDAの荒川晃大、TOHO Racingの國峰啄磨、JSB1000からスイッチするAstemo Honda Dream SI Racingの作本輝介は、2024年モデルとなっており、着実にセットを進めて来ている。

2番手タイムをマークしたKawasaki Plaza Racing Teamの岩戸亮介も調子を上げてきており、Honda勢の牙城を切り崩していきたいところだ。ヤマハ勢は、DOGFIGHTRACING JDSの豊島怜、チームを移籍したOGURA CLUYCH + NITRO RACINGの横山尚太、ST1000にスイッチしたAKENO SPEED・RC KOSHIENの井手翔太、スズキは孤軍奮闘のTeam TITAN-TKR SUZUKIの村瀬健琉が上位を狙う。

激戦必至のST600、J-GP3にも注目

ST600クラスは、TEAMKENKEN Ytchの長尾健吾がトップタイムを記録。ゼッケン1をつけるSQUADRA TIGRE TAIRA PROMOTEの阿部恵斗、AKENO SPEED・MAVERICKの伊達悠太が1分53秒台で続き好調。JAPAN POST Honda Dream TPの小山知良も最後に転倒はあったが、他のライダーに引っかかっていなければ1分53秒台には入っていたはずだけに、優勝候補の一人と言っていいだろう。昨年コースレコードでポールポジションを獲得したWORK NAVI NITRO RACING TEAMの芳賀涼大、そのチームメイトとして加わった岡谷悠太、MOTOBUM HONDAの鈴木光来、ITO RACING BORG CUSTOMの中山耀介なども上位に顔を出しそうだけに、2024年シーズンも激戦が繰り広げられそうだ。

J-GP3クラスは、4年連続チャンピオンを狙うP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹を中心にシーズンが進んでいきそうだ。ただ、尾野は、先に行われたARRC開幕戦タイでTVSシリーズに参戦。エンジントラブルで転倒し身体を痛めており、まだ完全な状態ではなかったが、公開テストでトップタイムをマークしている。これに今年こそチャンピオンを獲りたいTeam Plusoneの木内尚太、JAPAN POST HondaDream TPの若松怜と続いた。また、今回WJ-Factory+F2からスポット参戦する荻原羚大は初日にトップタイムをマーク。ピレリタイヤを履いており、どんな戦い振りを見せるか注目したい。

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