
手島雄介率いるT.Pro Innovation(ティープロイノベーション)は2月23日(金・祝)の、ふみの日にレース体制発表会とT.Proファン☆フェスタを日本郵便株式会社川崎港郵便局で開催。2024年は、日本郵便Honda Dreamから全日本ロードレース選手権シリーズJSB1000クラスに高橋巧、ST600クラスに小山知良、J-GP3クラスに岡崎静夏が、日本郵便docomo businessからST600クラスに新加入の大和颯とJ-GP3クラスに若松怜がフル参戦することが発表された。
2018年に発足した日本郵便Honda Dream。2019年にST600で小山知良が、2020年には、高橋裕紀がST1000初代チャンピオンに輝くなど全日本ロードレース選手権でトップチームとしての地位を確立。7年目となる2024年シーズンは、ついに国内最高峰クラスへ参戦を決めた。
目次
- 1 「“サーキットに来場くださる皆さんに多く観てほしい、そして多くの接点を作りたい”」手島雄介代表
- 2 「チームと力を合わせておもしろいシーズンに、おもしろいレースをしていきたいと思っています」高橋巧
- 3 「フィジカル面で仕上がって来ているのが分かるので、今から走るのが楽しみです。」小山知良
- 4 「見ている皆様が笑顔になれるような、おもしろいレースがしたいと思っています」岡崎静夏
- 5 若手ライダー・大和颯が日本郵便docomo businessに新加入 若松怜はチャンピオンを目指す
- 6 現役引退・高橋裕紀に手島監督から感謝の花束が
- 7 同時開催の「T.Proファン☆フェスタ」ではT.proファミリーライダーが勢ぞろい
「“サーキットに来場くださる皆さんに多く観てほしい、そして多くの接点を作りたい”」手島雄介代表
「これまで通りONE TEAMをスローガンに今年は“集(つどう)”をテーマに一人一人のつながりを大事に、その輪を広げていこうと思っています」と手島雄介代表。
「高橋巧というライダーの実力は理解していますし、昨年はウチで(高橋巧が)走ることが決まったのが遅かったこともありST1000クラスになりました。ただ、約束とまでは言いませんが“2年目はJSB1000クラスに”と話していました。昨年、鈴鹿8耐で巧が勝ったことはJSB1000クラスをやるにあたって大きい出来事でした。JSB1000クラスは、他のクラスに比べると大会数とレース数が多いので“サーキットに来場くださる皆さんに多く観てほしい、そして多くの接点を作りたい”という思いにも合致しますので参戦を決めました。もちろんレースに勝つということは大前提にあります」とチームを率いる手島雄介監督。
2017年にJSB1000クラスでチャンピオンを獲得。ランキング2位には5回なっておりトップライダーとして活躍。2020年にワールドスーパーバイク、2021年、2022年とブリティッシュスーパーバイクに参戦し、昨年より日本に戻り、日本郵便Honda DreamでST1000クラスを戦ったが、ストック車両を思うように攻略できずに納得いく結果を残すことができなかった。JSB1000クラスでこそ、高橋の実力が発揮できるはずと誰もが思っていた。チームとしては初めての最高峰クラス参戦となるが、レース経験が豊富なスタッフがそろっているだけに、その辺は不安はない。
日本郵便の“JP”を手で表して笑顔を見せるライダーと手島雄介代表。
「チームと力を合わせておもしろいシーズンに、おもしろいレースをしていきたいと思っています」高橋巧
「実は未だに直接JSB1000クラスを走ると直接(手島監督に)言われていないんですよ。Hondaの発表が1月にあり、2月に入って暫定エントリーリストが出たので“JSB1000クラスをやることになったんだな”と理解していました。5年振りにJSB1000クラスに戻れることになったので、ここ数年は他メーカーさんの独壇場だったので、それを阻止したいですし、実際にチャンピオンを獲った経験のあるクラスなので、チームと力を合わせておもしろいシーズンに、おもしろいレースをしていきたいと思っています」
「シーズンオフはいつもと変わらずトレーニングを続けていました。昨年はMotoGPマシンのテストや急きょ代役で出たこともありましたし、今年もいつMotoGPテストに呼ばれてもいいようにしているのでフィジカル面では問題はありません。JSB1000クラスを走るために動いてくださった手島監督、日本郵便を始めとしたスポンサーの皆様には感謝しかありません。結果で恩返しできるように全力で走るだけですね」と高橋。
「フィジカル面で仕上がって来ているのが分かるので、今から走るのが楽しみです。」小山知良
10代のときよりも身体が仕上がっているというコヤマックスは2度目のST600王座を狙う。ゼッケン5をつけるのは初めてだがワイン・ガードナーの印象が強いという。
チームの絶対エースとして牽引してきた小山も2度目のST600クラス、タイトル獲りに燃えている。
「ここ2年ほど原因不明の体調不良に悩まされていたのですが、昨年の鈴鹿8耐前に血液の病気ということが判明し、しっかり治療しました。昨年の最終戦鈴鹿でようやく本調子に戻って来て2位に入ることができました。今は、さらにトレーニングを重ね10代のときのような身体を手に入れて、フィジカル面で仕上がって来ているのが分かるので、今から走るのが楽しみです。6戦中3勝はしたいと思っています」と強いコヤマックスが戻ってきそうだ。
「見ている皆様が笑顔になれるような、おもしろいレースがしたいと思っています」岡崎静夏
ここ数年は足踏みが続いている岡崎。タイヤをブリヂストンに変更し勝負。
そして全日本J-GP3クラスに参戦するようになり13年目となる岡崎静夏は、長年使ってきたダンロップからブリヂストンにタイヤをスイッチする。
「2024年は、ブリヂストンタイヤを履かせていただくことが大きな変更になります。チームメイトの若松選手と同じになりますし、優勝できるパッケージなので、今年こそ表彰台、そして優勝を達成できるように精一杯走ります。すでにテストをさせていただき、いい感触を得ていますし、長年お世話になっている小原さんが近くにいてくださることも心強いです。見ている皆様が笑顔になれるような、おもしろいレースがしたいと思っています」とコメントした。
若手ライダー・大和颯が日本郵便docomo businessに新加入 若松怜はチャンピオンを目指す
新加入の大和颯(しゅう)。J-GP3クラスからST600にスイッチして新シーズンに挑む。
日本郵便docomo businessは、若手育成プロジェクトと位置付け若手ライダーを走らせる。J-GP3クラスの若松はチーム2年目だが、大和は新たに起用し、J-GP3クラスからST600クラスにスイッチする。
「まずはチームに迎え入れてくださったことを手島監督を始め関係者の皆様に感謝いたします。初めてのST600クラスになりますが、尊敬する小山選手に少しでも追いつき、追い越せるように多くのことを学んでいきたいと思っています」と大和は緊張した面持ちで語った。一方、若松は「昨年の自分を超えることはもちろん、シリーズチャンピオンを目指します。予選でも常に上位につけ、おもしろいレースができるように全戦で優勝を狙っていきます」と強気のコメントを残した。
現役引退・高橋裕紀に手島監督から感謝の花束が
発表会の最後には、現役引退を発表した高橋裕紀に手島監督から感謝の花束が贈呈。小山から“引退撤回宣言しちゃえば?”と突っ込まれるが“もうレースを走ることはないですね”とレーシングライダーとしては完全に引退するとコメント。イベントには今後も参加していく所存だと言う。
同時開催の「T.Proファン☆フェスタ」ではT.proファミリーライダーが勢ぞろい
日本郵便・市倉昇副社長も発表会に駆けつけチームを激励。親子バイク教室やサーキットを活用したイベント、技術講習、安全運転講話、郵便ポストから感謝を伝えるワンポスなどレース以外の活動も続けていき、これに賛同するT.Proファミリーライダー(岩田悟、國峰啄磨、水野涼、高橋裕紀、國川浩道)も登場。午前中に開催された「T.Proファン☆フェスタ」では、ファンとの交流イベントを楽しんだ。
全日本ロードレース選手権シリーズは、3月9日(土)、10日(日)の鈴鹿2&4レースで開幕する。第1戦はJSB1000クラスのみとなるが、今シーズンは見どころ盛りだくさん。高橋巧のJSB1000クラス復帰戦としても注目されるレースとなる。
高橋巧がJSB1000にエントリー。チームとして初めて国内最高峰クラスへ! ギャラリーへ (13枚)この記事にいいねする